4月12日、大阪中之島に大阪市立東洋陶磁美術館がリニューアルオープンしました。
リニューアルオープン記念特別展
「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」
へ行ってきました。9月29日まで
The Musium of Oriental Ceramics, Osaka
略してMOCO
呼びやすいからモコって呼ぶことにします。
4月初旬に前を通った時の様子
奥に大阪市中央公会堂、手前にこども図書館、その間に見える茶色い建物がMOCOです。
2022年10月生けフェスで、川向いの光世証券ビルから見た時の様子
2年ほど改修工事のため、休館していました。
以前は陶磁に関心がなかったため訪れたことがなく、重厚な建物の外観から、敷居が高そうな所だなぁという印象しかありませんでした。
1982年、旧安宅産業が収集した「安宅コレクション」が、住友グループから大阪市に寄贈されたことを機に開館した、40年以上の歴史をもつ美術館です。
西側にエントランスホールが新設されました
ガラス張りで中の様子が見え、入りやすくなったかも。
美術館に入館しなくても利用できる、カフェもオープンしていました。
ホールに入ると、大きなコンクリート壁と階段があり、マイクを持って歌いながら下りてみたくなりました
誰ものぼっておらず、エレベーターで2階へ向かいました。
番号順に展示室を進んでいきます。
シン・東洋陶磁
MOCOが世界に誇る「安宅コレクション」や「李秉昌(イ・ピョンチャン)コレクション」を中心に、当館所蔵の珠玉の東洋陶磁コレクションなど約380点を、装いを新たにご覧いただきます。
タイトルの「シン」には、「新」たなミュージアムへと歩み始めること、「真」の美しさとの出会い、「心」がワクワクする鑑賞体験を、という3つの願いを込めています。 展覧会リーフレットより
リニューアルオープンということもあり、数々のテーマ、コレクションから構成されていました。
写真撮影OKでしたが、ケースに入っている陶器は反射するため、きれいに撮るのが難しかったです。
順不同で、注目した作品をのせていきます。
二点の国宝
油滴天目 茶碗
南宋時代 12ー13世紀 建窯
安宅コレクション
広いロビーに、一点のみ特別展示されていました。
専用の展示ケースには、透明度が高い特殊なガラスが使われています。
照明も工夫されいて、鏡のような台に茶碗の外側がきれいに映っていました。
ぎらぎらして見えますが、茶碗をのぞきこむと無数の油滴に広い宇宙を感じました。油滴天目のなかで、唯一国宝指定されている茶碗だそうです。
↑ 写真はリーフレットより
別室で、ボックスの中に入った茶碗型のコントローラーを動かすと、高精細映像によりさまざまな角度から見た油滴天目茶碗が、画面に映される体験ができます。
うまく説明できないけど
飛青磁 花入
元時代・14世紀 龍泉窯
安宅コレクション
バランスのよい形、上品な色合いの青磁です。
茶色い斑点は、装飾のための鉄分で「飛青磁(とびせいじ)」というそうです。
蝶々やハート型に見えたりで、いろんな形が出ているところが面白い。
江戸時代、豪商の鴻池家に伝わった品だとか。
安宅コレクションの中国青磁を集めた展示室10は、自然光をとり入れていました。
最後に近い展示室で、時間の都合で駆け足になったのが心残りです。
時間帯によって、見え方が違ってくると思います。
朝鮮半島の青磁・白磁
朝鮮半島の陶磁についてすこし予習をしたつもりでしたが、実物を観るのが一番だと感じました。
青磁 瓜型瓶
高麗時代・12世紀前半
安宅コレクション
透明感のあるつややかな地肌(化粧品のCMみたい)、整った造形に釉薬の濃淡。
高麗青磁は「翡色」とよばれ、宋の太平老人が『袖中錦』のなかで「天下第一」と記しています。
とても美しい色、形でした。
白磁陽刻 四君子文 角瓶
朝鮮時代・18世紀前半 分院里窯
安宅コレクション
中国の文人は、徳と品格をもつ君子となることを目指していました。蘭、竹、菊、梅は、その要素をもつ四君子として、絵画などに描かれました。
朝鮮時代は儒教が中心となり、清貧の精神から白磁が好まれました。
この角瓶の図柄は、絞りだしチューブのようなものを用いて描かれたそうです。
クッキーのアイシングで模様を描くときのチョコペンみたいなものかな?
青磁象嵌 雲鶴文 碗
高麗時代・12世紀
青磁象嵌 雲鶴文 梅瓶
高麗時代・12世紀
安宅コレクション
他にも多数の美しい青磁が並んでいました
見ていてふと、テグスがかけられていないなと気づきました。
割れものですから、従来はこんな風に展示されていました。
今回の改修工事で、地震の揺れを吸収する免震台が設置され、テグスでの固定が不要となったそうです。
負担をかけず自然な形でそこにあることは、見る側も自然な気持ちになれました。
でも、貴重な品々…
どれくらいまで耐震性があるのかわかりませんが、きっと大丈夫なんでしょう。
こんな調子で書いてたら終わらないよー
ボリュームがあるので、次回へつづきます。
外の緑やバラの小径が、絵のように見えてきれいでした