書店でのサイン会に行くほど夢中になっている作家さんはいませんが、先月図書館で開催された大阪市出身の作家、津村記久子さんの講演へ行ってきました。
下書き保存のまま放置していました
津村記久子作品コーナー
司会者がいて、あらかじめ募集した質問に津村さんが答えるというQ&A方式でした。作家とは気難しいもの、という先入観(いつの時代の?)がどっかへ飛んでいくほどほのぼのとした雰囲気で、いい意味で肩の力が抜けた講演会でした。
ものを創作する人の頭のなかは、こんな感じなのかと知れて面白かったです。
爆笑する面白さとは違い、くすくす笑いがあちこちで起こり伝染していくような、説明が難しい可笑しさでした。
津村さんの作品も、そんな可笑しみが描かれていると感じます。
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2009年『ポトスライムの舟』で第140回芥川賞を受けられ
『とにかくうちに帰ります』
『この世にたやすい仕事はない』
『つまらない住宅地のすべての家』
など、タイトル長めの著書を読んだことはありました。
日常のよくありそうなシーンが題材になっていることが多く、お仕事系の話が多いのですが、筆者は実際に会社員もされていたから描写がとてもリアル。つらい目にあった体験をお持ちで、カメラでじっと人物を観察しているような、細かな顔の表情や気持ちの揺れなど、それをさらっと書くところが上手い作家だと思っていました。
文章が長めで改行少なめ。と自覚されているから、登場人物の名前はカタカナ表記が多いそうです。と書いているわたしも、文章長めになりがち。
毎日新聞夕刊に連載されていた『水車小屋のネネ』が2023年3月に刊行されたので、まずその本についてのお話がありました。
Q.どういうお話か簡単に説明をお願いします
津村さんの答えは
「わたし、水車が欲しいんですよ」
「40歳で、ヨウム飼いたい思てて」
「1年間の新聞連載て、長いやないですか。途中で書くの飽きたらあかん思て。好きなものが出てくる話にしたんです」
大阪在住大阪弁で話され、正確じゃないけれど内容はこんな感じでした。
水車欲しいって!?
ヨウムって何?
わたしは未読のため、まったく話が見えなかったのですが、題名にあるネネは、話すことができる鳥の名前でした。ヨウムという種類の鳥で、とてもよくしゃべるそうです。ウィキを見たら、グレーの羽に朱色の尾をもつ鳥でした。
ヨウム Wikipedeiaより
オウムの一種キバタン
しゃべる鳥といえば、九官鳥やオウムだと思っていましたが、こんな種類もいるのですね。主人公である姉妹の子ども時代からネネとの日々がはじまり、40年にわたる物語が描かれているということです。
水車小屋のネネ 津村記久子著
Amazonより
表紙をよく見ると、灰色のヨウムが描かれています。
日本人の家庭にいるから日本語で話します。
5歳児くらいの知能をもつそうで、真似をしているだけでなく人と会話してるように聞こえるところもあります。
アレクサが反応してる!?
じゃあ海外に住むヨウムは…
カナダに住むヨウムは英語をしゃべってました。
一緒に暮らせたら楽しそうだけど、ヨウムは40~50年と寿命が長い生き物なので相当な覚悟と責任をもって飼わなければいけないと書かれていました。
津村さんはヨウムを飼わず、他の動物も飼っていないそうです。
本は図書館で予約すると、順番待ちが281番目でした。ずいぶん先になりますが、今は手一杯なので半年後くらいにゆっくりと読みたいです。
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津村さんはパンクロックやツールドフランス、サッカーがお好き。
大阪では、船場センタービルが宇宙のようだとおっしゃりお気に入り。
頭に浮かんだ「どうでもいいこと」を、いっぱいメモしてストックしているそうです。
「どうでもいいこと」が重要らしく、話の展開に煮詰まった時に助けられるそうです。
凡人が書くどうでもいいことは、ほんまにどうでもいいことだから、真似しても役に立たない気がします。この文章もそんな感じ。笑
講演会後、当日販売されていた書籍を購入した人にサイン会がありました。
買わずにお話を聞いたので、未読だった『ポトスライムの舟』と再読の『とにかくうちに帰ります』を借りました。サインしてもらう間に何を話すればいいのかわからないので、今回は買わなくてよかったのかもしれません。
津村さんは1978年生まれ。大阪出身の小説家には、川上未映子(1976年生まれ)瀬尾まいこ(1974年生まれ)柴崎友香(1973年生まれ)など若い時期から活躍し、才能ある女流作家が多くいらっしゃるなぁとあらためて思いました。
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何のオチもない締めくくりになってすみません。
今年はこれで書き納めになりそうです。
当ブログを読んでくださったみなさま
この一年おつき合いいただき
どうもありがとうございました。
風邪などひかれませんように
どうぞよいお年をお迎えください。
bimi