イム・ユンチャン、初めての大阪公演を聴いてきました。
*昨日勢いで書いてアップした分が、なぜか下書きに戻ってしまい、書き直しました。
文章、再現できていないかも…泣
♪オールショパンプログラム***
~ショパンのエチュード全曲に挑む~
3つの新しいエチュード(遺作)
12のエチュード op.10
12のエチュード op.25
2024年2月11日
ザ・シンフォニーホール
ピアノ スタインウェイ
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イム・ユンチャンは、2022年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールセミファイナルでのリストの超絶技巧練習曲全曲が衝撃的でした。
見事に史上最年少18歳で優勝し、演奏活動に忙しいようです。
今回のプログラムも、全部エチュード!
すっきりとしたプログラム。
前回来日した時の様子を、アイドルのコンサートのような雰囲気だったと何かで読んだことがあり、あえて1階席ではなく2階席で聴きました。
1列目、正面あたりでいい席でした!
韓国語の会話が聞こえる、いつもと違う会場の雰囲気。
男性も多かったように思いました。
◇
ゆっくりと登場し、お辞儀したあとすぐにピアノの音が聴こえてきました。
弾いてから座るスタイルで、いきなりはじまったエチュード。
遺作であるこの3曲は、あまりポピュラーでなく初めて聴いたのでなんともいえません。本編前の指鳴らし?響きの確認などしているのかな、と感じました。
一旦袖にはけ、再登場してから作品10です。
今度はちゃんと椅子に座り、一呼吸おいてから弾きはじめました。
♪♪♪
細かな感想はいいにくく、演奏全体の印象を一言でいうなら(言えないけれど)
「ユンチャン劇場」でした。
12曲でひとつのドラマ×1幕、2幕 といったところでしょうか。
op.10-1は、アニメ『ピアノの森』のオープニングイメージ通り、これから始まる期待感と高揚感、クリアな音で躍動する大きな波を感じました。
op.25-9から徐々に熱が入り、それまで姿勢よく弾いていた体勢が激しく揺れ、重音の厚みと熱量が圧巻だった op.25-10。 op.25-12はエンドロールのように、激しいアルペジオがうねる荒波を思わせ、まだ物語のつづきがあるような終わり方でした。
卓越した演奏技術はもちろん、12曲のどこにクライマックスをもってくるかなどの構成も素晴らしくドラマティック。
強めの打鍵、左のbassを効かせ、一曲のなかに緩急、強弱のふり幅が大きく、テンポも揺らしながらの自由なエチュードでした。
練習曲のためかショパンらしさは感じられず、ユンチャン流という印象。超高速で、音階やアルペジオが流してるように聴こえたのは、自分の耳が音についていけてないのかも知れません。
まだ19歳!
客席のあちこちから、ブラボー!きゃーとかうぉーという歓声があがり、1階席を覗くとほとんどの人がスタンディングオベーションで拍手を送り、ものすごい盛り上がりでした。
海外の演奏会に来たみたい!
カーテンコールに応じるユンチャンは、飄々として表情も変えずにぺこりと律儀なお辞儀をしているのが対照的で、可笑しくなりました。
頭をあげるときにふらついていて、お疲れなんだろうな。
今月1日から日本ツアーが5公演。大阪が最終日でした。
それでも止まない拍手に応えて、アンコールに2曲弾いてくれました。
ショパン:ノクターン第20番 遺作
ベッリーニ(ショパン編曲):歌劇「ノルマ」より「清らかな女神よ」
すでに自身の世界を確立している、今後が楽しみなピアニスト。
他のプログラムや、できれば10年後にも聴いてみたいです。