~Ⅰ ⑦~ 頬を染めながらも、 目を逸らさず真っ直ぐに見つめ返す 桜花の青い瞳。 「さあ、約束よ。離して」 不利な状況でも、 決して負けを認めない。 怯む事のない桜花が、 愛しくてたまらなかった。 桜花の瞳と唇に誘われるように 吸い寄せられる紫龍。 「離して!」 桜花のきっぱりとした口調に、 またもや怒りに火がつく。 「まだだ。その指輪の理由と 紫花のことを聞いていない」 口にしてからはっとする紫龍。 何度も口にしていながら、 これまでの事実をつなぎ合わせて やっと辿り着いた理由。 「まさか、紫花とは……」 紫龍がやっと手を離したので、 ベッドを転がりおりる桜花。 紫龍の手形がくっきりと赤く残る 左手首を抱えながら、 着替えと荷物のある椅子へ、 恐る恐る歩きだす。 ずきずきと、 痛む手首を見て顔をしかめる。 きっと腫れて青あざになり、 当分使い物にならないだろう。 紫龍に見られてはいけない。 いくら激情にかられたとはいえ、 こんなことをしたと知れば傷つく。 彼は本当は…… 優しいひとなのだから。 ブログランキング『Girls Power』