~ⅩⅡ ②~ 「ほっほっほっ、 年の功というものでございます。 マイケル様はご心配なのですか?」 小さい吐息をつくマイケル。 「桜花が、 行き先を告げずに出かけることは、 これまでなかったんだ。 紫龍のところにいる時でさえ、 連絡を取っていた」 「これはこれは、 甘やかされておいでだ」 むっとするマイケル。 「じゃあ、訊くが、 心配でなければ、 なぜ昨夜、 桜花の書斎に行ったんだ?」 目を細めるアルフレッド。 「ご予定を、 伺っていたのでございます」 驚くマイケル。 「教えてくれたのか?」 「当然でございます」 「なぜだ? 僕らには秘密のことを、 どうしてあなたには教えるんだ?」 にやりと笑うアルフレッド。 「だから年の功だと 申し上げております。 お三人は、 欲張り過ぎなのでございます。 私は執事で 運転手でございますれば、 ご予定を伺うのは当然のこと。 今朝のこと帰りのこと、 変更になった時や 連絡を取りたい時は、 どうすれば良いのかなどを お尋ねしておりました」 椅子をぐるっと回し、 カウンターに背中を預けて肘を突き、 マイケルは真っ青な空を見上げた。
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