中2女子A子「平伏せよ。頭を垂れてつくばえ」
私「は? 何やねんいきなり」
A子「誰が喋って良いと言った。貴様の下らぬ意志で物を言うな、私に聞かれたことにのみ答えよ」
私「はあ……何かわからんけどすみません」
A子「私が問いたいのは一つのみ、何故に私の成績はいつまでたっても上がらないのか。塾に入ったからといってそこで終わりではない、そこから始まりだ。より勉強し、より努力し、私の成績を上げるための始まり」
私「いや、そこまでわかってるんならもっと勉強してくださいよ」
A子「ここ百年余り中3生の成績は上がり続けてきた。学校のテストで上位層を占めてきたのは常に中3生たちだ。しかし私の成績ははどうか、何度テストで0点を取った?」
私「そんなことを言われても……」
A子「そんなことを言われても、何だ、言ってみろ」
私「いえ、何でもありません」
A子「お前はいつも私の授業の時、手抜きをしているな」
私「いや、滅相もない」
A子「お前は私が言うことを否定するのか」
私「そりゃ事実と違うこと言われたら……」
A子「もはやこの塾の講師はN先生のみで良いと思っている。お前は塾長を解任する。最後に何か言い残すことは」
私「私はまだお役に立てます! もう少しだけご猶予を頂けるのならば必ずお役に!」
A子「具体的にどれほどの猶予を? お前はどの様な役に立てる? 今のお前の力でどれほどの事ができる?」
私「授業を! もっと受講科目を増やし授業の回数を増やしていただければ必ず成績を上げて見せます!」
A子「何故私がお前の指図で受講科目を増やさねばならんのだ。甚だ図々しい、身の程をわきまえろ」
私「違います、違います、私は」
A子「黙れ。何も違わない。私は何も間違えない。全ての決定権は私にあり、私の言うことは絶対である。お前に拒否する権利はない、私が正しいと言ったことが正しいのだ」
私「そこまで言うならテストで100点取ってくださいよ」
A子「お前は私に指図した。死に値する」
私「……俺、ここまで言われるほど何か悪いことしたっけ」