プロローグ ② フィンはどこかの花園から妖精でも誘惑してきたのかと思えるほどだ。 その妖精が、 アレックスの視線に気がついて足を止めたので フィンは腕をとられるかたちになり足を止めた。 彼女が何ごとかをフィンに囁き、 フィンは少し驚いた後、 首を横に振る。 苦笑まじりに彼女に何かを説明すると、 渋々ながら彼女も納得したようだ。 その光景にアレックスは違和感を感じた。 そしてただ見惚れていたアレックスに考える時間を与えてしまったのだ。 まさか彼女がハデスなわけはないだろうと苦笑するアレックス。 それから新人のエージェントでもしかしたら次回から ハデスの代理人は彼女が担当するのかもしれないと思った。 あとは恋人だとか婚約者だとか…… 最後の考えにアレックスは首を横に振る。 フィンのこれまでの誠実な態度を考えると的外れな気がしたし、 興味を覚えた女性がすでにだれかのものだとは アレックス自身考えたくなかった。 だが、 新人エージェントにしては上司であるフィンが とても気を使っているような気もした。 そしてアレックスの勘も フィンが彼女をとても大切に思っているらしいことも この後すぐに証明されることになる…… 「ミスター・アレックス・コーギー、 ハデスへの栄誉ある賞をどうも有り難うございます。 この度はハデスが出席できず、 私が代理人を務めさせて頂きますことを心よりお詫び申し上げます」 フィンはいつもの聞き飽きた社交辞令的な詫び言をアレックスに告げた。 「いつもご苦労様だね、フィン。ところでそちらの女性は?」 フィンにちらりと視線を投げかけた後、 フィンの後の女性に視線を投げかける。 「やはりだめか」とでもいいたげに苦笑するフィンの顔を アレックスは見逃さなかった。 やはり変だ、何かがおかしい。 ☆本を出版するチャンス☆