大阪メトロの駅にもポスターが貼られているのを見て、この日を心待ちにしていましたピンク音符 牛田さんがシューマンのピアノ協奏曲を演奏されるのは、関西ではこの日が初めてでした。
 

フェニーチェ堺 外観

 

ロビー

 

2019年に開館した新しいホールで、今回初めて訪問しました。

コンクリートの外観、ガラス張りで開放感があるロビー、一方通行のトイレなど機能的で快適な建物でした。

 

幾度の戦火から蘇ったまちの歴史をふまえて、不死鳥のイタリア語である「フェニーチェ」がつけられたそうです。小ホールやスタジオも備えた堺市民芸術文化ホールということで、行政の力が入ってます。

 

 

大ホール 客席2000席 (写真お借りしました)

 

4階席まであり、オペラも上演されるシックな内装でした。

 

クローバー

 

 

 

 

開演に先立って、山下マエストロのプレトークがありました。
 

大阪交響楽団は、堺市に本拠地がある創立30年のオーケストラです。

まず地域の人たちに楽団を知ってもらい、愛してもらえるようなオーケストラにしたいとお話されました。プログラムについても少し解説されました。
 
チラシにー地元・堺のオーケストラがひらく豊かな芸術文化への扉ーとありますね。
「名曲シリーズ」としてチケット価格も抑えられていて、ありがたいです。
 
 
つづいて開演5分前に「携帯電話の電源は…」とアナウンスがありましたが、
ん?なんか優しすぎる声のトーンです。客席の喧騒で聞きとりにくいのですが、言葉の抑揚に聞き覚えがある!
「それではシューマンとチャイコフスキーの世界をお楽しみください」(←みたいな感じ)で締めくくり、最後に「牛田智大でした」と聞こえました!
 
この影アナは、牛田さんご本人がSNSでホールからのリクエストに応えてアナウンスされたと後から知り「やっぱり牛田さんよね」となったのですが、気づいた人は少なかったかもしれません。
本番前に無茶ぶりじゃなかった?とも思いますが、サプライズでうれしかったですむらさき音符
 
 
クローバー
 
 

フェニーチェ堺 名曲シリーズvol.2

 

プログラム***

 

シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54

 

チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 op.74「悲愴」

 

2024年6月15日 フェニーチェ堺 大ホール

指揮  山下一史

ピアノ 牛田智大 

管弦楽 大阪交響楽団

*****

 

 

舞台には、スタインウェイのピアノが準備されていました。

にこやかに登場した牛田さん。

 

指揮者と目をあわせての冒頭。

緊張感ある序奏ではじまりますが、C-H-A-A(ド‐シ‐ラ‐ラ)のメロディーが切なく甘美に、表情を変えながらつづきます。

 

オケとピアノが溶け合うように呼応して美しい歌がはじまった、と思ったら急に激しくなるところは、シューマンらしく思えました。

ハープのような細やかなアルペジオが儚さを、バスの旋律が力強く支えます。

何度も繰り返されるC-H-A-Aは、妻クララに呼びかける声のよう。

クララへのあふれる愛…

 

カデンツァ以降、次第に熱を帯びる演奏に心掴まれ、2年前に聴いた「ピアノソナタ第1番」の1楽章や、今年聴いた「クライスレリアーナ」を思い出しました。

当たり前ですが、初期のシューマン作品を経て書かれたピアノ協奏曲だからか…と納得しました。

 

2楽章の間奏曲は、密やかな語らいのようでうっとりし過ぎました。

テンポが上がると、軽快な3楽章へ。

上昇する音型で、晴れやかな気持ちになっていきます。

長いトリルも、スタインウェイの音はきらきら輝いて。

休みなくつづくピアニスティックで華麗な、めくりめく世界。

跳躍が多く、踊るようにからだを揺らして弾く牛田さん。

輝かしく力強いフィナーレまで、息つく暇がありませんでした。

 

 

ブラボー気づき

 

 

牛田さんはメッセージで「3楽章は幸福への行進」と話されていましたが、本当に

 ”しあわせ”でした イエローハーツ

 

シューマンのピアノ協奏曲が、とても好きになりましたピンク音符

 

 

アンコール

シューマン:ピアノ・ソナタ第1番 2楽章「アリア」

 

瀕死の兵士が恋人へ贈る、美しいピアニッシモのアリア。

最後の一音が消えるまで、静かに余韻に浸りました。

 

何度ものカーテンコール、笑顔がみられて充実された様子の牛田さんでした。

 

 

クローバー

 

 

後半はチャイコフスキー。

最後に書かれた交響曲「悲愴」は、予習で聴いた時には「暗くはじまり暗く終わる。でもそれほど悲愴感はない」という印象でした。←ざっくり過ぎる爆  笑

 

プレトークでも「2楽章は5拍子で珍しい。3楽章はマーチ」などと聞いていたので、寝てしまうことなく楽しめました。

前半はピアノでお姿が隠れてわかりませんでしたが、山下マエストロは、身体全体を使って情熱的に指示を出されていました。楽譜なしだったので「悲愴」は振り慣れているのでしょうか?

カラヤンが亡くなるまで、アシスタントを務めていたそうです。

 

重厚で切れ目ない音、キャッチーなフレーズが何度も繰り返されて、美しいメロディーラインは映画音楽を思わせました。民族舞踊的な軽やかなリズムや3楽章のマーチは、楽しく盛り上がって最高潮に達するのに!

ここでは終わらず、消え入るような4楽章で締めくくられます。

初演後の8日目に亡くなった作曲家は、自身の死を予感していたのでしょうか。

 

舞台に近い席だったこともあり、弦楽器奏者の迫真の演奏姿や地響きする打楽器など、生のオーケストラの迫力を体感しました。

 

 

クローバー

 

 

客席へ振り向くとほぼ満席で、4階席まで入っていました。

地元の人がたくさん聴きにきてくれるホールになってほしいです。

 

 

 

一緒に行った友人は、お花が飾られているのを見て驚いてました。

ここのところ、どなたか熱心なファンの方から贈られています。

 


クローバー

 

 

シューマンのピアノ協奏曲は、9月にも演奏予定があります。

なんと、モーツァルト ピアノ協奏曲 第20番と一緒にプログラムされています!

 

ー協奏曲の夕べー 

 

2曲のコンツェルトが聴けるのは魅力的ですねピンク音符

 

2024年9月3日(火)19時開演

東京オペラシティコンサートホール

 

指揮 飯森範親 / 管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団

 

 

詳細はこちらから♪

 

 

下矢印追記しました

 

シューマン ピアノ協奏曲は、岡山でも演奏されます♪

 

2024年8月11日(日)14時開演

倉敷市民会館 

指揮 寺岡清高 / 管弦楽 倉敷管弦楽団

 

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クローバー

 
 
ホールがある堺市のPRも忘れずにありました!
ハニワ部長と旧堺燈台。
 
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久しぶりに堺へ足を伸ばしたので、寄り道編へつづきますあしあと