岸見一郎さんの「個人心理学抗議 生きることの科学」(2012年改訂版)に

 

 

『「The Science of Living」(1930年)の初の翻訳書「個人心理学抗議 生きることの科学」(1996年)

を刊行した時点ではアルフレッド・アドラーの名前はほとんど知られていなかったが、

その後、翻訳やアドラー心理学に関する本も多数出版され、教育や育児の分野でも

注目されるようになり、隔世の感がある。

本書によってアドラー自身の著作に初めて触れる人の便に供するべく…』

と書かれている。

アルフレッド・アドラーさん関連書籍の言及はおかしいものだらけの

気がしてならない。

古くは、例えば1917(大正6)年の「精神分析法」にも

『フロイド』さん、ユングさんと共にアルフレッド・アドラーさんは

当然のように普通に紹介されている。

専門家の間で「アルフレッド・アドラーさんの名前が

知られていなかったなんて有り得ないと思うのだ。

単に一般庶民の間では70年ほど昔の人&マニアックな分野の人なので

当然のように名前が知られていなかった、というだけに過ぎない気がする。

岸見一郎さんは文章を盛る傾向があるのかなあ?

『本書によってアドラー自身の著作に初めて触れる人の便に供するべく…』

の部分も凄く違和感を感じる。

岸見一郎さんの翻訳は失礼ながら余計なお世話が一大特徴に感じる。

 

 

「Livingのサイエンス」という原題なのに「個人心理学講義」とか

余計な修飾を施すのだ。

 

 

「The Drive for Self」という

 

 

 

 

The Beatlesの「Drive My Car」みたいな原題なのに

「アドラーの生涯」とかいうタイトルをつけるのだ。

そんな風にアドラーさんの著作のニュアンスを歪める傾向にあり、

『現代岸見心理学』になっており、アドラーさんの著作に触れることが

出来てる感が無いのだ。

 

 

「個人心理学抗議 生きることの科学」(1996年)の序文で

野田俊作さんが興味深いことを書かれている。

 

 

「子どものおいたちと心のなりたち」by郭麗月さん(1982年)は

アルフレッド・アドラーさんの悪文をかなりこなれた日本語に直していて

それなりに評価すべきものではあったが、惜しむらくは翻訳者は

アドラー心理学について専門的知識も実践経験も持っておらず、

誤解や誤訳が少なからず見受けられた、と。

それに比べて岸見さんは日本でただひとりの翻訳適任者であると。

 

 

郭麗月さんは1947年生まれ。

児童精神科医を目指して1924年生まれの近畿大学医学部精神神経科教授である

岡田幸夫さんに師事して、先生に勧められた「The Science of Living」(1930年)

の翻訳に1973年頃から着手されたと。

で、激務で岡田幸夫さんが病で倒れられたりして、1981年に

最終原稿を見てもらって2カ月後に先生は亡くなり、

1982年に「子どものおいたちと心のなりたち」は

共著の形で出版となったと。

「翻訳者はアドラー心理学について専門的知識も実践経験も持っておらず」

と言うのはどうなのだろう?とは感じた。

 

 

野田俊作さんの面白話は続く。

アドラーさんには多くの著作があるが

彼の死後に多くの理論的発展があったので

はっきり言ってアドラーさんの考えは古過ぎると思うと。

「アドラー心理学」を学ぶ為にアドラーさんの原著に当たることは

極めて能率が悪いと。

アドラーさんの原著はお勧め出来ないと。

また、アドラーさんの言葉を引用し、

「アドラーさんはこう言った」、「アドラーさんはそうは言わなかった」と

競うのは非科学的であると。

アドラー心理学は科学であり、アドラーさんの古い考えをエレガントに発展させたものが

『現代アドラー心理学』なのですと。

アドラーさん自身は「 Individualpsychologie(インディビジュアル・サイコロジー):個人心理学」

という言葉を使ってたようだし、もちろん「アドラー心理学」なんて造語は使っちゃいない。

『現代アドラー心理学』とやらは後世の人間があれこれ

考案しただけで、アルフレッド・アドラーさんは関係ないっぽいな(笑)

 

びりたんが興味があるのは悪文で古過ぎるらしい

等身大のアルフレッド・アドラーさん。

1)アルフレッド・アドラーさんはどんな人だったのか?

