LPSAオフィシャルマガジン2020年秋号VOL.5
の『女流棋士思い出の棋書』で女流棋士の中倉姉妹が共に
1989年発行の「将棋初段への道」をあげておられる。
駒落ちを原田先生に教わる企画で自宅に伺い、
駒落ち戦の前に姉妹対局をしたらその内容が良かった
とのことで平手の棋譜が掲載され、姉妹対局の写真が
表紙となり想い出のある棋書となったとのこと。
序盤は良かったが終盤に何度も詰みを逃しており、
詰将棋をたくさん解く必要があると指導されたと。
どんな棋譜だったのか見てみたくて入手してみました。
古書店、メルカリ、ヤフオクにも無くて
全国の図書館のうち、大阪と東京のみ蔵書があることが
分かって取り寄せのリクエストをしました。
しかし、取り寄せ待ちの1カ月の間にAmazon経由で1冊、
古書があることを発見して先行して入手したのがこちらです。
1989年6月10日第8刷発行の版。
間違い無く中倉姉妹の対局姿が表紙です。
ところが…
カバーを外すと恐らくは1982年6月25日初版と思われる表紙が登場。
1982年発行の初版も1989年版も
タイトルもISBNも全てが同じで改訂版の記載も無く、
区別がつきません。
カバーと1989年6月10日第8刷発行と記載されたこのページ以外は
1982年6月25日初版と何も変更が無いように見受けられます。
中倉姉妹の棋譜は掲載されていないのか、
中倉姉妹の対局の1局面を問題図として
出題してある程度の変更は初版と比べてなされているのか、
この時点では判断がつきませんでした。
図書館に取り寄せリクエストしていた1989年版が届きました。
表紙は取り外せないようにフィルム加工してあります。
大阪と東京にしか存在せず、大阪泉南市立図書館様の蔵書みたいです。
びりたんが入手した古書(右)と同じ1989年6月10日第8刷発行版です。
異なる点はAの「※」印の有無のみです。
しかし、明らかに1982年6月25日初版(右)と異なるページもあるようです。
こちらが恐らくは初版。
こっちが1989年改訂版。
部分的に改訂されているようです。
びりたんが入手した古書版が謎過ぎて理解出来ません。
右が謎の1982年6月25日初版と中身が変わらぬ1989年6月10日第8刷発行。
左が中倉姉妹もちゃんとクレジットされている1989年6月10日第8刷改訂版(笑)。
謎過ぎます。
初版で原田九段に二枚落ち指導対局を受けたのは
当時の八王子市立元木小学校5年の羽生善治君。
その棋譜解説は1989年改訂版でも再掲されていますが
「羽生君はその後プロ棋士を目指し現在五段になっています。
昭和63年度はすばらしい成績をあげ、将棋大賞(最優秀棋士賞)
を受けました」と書き改められています。
羽生さんは1985年12月18日(15歳)に棋士になっているので
1982年初版発行時は奨励会員のようです。
デビューした1986年度は勝率1位、
1988年はNHK杯で大山さん、加藤さん、谷川さん、中原さんと
名人経験者4人をすべて破って優勝。
対局数・勝利数・勝率・連勝の記録4部門を独占して
史上最年少(18歳)で最優秀棋士賞を受賞。
本書1989年6月10日第8刷改訂版発刊後すぐに
竜王のタイトルを奪取しています。
流石に「羽生君」のままは出せなかったのかもしれません。
講評も「現在、羽生君はプロ五段として大活躍していますが
このときの羽生君は筋の良い将棋でした」と書き改められています。
初版の平手実戦解説は
1)川崎市立南小学校3年の中原淳一君(中原名人の長男)
VS八王子市立元木小学校5年の蟹沢英明君。
2)千葉市立みつわ台北小学校6年の山口宗久君
VS羽生善治君。
3)山田幸二初段19歳VS中田宏樹初段16歳
でした。
1989年改訂版は
1)東京都府中市立第六小学校6年の中倉彰子さん
VS妹の4年中倉宏美さん
2)現在の羽生五段は「将来の名人と期待されている」と書き加えつつ、
初版の山口宗久君VSアマ三段の羽生善治君を再掲。
3)金沢孝史二段15歳VS原田門下の近藤正和二段17歳(学生服)
に変更されています。
(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
●かなりの早指しの姉妹は
アマチュア四段の修二さんに鍛えられているらしい。
先手:中倉彰子小六
後手:中倉宏美小四
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △3二銀
▲5八金右 △4二飛 ▲6八玉 △5二金左 ▲7八玉 △6二玉
▲9六歩 △9四歩 ▲5六歩 △7二玉 ▲6八銀 △8二玉
▲3六歩 △7二銀 ▲5七銀左 △6四歩 ▲2五歩 △3三角
▲6八金上 △1四歩 ▲1六歩 △1二香 ▲3五歩 △同 歩
▲4六銀 △3六歩 ▲3五銀 △4五歩 ▲3三角成 △同 銀
▲8八角 △2二飛 ▲3四銀 △4四角 ▲同 角 △同 銀
▲2四歩 △同 歩 ▲1一角 △4二飛 ▲2四飛 △3七歩成
▲同 桂 △3三歩 ▲2三銀成 △3五銀 ▲2五飛 △3六銀
▲2六飛 △3七銀成 ▲同 銀 △4四角 ▲3六飛 △9九角成
▲8八銀 △9八馬 ▲2二歩 △9五歩 ▲2一歩成 △9六歩
▲9九歩 △3四香 ▲3三成銀 △3六香 ▲4二成銀 △8八馬
▲同角成 △4二金 ▲3六銀 △3九飛 ▲3一飛 △9七銀
▲6六馬 △1九飛成 ▲3九歩 △8八銀打 ▲6三香 △4一香
▲6一香成 △同 銀 ▲6三桂 △6二銀 ▲6一金 △6三銀
▲7一角 △9二玉 ▲4一飛成 △8二香 ▲9五香 △9三桂打
▲9七桂 △同歩成 ▲9四銀 △8四歩 ▲同 馬
まで101手で先手の勝ち

