落ち込んだ時に思ったこと | ロンドン東京行ったり来たり by Bindi

ロンドン東京行ったり来たり by Bindi

主人の転勤がきっかけでスタートしたロンドン生活。
そんな中で出会った場所や人、文化や食べ物なんかについて
綴っていきたいと思います。


先日、ちょっと落ち込むことがありました。

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実にたわいのないことだったのですが、1人で抱えこめなくなって、

ついFacebookで呟いたり、友人に絡んだりしてしまいました。


もう半世紀近く生きていると凹むことなど数知れず。

人間関係や子育てで悩んだり、失恋したり、病気したり。

ダイエットが進まないことだって悩みのタネにはなります。


そしてその度によく言われたのが、

『もっと深刻なことで苦しんでる人に比べれば大したことないから大丈夫!』

という言葉。

自分も以前よく人に言ってたな・・・

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確かに失恋して命取られるわけじゃないし、

子育てに悩んでると言っても一応息子は健康に育ってるわけだし、

人間関係の縺れも飢餓や戦争に比べれば取るに足らないこと。


でもその言葉じゃ私の心は少しも楽にはなりませんでした。

むしろ小さなことでクヨクヨしたまま解決できない自分が嫌になり

更に凹んだ記憶が。

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そんなある時、伯母がこんな言葉をくれました。

『そうね、確かにもっと苦しんでる人はいるかも知れない。

でもあなたも辛いのよね。たとえ小さな悩みだったとしても。

他人の辛さと比較されても慰めにはならないわよね。』  と。


我慢することないのよ・・・と伯母は私の横で何時間も愚痴を聞いてくれました。

その時どれだけ救われたことか。

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ロンドンのとある教会で開催された東日本大震災のチャリティコンサートでも、

イギリス人主催者男性が冒頭の挨拶でこんなことを言いました。


『犠牲者の方やご家族、家やライフラインを失うなど直接被災した方々、

そして、遠くにいて直接の被害は受けなくても

多大なるストレスを感じられた方々みんなに捧げるコンサートです』  と。


震災発生時に東京在住だった私など、東北の方々に比べれば

何のダメージも受けてはいません。

毎日余震の恐怖を感じ、テレビの映像を見ては泣き、

物資が不足したことで日常生活に影響が出ていたのは確かですが、

その程度のストレスで当然愚痴など言うべきではないと誰もが考えていました。


ところが、このイギリス人紳士はそんな立場に置かれた我々の状況にまで言及し

間接的ではあっても被災者であると位置付けた上で、理解し慰めてくれたのです。

多少にかかわらず、苦しんでる人は慰められるべきだということでしょうか。

もうそれを聞いた途端涙が止まらなくなりました。

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今回私が凹んだ時、それを知った友人達は、誰一人として

『もっと悩んでる人がいるんだからあなたはまだマシ・・・』

といった意味のことを言いませんでした。

みんなそっと私の気持ちに寄り添って、

『そんな時もあるさ!悩んだっていいんだよ』

と声をかけてくれたのです。


その言葉に私の心が癒されたことは言うまでもありません。

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素敵な友人達に恵まれたことが実感出来て、むしろ以前より元気になったかも。

そして私自身も人の心に寄り添える人間になりたいと強く思いました。


そういえばこないだ誰かが言ってたっけ・・・Pay it forward 

忘れずにいたいです。


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