2)アルフレッド・アドラーさんはどんな考え方を講演していたのか?

3)『現代アドラー心理学』とかどーしてこーなった?(´・ω・`)?

の3点だ。

 

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ドイツ語で「アルフーリート・アードラー」みたいな発音っぽい。

 

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近年のアドラーさんの名を借りた乱出版本について。

※読んでないけど。

 

「もしアドラーが上司だったら:今やってる仕事が

100倍楽しくなる-アドラー12の教え!」(2017年)、

明治3年生まれの人間が上司なら、そりゃ、ジェネレーションギャップも多いだろうと思う。

時代が時代だし、アドラーさんは料理人を雇っており、ご自身では

自炊もしてなかったようだし、全てにおいて

見習うような人間では無さそうに思う。

アドラーさんが悟りの境地に達していたとも思えず、

ひとつの考え方を提示されたに過ぎないでしょうし、

『教え』というワードも違和感を感じる。

『現代アドラー心理学』にアルフレッド・アドラーさんは関係ないなら

意味不明な気がする。

 

『1日1分アドラー 悩みがゼロになる心の処方箋 72の言葉』2025年

アドラーさんも悩みは当然のようにあったようですし、

悩みがゼロになるわけが無い。

アドラーさんはドイツのナチス収容所とか広島長崎原爆前に

亡くなっていますしね。


『今さらだけど、アドラー心理学を実践してみたらすごかった!

 普通の会社員が人生を変えた12ヵ月』2024年

アルフレッド・アドラーさんは関係無いぽいし、

寝言は寝て言え!だな。

 

(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)

 

【アドラーさんの初期の頃の論文】

1)1898年28歳:「 Gesundheitsbuch für das Schreinergewerbe」。

「Schreiner」は「指物師」、「建具職人」、「木でテーブルを作る大工」で
Gewerbeは「業種」や「職業」なので

「指物業のための健康書」となるように思うが、内容は服飾洋裁業の

公衆衛生に関する警笛?と思われ、

「Book for Tailor Trade」(仕立て業のための健康手帳)」

「仕立て業のための健康書」by安田一郎さん

こんな英題に。

搾取を行う雇用主と服から出る埃を吸い込み肺結核になり、
1日に18時間も座り仕事で健康を蝕んでいる過酷なブルーカラーが

書かれているっぽい。

当時の仕立て屋さんの平均寿命は33~48歳だったと。

2)1902年「The Penetration of Social Forces into Medicine」(社会勢力の医療への浸透)

3)1902年「Academic Chair for Social Medicine」

:社会医学のための大学教授職(アカデミック・チェア)

「社会医学のための講座」(by岸見一郎さん訳)

4)1903年「City and Country」(都会と田舎)

5)1903年「State Aid or Self Help」(国家援助か自助か)

6)1904年「The Physician as Educator」(教育者としての医師)

7)1905年「The Sex Probrem in Education」(教育における性問題)

8)1905年「Three Phychoanalyses of Ideas of numbers and Obsessive Numbers」

(数の観念と強迫的数の3つの精神分析)

「心に浮かぶ数字と気になる数字に関する三つの精神分析」(by岸見一郎さん訳)

9)1907年「DevelopDmental Drefects of the Child」(子供の発達障害)

 

論文に関しては膨大そうなのでこのくらいで。

 

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高橋堆治さんが「The education of children」(1930年)を翻訳された

「子どもの劣等感 問題児の分析と教育」(1962年)には

アドラー博士の著書は「二十册あまり」&「二十数册」と書かれている。

※「問題児の心理」(1941年)→「問題児の心理」(1957年)に次ぐ、

3回目の新版。

 

 

岸見一郎さん著の「アドラーをじっくり読む」(2017年)には

15冊と書かれている。

 

 

岸見さんご自身が原著のニュアンスを歪めて

『現代岸見心理学』語りに入ってる気がしてならない。

 

 

中野明さん著の「アドラーを読み解く」(2019年)には

 

 

Edward Hoffmanさん著の「The Drive For Self: 

Alfred Adler And The Founding Of Individual Psychology」(1994年)によると

全著作数は19となっていると記載されている。

 

 

衝撃的なことにアドラーさんは関係無い感もある

『現代岸見心理学』一連翻訳本がテキストですと。

 

