第5代将軍徳川綱吉さん時代の棋書。

全5巻の分冊が元だが、後世のどなたかが

薄い生地を貼っての合本に製本し直されてる気がする。

将棋駒コレクター、堅正さんもこの表紙仕様で

自家製本されていたから。

※堅正さんの本は糸綴りで無い部分は異なる。

 

<目次>

【第一巻】

●序文

●所列名姓:当時の棋士名簿
●隊伍:駒組み26例


【第二巻】

●序文

●奇戰:実戦譜25局


【第三巻】

●序文

●奇戰:実戦譜25局


【第四巻】

●序文

●擒将(新圖):近代詰将棋25番


【第五巻】

●序文

●擒将(古圖):古典詰将棋25番

 

 

こういう生地って何という呼び名なのだろう?

 

 

教科書文字の巻菱湖さんの書みたいに綺麗に見える。

漢文解読アプリが無いと『夜話』の熟語見て

想像するぐらいしか出来ない(笑)

 

 

「今夜」とか「故人」とか出てるな。

最後の部分は五巻で「象戯鋼目」と名付けた

とか言ってるっぽい。

 

其の一は「隊伍(たいご)」:兵士が組織されて綺麗に並んだ列。

二&三は「奇戰」:敵の意表を突く変則的な奇の戦いのことか?

四&五は「擒将(きんしょう)」:敵の将軍を捕らえる戦略。

機策有=奇策有りじゃね?

變閑人其レ試ミヨ=変人&暇人は詰将棋を試みよ??

左ページの「象戯鋼目序」のミミズ文字はアプリ解読も

チンプンカンプンになって推理出来ねえ!

 

 

 

「所列名姓(しょれつめいせい)」:「名を連ねている人々。

凡(およそ)五十人。

従世(おうせい):過ぎ去った昔。

是より下ハむかしの人をあつむ。

【象戯家5人】 

元祖大橋宗桂さん:大橋本家初代当主&一世名人

二代大橋宗古さん:大橋本家二代目当主&一世名人

三代大橋宗桂さん:大橋本家三代目当主&七段&大橋宗古さんの子
四代伊藤宗看さん:伊藤分家初代当主&三世名人)
故大橋宗與さん:初代大橋分家当主&八段&大橋宗古さんの弟

 

 

【京都将棋指し六人】

廣庭中書さん:手合香車落 

檜垣是安さん:(市兵衛事)手合香車落 

石井承意さん:(泉屋善兵衛こと)手合志ら次(手合い知らず)

丹下圖書さん:手合志らす

田代市左衛門さん:手合かた(片)馬

御簾屋七郎右衛門さん:手合志ら次
【江戸4人】 元祖本因坊さん:手合志ら次

髙橋道角さん:手合角行落ち

【長門(山口県)】

萩野眞甫さん:手合香車落

※山口県「萩(はぎ)」に住む=『萩市の』の命名かなあ?

  

 

【肥後一人】 

石田検校さん:手合志ら次

※男性盲・人・で作る幕府公認の自治的職能互助組織「当道座」において

検校>勾当>別当>座頭の順に身分が高いのでエリートだ。

琵琶法師、鍼灸師とか色々いる中で石田さんは将棋を専門職に

されたのだろう。

●當世(今の世の中)

是より下ハ今の世の人をあつむ

 

【象戯家 三人】

五代大橋宗桂さん:大橋本家五代目当主&四世名人

本書「象戯鋼目」出版時は四世名人時代だ。

伊藤宗印さん:伊藤分家二代目当主&五世名人

大橋宗與さん:大橋分家三代目当主&六世名人

※名人襲位は享保八(1723)年76歳で、

享保十三(1728)年81歳でお亡くなりになられたみたい。

 

 

【京師十三人】

瞽者與都(谷都事) さん:手合かた(片)馬

瞽者誰都さん:手合かた(片)馬

※「瞽者(こしゃ)」なので「当道座」に属さない視覚の不自由な方っぽい。

 

【江戸三人】

山崎勾當さん(田川事、始ハ関井といふ):手合志ら次

※「当道座」において検校>勾當>別當>座頭の順なので

二番目の地位の視覚不自由な方だ。

 

 

「局目」。

 

 


 

いろは譜の方は「合符」?

 

此巻はいにしへ今の駒くみをしるす?

…伝へ来るといへど…

或ハ数すくなくして…

 

 

又は混雑して…今ここに對馬…乃馬法…

をあつめ、又、香車落左右乃…

角おち飛おちより一枚半ならひに両馬おち乃

口授…あらハしいたす。

 

●隊伍:駒組み26例

1)對馬駒組先手後手:居飛車舟囲い右銀急戦VS早囲い中飛車

2)又:居飛車舟囲い持久戦VS木村美濃三間飛車

 

 

一字の将棋駒の書体として使えそうな感がある。

 

3)對馬駒立がんぎといふ:相居飛車(引き角矢倉VS雁木囲い)

4)又:矢倉引き角VS平美濃四間飛車

5)又:矢倉引き角VS平美濃四間飛車

6)平手馬組居飛車:相居飛車(右四間飛車VS雁木囲い)

7)又:相居飛車(早囲い矢倉引き角VS雁木囲い)

8)對馬駒くみ左飛車:相振飛車(金無双四間飛車VS向かい飛車)

9)又:相振飛車(木村美濃三間飛車VS中飛車)

10)平手定跡四間飛車:四間飛車VS急戦右四間飛車

11)又:クラシック急戦VS四間飛車

 

 

 

此の後手の馬乃…

其の手…真甫象戯に見えたり。

美濃囲いは

長門(山口県)の萩野眞甫さんの

実戦でよく採用され、見られるという意味だろうか?

 

12)又:金無双急戦VS美濃囲い四間飛車

 

 

此駒くミハ石田検校より始るといふ。

13)當等馬法石田といふ:相振飛車(三間飛車石田流本組間飛車VS四間飛車)

 

 

 

石田のうけハ此の駒くミよろしきなり。

14)又:飛車の隣に金型居飛車VS石田流本組

15)當等馬く見相先又先先手といふ:相掛かりノーガード乱戦

※此馬法をもづよ(?)といふ。

16)又:角換わり相掛かり

17)左香車落馬法:下手引き角矢倉VS上手四間飛車

18)又:左香落相中飛車

19)右香車落馬く見:下手四間飛車の対抗形

20)又:右香車落下手角交換四間→向かい飛車

21)角行落駒く見:下手三間飛車

22)又:角落下手矢倉

23)飛車落定跡:下手右四間飛車

24)又:飛車落下手三間飛車

25)一枚半落こまくミ:飛香落ち下手棒銀模様

26)二枚おち馬立:下手端角右四間飛車(まだ居玉)


【第二巻】
●序文

奇戰 凡(およそ)二十五條

此の巻…五十番いにしへ今乃…

たたかいたる象戯のあとをとめしるす。

當世にて乃上手と…

●奇戰:実戦譜25局

1局目)元祖大橋宗桂さんVS本因坊さんの棋譜は1局のみ。

1618年1月20日相振り乱戦。

2局目)二代大橋宗古さんVS十四屋宗安さんの角落ち。

3局目)三代大橋宗桂さんVS桧垣是安さんの左香落ち。

※是安はしめハ市兵衛といふ。

【第三巻】
●序文
●奇戰:実戦譜25局
【第四巻】
●序文
●擒将(新圖):近代詰将棋25番
【第五巻】
●序文
●擒将(古圖):古典詰将棋25番

 

 

最終ページ。

大尾(たいび):終わり。

…あらさる人は見るへからず…