Ⅷ ⑦ 「ただいま、マナ。 一日留守にしてごめんなさい。 退屈しなかったかしら?」 首を振るマナ。 「良かった。 年寄りの相手は大変だったでしょう? お話は夕食の後で良いかしら?」 「ええ、夕食の後にね」 続いてキリーはアンジェラを抱きしめ頬にキスをする。 「ママ、ただいま。 もう一人ハンサムな息子が増えたら嬉しい?」 「どちらかというと あなたが手のかかる息子のようなものだから、 一人増えたって二人増えたってどうってことないわね。 それより私は可愛い娘が欲しいわ」 ちらりとマナを見る二人。 「きっとその希望は叶えられるわね」 ウィンクするキリーに微笑むアンジェラ。 「ただいま、パパ」 両手を広げて待っているアーサーの胸に飛び込む。 「誰が年寄りだ。わしはまだまだ若い」 苦笑するキリー。 「地獄耳なんだから。 じゃあもう何もかも知っているのね」 うなずくアーサー。 「わしはおまえを誇りに思っている。 わしが二十年もかけてできなかったことを おまえは一週間でやり遂げた」 首を振るキリー。 「パパを誇りに思っているわ。 パパが二十年も愛情を注いだ大地だったから、 芽が出るのが早かったのよ」 父と娘は見つめあい微笑んだ。 脈々と受け継がれていく意志の力を感じていた。
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