一応、19を正しいと仮定して原題をリストアップしてみた。

えらい苦労したwww

 

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【アドラーさんの著作初出一覧】

 

1)1907年【独】「Studie über Minderwertigkeit von Organen」(臓器劣位に関する研究)

邦訳「器官劣等性の研究」by安田一郎さん(1926年生まれ)訳1984年

2)1912年【独】「 Über den norvösen Charakter , The neurotic constitution」(神経質な性格について)

3)1914年【独】「Heilen und Bilden mit Carl Furtmüller」

(癒しと教育)by心理学者カール・フルトミューラーさんとの共著

4)1924年【独】「Praxis Und Theorie Der Individualpsychologie」(個人心理学の実践と理論)

5)1927年【独】「Menschenkenntnis」(人間の本性についての知識)

邦訳「現代人の心理構造」by山下肇さん1957年

邦訳「人間知の心理学」by高尾利数さん1987年

邦訳「人間知の心理学」by岸見一郎さん2008年

邦訳「性格の心理学」by岸見一郎さん2009年

 

 

6)1928年【独】「Die Technik der Individualpsychologie 1
Die Kunst, eine Lebensgeschichte und Krankengeschichte zu lesen」
(個人心理学のテクニック 人生の物語と病歴を読む芸術)
邦訳「個人心理学の技術(1)」by岸見一郎さん2011年

 

 

7)1929年【初英著】「The Science of Living」(生命の科学)
邦訳「子どものおいたちと心のなりたち」by郭麗月さん1982年

邦訳「個人心理学講義 : 生きることの科学」by岸見一郎さん1996年
8)1929年【英】「The case of Miss R」(R嬢のケース)

9)1929年【独】「Individualpsychologie in der Schule」(学校における個人心理学)
邦訳「教育困難な子どもたち」by岸見一郎さん2008年

10)1930年【英】「The education of children」(子供たちの教育)
邦訳「問題児の心理」by高橋堆治さん1941年
邦訳「子どもの教育」by岸見一郎さん1998年

11)1930年【英】「Problems of Neurosis: A Book of Case-Histories」(神経症の問題:症例集)
邦訳「人はなぜ神経症になるのか」by岸見一郎さん2001年
12)1930年【英】「The Pattern of Life」(人生のパターン)※ドイツ語原著は紛失

邦訳「問題児の診療と治療」by高橋堆治さん1973年
邦訳「子どものライフスタイル」by岸見一郎さん2013年

13)1930年【独】「Die Technik der Individualpsychologie 2
Die Seele des schwer erziehbaren Schulkindes」(個人心理学のテクニック2教育が難しい児童の魂)
邦訳「個人心理学の技術(2)」by岸見一郎さん2012年

14)1930年【英】「The problem child」

15)1930年【英】「Guiding the Child: On the Principles of Individual Psychology」
(子供を導く:個人心理学の原理について)

16)1931年【英】「The Case of Mrs.A」(A夫人のケース)

17)1931年【英】「What Life Could Mean to You」(あなたにとって人生とは)
邦訳「人生の意味の心理学」by高尾利数さん1984年
邦訳「人生の意味の心理学 (上)&(下)」by岸見一郎さん2010年

 

 

18)1933年【独】「Der Sinn des Lebens」(人生の意味)
邦訳「生きる意味を求めて」by岸見一郎さん2008年

19)1933年【英】「Religion Und Individualpsychologie」(宗教と個人心理学)

日本語訳本タイトルは

 

 

 

The Beatlesの「A Hard Day's Night」(1964年)

を「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」とするセンスと

同レベルと感じる。

 

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 ●1927年【英】「Understanding Human Nature: The Psychology of Personality 」

(人間の本質を理解する:人格の心理学)

●1930年【独】「Das Problem der Homosexualität」

1933年【英】「Social Interest: A Challenge to Mankind」(社会的な関心:人類への挑戦)

1933年【独】「Über den Ursprung des Strebens nach Überlegenheit und

 des Gemeinschaftsgefühls」(優越感と共同体意識の起源について)

この4タイトルは現時点では詳細不明である。

 

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2007年:「アドラーの思い出」。

柿内さん→井原さん→野田さんの順で手を加え

翻訳完成としたらしい。

 

