ブログランキング『Girls Power』 Ⅲ ⑥ 「知らないのも無理はない。 直系の森から一番遠い場所にあったからな。 妙な胸騒ぎを覚えた。 その家族とは二、三年ほど連絡が途絶えておった。 一族にはよくあることなんだが、 後から引っ越しただの、 旅に出ていただの、 ひょっこり連絡がくるからな」 「まさか?」 「そう、そのまさかだ。 フィン・マックルの両親は交通事故ですでに他界していた。 そして残されたフィン・マックルは一族の手を離れ、 里親の元を転々としていたんだ」 拳を握りしめるアーサー。 その拳をそっと優しい手が包み込む。 ふっとアーサーの力が抜けて妻アンジェラを抱き寄せる。 「私は自分の不甲斐なさを呪った。 あの日、あの時、あの場所で、 お前が私にあのような話をしなければ 私は彼の家族のことを思い出しもしなかっただろう。 それと同時にお前を誇りにも思った。 お前がいたから手遅れにならずにすんだのだと思いたかった。 お前の笑顔を思い出し、 目の前のお前と三つしか変わらない 冷めた瞳の少年に心が痛んだ」 「どうして? どうして彼をすぐにでも家に連れて帰ってこなかったの?」 首を振るアーサー。 「わしだってすぐにでも連れて帰りたかったさ。 だが、 ヘスティア家の家訓を思い出し フィン・マックルがそれを望まなかった」 「ヘスティア家の家訓とは?」 アレックスが尋ねる。 ブログランキング『Girls Power』