別府の繁華街に佇む、竹瓦温泉。

ここだけ見ると、タイムスリップした感覚におちいります。

 

1879年(明治12年)の創設当時は、竹ぶき屋根の簡素な建物でした。

1902年、瓦ぶきに改築され「竹瓦温泉」と名付けられたそうです。

現在の建物になったのは、1938年(昭和13年)で、2004年に国の登録有形文化財に指定されました。

 

唐破風屋根が、歴史と情緒を感じます。

丸いポストもよいです。

 

玄関から上りかまちは、小さな正方形のタイル貼り。

昔よくありました。

 

 

 

竹瓦温泉には、お湯につかる普通浴と、砂湯があります。

砂湯は人気ですが、定員が8人のため、朝一番でなければすぐに入れないようです。

待ち人数により、空いている時間に順番をとり、料金の支払いも済ませます。

 

窓口でしか予約できないので、順番をとってから他の予定を組むのがいいかもしれません。

 

 

中に入ると、ピカピカに磨かれた板の間。

入って右側に普通浴、左側に砂湯がありました。

 

 

格天井に年季の入った柱時計。

昔の写真や、大分の伝統工芸「竹細工」の作品など、地元感いっぱいでした。

 

 

 

 

かつては休憩所だった大広間がある2階は、今は公民館として使われています。

入口に飾られていた七夕の笹も、地域の高齢者や子どもたちなどが、にぎやかに飾り付けされたそうです。

 

市営温泉なので、地元の方が湯上りに、おしゃべりされている光景もありました。

 

 

 

ここから先が砂湯です。

着替えは男女別ですが、砂湯は混浴(っていうのかな?)です。

 

 

竹瓦温泉Instagramより

 

浴衣姿で砂場に横たわると「砂かけさん」が砂をかけてくれます。

足元からかけてくれたけど、結構どっしりした重さがかかってきました。

「重いですね」とつぶやくと

「水分をたっぷり含んでますから」

と砂かけさん。

 

首の下にも隙間なく、全身が砂に覆われると、熱気が伝わってきました。

高い天井や、大きな窓から見える空を眺めていると、心地よくなりうとうとしそう…

 

お湯に浸かるのと違い、自由に動けないのですが、包まれている安心感のようなものがありました。

サウナは熱すぎて入れないのですが、砂湯は内部からじわじわとあたためられて、15分が早く感じました。

 

 

砂湯の中から見ると、こんな光景です。

 

毎日新聞より

 

定期的に砂場に温泉を満たして湯を抜いた、温泉を含んだ砂が使われています。

 

全員が若い女性だったと思いますが、重たい砂をかけるのは、体力のいるお仕事だなぁと思いました。

 

シャワーで砂を洗い流してから、普通浴へも入ってみましたが、熱くて一瞬であがりました。砂湯は外国人も利用されていましたが、普通浴は、ほぼ地元の方が利用されているようです。

女湯は、炭酸水素塩泉で無色無臭のさらっとした泉質でした。

入浴したというほど浸かってませんが…

宿泊したところも同じ泉質で、「美人の湯」なんだとか!?

 

 

 

 

 

昭和の雰囲気を残す通りにも、足湯がありました。

 

 

 

 

あちこちに、市営温泉があります。

 

 

 

ほんと、駅からすぐのところにあるのはこちら。

 

 

 

その名も、駅前高等温泉。
熱いの苦手な方へ、「ぬる湯」もあります。
ここは共同温泉(ジモ泉)で、いたるところに温泉がある別府に驚きでした。
 
別府湾沿いの国道10号線から望む、鶴見岳。
東は伽藍岳へと続きます。
 

 

 

鶴見岳・伽藍岳は、約4万年前より火山活動がはじまった活火山です。

およそ1800年前に、鶴見岳山頂付近で大きな噴火があったそうです。

由布岳も含め、今も活火山なのですね。

火砕流や土石流によって扇状地が形成された場所が、現在の別府温泉にあたります。

 

その自然の恵みを生かし街を活性化しようと、現在の「別府観光の父」となった人がいます。
 

油屋熊八(1863ー1935)

 

別府駅前に、陽気なポーズの銅像がありました。

初めて耳にしたお名前ですが、今回の旅にとても関係深かったと知りました。

 

前日利用した亀の井別荘、由布院から別府への路線バス、地獄めぐりツアーバスなど油屋熊八が、創業、創設していました。

宇和島出身。大阪で大儲けし、その後アメリカへ…
奇抜なアイディアと破天荒な性格で、ここには書ききれない人物です。
ご興味ある方はこちら(Wikipedia)へどうぞ。
 

この人がいなければ、今の観光地、別府温泉はなかったのかもと思わせる行動力の持ち主です。

 

 

別府駅東口にある観光案内所は、外国人スタッフも多くフレンドリーな対応でした。

ハードだけでなく、うまく熟成されている観光都市だと感じました。

 

 

日本一のおんせん県おおいた♨

 

短い滞在でも楽しめました。

次は何日か、ゆっくりしてみたいなぁ。