 

 

原著「Alfred Adrer, as we remember him」(1977年)

は米国より取り寄せ中。

6月29日に注文。

7/9水曜日に出荷。

7/11金曜日AM12時54分フロリダ州オーパ=ロッカに着。

7/13日曜日17時52分にアリゾナ州エイボンデール着。

7/13日曜日20時45分にはカリフォルニア州アナハイム着。

7/15火曜日AM3時17分にカリフォルニア州コンプトン着。

7/16水曜日18時18分にカリフォルニア州ロサンゼルスの

ディストリビューションセンター着。

7/18金曜日14時54分に東京着。

3日間でアメリカを東(フロリダ)から

西(アリゾナ)まで陸路で縦断したのかなあ?

中国からと違って税関通過中とかの情報が無いなあ。

発送から10日過ぎて、まだ届かない。

アドレスは英語表記だが無事に届くのかなあ?

 

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アドラー心理学研究会さん著の電子書籍「アルフレッド・アドラー 生涯と思い出」

(2018年)は「楽天kobo」で購入した。

 

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アドラーさんの講演の内容を文字起こししたような名義貸し本、

アドラーさん自身のドイツ語の著作、

アドラーさんの名を借りた和書、

を問わず、具体的事例をあげずに、観念論みたいな

本は面白く無い。

 

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アドラーさんは自分の育ちについてはほとんど語っていないっぽい。

語っていても断片的らしい。
太鼓腹。

煙草と葉巻を吸っていた。
酒を飲むことは滅多に無かった。

家事を滅多に手伝わなかった。
料理人兼家庭教師がいた。
ウィーンでユダヤ系の家庭に生まれる。

7人兄弟の次男。

1897年にユダヤ人のRaissa Timofeyewna Epstein

(ライザ・ティモフェヤーニャ・エプシュタイン)

さん1874年11月22日~1962年4月21日87歳と結婚。

子供は

1)長女:Valentina Dina Adler(ヴァレンティーネ・ディーナ)さん

1898年8月05日~ 1942年7月06日43歳

二女:Alexandra Adrer さん(神経科医)

1901年9月24日~2001年1月04日99歳

長男:Kurt Alfred Adler (1905–1997)(クルト)さん

1905年2月25日~1997年5月28日92歳(医師)

三女Cornelia Nelly Adler(コルネリア)さん

1909年10月18日~1983年3月73歳

1916年から第一次世界大戦は軍医として従軍
1926年末に初めてアメリカ合衆国へ数ヶ月にわたる講演旅行

1935年に一家でアメリカに移住

ヨーロッパ各地のみならず、アメリカまで足を延ばし精力的に公演をこなした。
スコットランド講演旅行中に心臓発作で急死。


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アドラーさんは本を書くことにほぼ関心が無く、速記された講義を読み易い
形式にする為にフリーランスの編集者に依存した。
締め切りの圧力で代筆者による仕事を急いで時には
粗雑にすることすら許す傾向があった。

アドラーさん自身の講演の際に使ったメモ、速記文字のものも。
講演を聞いたファンのメモ等が名義貸し本作成の資料だった。
それらは皆英語。
アドラーさんの話す英語は十分流暢だったが印刷できるような
英語では無かった。
原稿はうまく整理されていなかった。
意味が通じるように気にせず推敲したり敷衍(ふえん:
意味の分かり難い所を優しく言い換えたり詳しく述べたり
して説明すること)したりして欲しいとアドラーさんは
手紙を書いてきた。


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岸見一郎さん。
 

1956年生まれ
哲学者、心理学者、翻訳家。
京都府生まれ。洛南高等学校卒業。
1987年、京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。
職歴他は

京都教育大学教育学部、

甲南大学文学部、

京都府医師会看護専門学校、

奈良女子大学文学部非常勤講師、

前田医院精神科勤務、
京都聖カタリナ高等学校 看護科(心理学)非常勤講師。

日本アドラー心理学会認定カウンセラー。

日本アドラー心理学会顧問。
専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、

1989年からアドラー心理学を研究
大学院時代には母親の看病のために半年間学校に通うことができなかったが、

その間に参加していた哲学の読書会によって、哲学の有用性を認識した。
2006年4月、心筋梗塞で動脈ステント治療を受け、1ヶ月間入院した。

状態が回復するにつれて、多くの看護師が勤務時間外に相談に訪れた。

 翌年6月、冠動脈バイパス手術を受ける。
2009年から4年間、父親の介護をしながら、

読書や本の執筆、週に一度の講義をしていた。

 