●35年ほど前に原田九段は「ななめ棒銀」と名付けました。
1989-35=1954年頃?
↑
マジっすか?
原田さんは格言作ったり命名しまくってるんだよなあ。

▲77角の方が玉が広いと。

△65歩▲24歩△64角とすべきだったと。

▲15歩△同歩▲同香△同香▲34歩もあったと。
▲77角の方が良かったと。
飛車先を重くした手で感心しません。
あっさり銀を見捨て、▲21飛成と飛車を成り込み、
以下△34歩▲33歩と「と金」作りを見せるところ。
△11角では無く△77角と打っていたらこの手は無かった。
▲29飛の方が飛車が働いた。
△88同馬▲同玉△84桂があった。
▲78玉なら△25銀▲35飛
以下△34銀と。
△84桂があった。
▲33成銀と攻め合いに出たかった。
お互いに疲れがでてきたのか乱れが見えてきた。
△88馬▲同玉△34香が正解。
何故▲98歩と馬をタダで取らなかったのか疑問。
△97歩成もあった。
以下▲同桂には△96歩、
あるいは▲同桂△同香成▲同馬△85桂
もしくは△97歩成▲同桂に△89銀
▲同馬△86桂▲同歩△87銀以下▲同玉△89飛成
△89銀も確かに候補に出る。
▲77玉には△79銀があると。
飛車取りに当てたのだろうが
玉の上部の逃げ道を狭くして悪い手。
55か44に逃げるべき。
飛車を逃げずに△86桂で勝ちだった。
命拾いして▲39歩で逆転と。
△52金と美濃囲いを整えるべきだった。
△63銀は負けを早めた。
△72玉が粘りのある1手だった。
即詰みがあった。
ここも即詰みがあった。
即詰みがある場合は読み切って詰めることを心掛けたい。
<総評>
序盤は申し分ない。
中盤の攻防も見事。
姉妹は筋がよろしい。
彰子さんは最後に何度も即詰みを逃した。
紙一重の形勢なら即詰みを逃すと負けなので
詰将棋の問題を100~500題解く努力が必要。
年少の女子としてはとても強くアマ初段から三段の力があると
認めます。
才能豊かで対局態度も良く、将来大いに有望です。
↑
早指しとはいえ、これはアマ初段も無い。
でも当時の時代背景を考えると年少の女子としては
こんなものなのかなあ?
羽生さんですら二枚落ち下手の棋譜は不出来だったので
中倉姉妹も駒落ちの棋譜は採用されなかったのだろうなあ。
先手:金沢孝史二段15歳
後手:近藤正和二段17歳
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △4二銀
▲5六歩 △5二飛 ▲6八玉 △6二玉 ▲7八玉 △7二玉
▲5八金右 △5四歩 ▲5七銀 △8二玉 ▲9六歩 △9四歩
▲8六歩 △5三銀 ▲6六歩 △9二香 ▲7七角 △9一玉
▲6七金 △8二銀 ▲8八玉 △7四歩 ▲7八銀 △7一金
▲8七銀 △6四歩 ▲7八金 △5一金 ▲2五歩 △3三角
▲3六歩 △3二飛 ▲1六歩 △6二金左 ▲5九角 △1四歩
▲6八銀 △4五歩 ▲7七銀 △4四銀 ▲6八角 △5五歩
▲同 歩 △同 銀 ▲5六歩 △4四銀 ▲2四歩 △同 歩
▲同 角 △2二飛 ▲2五歩 △5三銀 ▲3三角成 △同 桂
▲2四歩 △2五歩 ▲2三角 △5二角 ▲8五歩 △4二飛
▲8四歩 △同 歩 ▲5五歩 △6三金 ▲5四歩 △同 銀
▲3五歩 △同 歩 ▲3八飛 △4三銀 ▲3五飛 △3四歩
▲3六飛 △2六歩 ▲3二歩 △4一飛 ▲4六歩 △6二金引
▲4五歩 △6三角 ▲4六飛 △5四銀 ▲3七桂 △5五銀
▲2六飛 △4五桂 ▲3一歩成 △4四飛 ▲2五飛 △6五歩
▲8三歩 △同 銀 ▲3二角成 △6六歩 ▲6五馬 △6四銀
▲6六馬 △4二飛 ▲6五歩 △7三銀 ▲4五桂 △同 飛
▲同 飛 △同 角 ▲4一飛 △6七角成 ▲同 馬 △6一歩
▲3二と △9五歩 ▲同 歩 △6九飛 ▲1一飛成 △9八歩
▲同 香 △9七歩 ▲同 香 △8五桂 ▲9九香 △7七桂成
▲同 馬 △9三歩 ▲6四歩 △6六銀 ▲8六馬 △1九飛成
▲6三歩成 △8五香 ▲7三と △同 桂 ▲9四歩 △8六香
▲同 銀 △6七金 ▲7九香 △7八金 ▲同 香 △7九角
▲8七玉 △6八角成 ▲6四角 △8九龍
まで148手で後手の勝ち

