~Ⅲ ⑤~ 扉をそっと開ける。 桜花はとても敏感だ。 眠っていてもその脳は、 様々な情報を収集しているように思えて ならない。 それでもどうしても気になって、 桜花のいるゲストルームに忍び込み、 その美しい寝顔を見つめる。 そっとその艶やかな ワインレッドの髪を撫でる。 「ああ、本当に桜花がいる…… やっと僕の元へ帰ってきてくれた」 桜花の澄んだ青い瞳がそっと開かれる。 「お帰りなさい、紫龍。 紫花の写真を見てくれた?」 「ああ、とても可愛い子だ」 嬉しそうに微笑む桜花。 「あなたに似て優しくて賢いの。 私はいつも叱られてばかりいるのよ」 「六歳の子供に?」 「ええ……」 静かに瞳を閉じる桜花。 可愛い寝言だった。 七年前と何も変わらない。 ブログランキング『Girls Power』