2018年出版の『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』
は哲学者(哲人)と若者の会話という小説スタイルで、
『現代岸見心理学」を解説した書籍っぽいな。

 

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「Gemeinschaftsgefühl(ゲマインシャフト・ゲフュール)」は

「共同体感覚」と翻訳されている。
ドイツ語はいくつかの語を結びつけて、一つの大きな言葉にするらしい。

「共同体感覚」では注釈をつけないと意味が分からないから、

個人的には『コミュニティ・フィーリング』という機械翻訳を

採用したいと思う。

 

古くはイギリスの歴史学者クリストファー・ドーソンさんの1932年の著作の

翻訳書「近代のジレンマ」(1957年)にも『共同體感覺』というワードは登場する。

『今日、この變革の過程はその仕事を完了させてしまつたのです。

で、そこには反對すべきものはほとんど見當りません。

舊い秩序が倒壞したのちに、われわれはいま一回轉して、

新しくその上に建設することのできるそしつかりとした

基礎をさがし求めているのです。

すでに社會生活においては個人主義の衰退と共同體感覺の

復活がみられます。

たとえば經濟學においては、十九世紀的な自由放任と個人的なイニシアティヴ

の理想が社會的組織と社會的統制とに對する熾烈な要望に、その席を譲つたのです。

この觀點からすれば、社會主義も共産主義も、決して革命的な、また

否定的な運動ではないのです。

それらは時流を變えるものとしての特徴を備えています。

カール・マルクスこそ誰にもまして、自由主義的な革命的傳統の

不充分さを感得し、社會的建設に對して、新しく努力する必要を感じていた

人でした。

それで彼は當時の人には究極的な基礎のように思えたかも

分かりませんが、かの科學的唯物論の礎石をおいたのでした。

しかし科學的理論を克服した十九世紀の唯物論も、同じく

究極的なものではなかつたものであることを、

今日われわれは知つています。

實に多くの事を説明してきた科學も結局問題のいゝのがれを

するにすぎないものとなり、われわれに數學的公式の

ガイ骨のような宇宙しか殘してくれなかつたのです。』

「共同體感覺」と翻訳された原語は不明だが、

『現代アドラー心理学』とやらの『共同体感覚』と

同じ意味合いのように、びりたんには感じられる。

 

以降に出版されたアドラーさん関連本以外でも使われまくっている。

 

アドラーさん名義の著作「What Life Could Mean to You」(1931年)
の翻訳である「人生の意味の心理学」by高尾利数さん(1984年)では

『仲間感(fellow feeling)&社会的関心(social interest)』という風に

翻訳されているようだ。

アドラーさんご自身が「social interest」という英訳で

ゴーサインを出したからであろう。

 

アドラーさん名義の著作「The Science of Living」(1929年)
の翻訳書「子どものおいたちと心のなりたち」by郭麗月さん(1982年)でも

『現代アドラー心理学』とやらの『共同体感覚』に相当する部分は

「社会的関心」と訳されている。

 

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「The Drive for Self」のペーパーバックは657ページで厚み39.9㎜。

重量は914g。

 

 

入手した岸見さんの本は色々線が引かれまくっていて面白い。

アドラーさんは関係無く、『現代岸見心理学』のお勉強なんだろうなあ。

 

 

1996年に翻訳書を出版してるのに

 

 

全く同じ文面の表紙違いの本を同じ出版社から同じ価格で

2012年5月25日に発刊。

意図が分からん。

1996年版の翻訳から2012年版の翻訳の違いは

まだ細かくチェックはしてないがざっと見た感じは

1)当てはまります。→当てはまる。

2)みなしています。→みなしている。

3)予言もするからです。→予言もするからである。

といった程度の感じ。

1996年版のデータはフロッピーディスクなので読み取るハードを持っていなくて、

2012年の改訂版では全部入力し直したらしい。

 

1996年版にあった注釈が2012年の改訂版ではずいぶん

消えたんじゃね?

ということで1996年版の方がましな気がする。