Ⅹ ② とっさに「今すぐ!」と打っている自分に気がついて 苦笑しつつ消去する。 キリーには聞きたいことが沢山あった。 それに久しぶりに会えるのだ、 のんびり話をしたり楽しみたい。 「明日の午後この前のカフェテリアで」と返信した。 すぐにキリーからの返事が届く。 「ありがとう、フィン。今からとても楽しみです。 お土産期待していてね」 フィンはとても嬉しかった。 キリーはいつものキリーだったし、 キリーもフィンと同じように気にしてくれていた。 それどころかフィンが連絡をしようと思った矢先のメールは 二人の心が間違いなく繋がっているのだと感じさせてくれた。 それに、アレックスの聞きたくもない声を 聞かずにすんだことにもほっとした。 明日の分も精力的に仕事をこなしながら、 キリーに会えることが楽しみでならなかった。 デスクの上でフィンに微笑みかける 桜の下のキリーが愛しかった。 次の日、 約束の場所に予定時間の五分前についたフィンだったが、 キリーはすでにフィンを待っていた。 中庭にあるテラス席で 白のドレスを着て優雅に紅茶を飲んでいるキリーは 野に凛と咲く一輪の白百合のように美しかった。 フィンに気がついて手を振り席を立つ。 フィンも知らず知らずのうちに足早になっていた。 「フィン、フィン、会いたかった!」 フィンを抱きしめるキリー。 「キリー……」 震える手でフィンもキリーの背中にそっと手をまわして 抱きしめその柔らかな髪に顔を埋める。 キリーは何も変わらない。 むしろ以前よりも格段美しくなっていた。 これもアレックスのおかげなのだろうか?