近藤二段の兄弟子山口英夫七段が指し始めた△54歩を突かず1手玉を早く囲える
「英ちゃん流中飛車」。
手合割:二枚落ち
下手:羽生善治さん
上手:原田泰夫九段
△6二銀 ▲7六歩 △5四歩 ▲4六歩 △5三銀 ▲4五歩
△3二金 ▲3六歩 △6二金 ▲3五歩 △5二玉 ▲4八銀
△2二銀 ▲4七銀 △7四歩 ▲3八飛 △6四歩 ▲3四歩
△同 歩 ▲同 飛 △3三歩 ▲3六飛 △7三金 ▲3七桂
△6三玉 ▲7八金 △8四金 ▲6八銀 △7五歩 ▲同 歩
△同 金 ▲7六歩 △7四金 ▲6九玉 △2四歩 ▲5八金
△2三銀 ▲4六銀 △1二香 ▲3五銀 △6五歩 ▲4四歩
△5五歩 ▲同 角 △6四金 ▲8八角 △5四金 ▲5六歩
△4四歩 ▲5五歩 △6四金 ▲4五歩 △4三金 ▲7五歩
△8四歩 ▲4六飛 △3四銀 ▲4四銀 △4二金 ▲3五歩
△4四銀 ▲3四歩 △3五銀 ▲5六飛 △4六歩 ▲5四歩
△4七銀 ▲5三歩成 △同 金 ▲7二銀 △6二玉 ▲7六飛
△6六歩 ▲5九金 △5六銀成 ▲8六飛 △7三玉 ▲5七歩
△5五成銀 ▲5八金 △7五金 ▲6六歩 △8五歩 ▲9六飛
△9四歩 ▲6五歩 △6六歩
まで87手で上手の勝ち
▲77角の方が玉が広く、▲86角、▲95角もあり、まさった。
何か読み抜けっぽい。
先手:山口宗久小学校6年
後手:羽生善治小学校5年
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △8四歩 ▲7八銀 △6二銀
▲7七銀 △5四歩 ▲5八金右 △4二銀 ▲6七金 △3二金
▲5六歩 △4一玉 ▲6八玉 △5二金 ▲7八玉 △7四歩
▲7九角 △3三銀 ▲8八玉 △3一角 ▲7八金 △4四歩
▲2六歩 △4三金右 ▲3八銀 △6四角 ▲2七銀 △3一玉
▲1六歩 △9四歩 ▲2五歩 △4五歩 ▲2六銀 △2二玉
▲1五歩 △5三銀 ▲1四歩 △同 歩 ▲同 香 △同 香
▲1五歩 △1三歩 ▲1四歩 △同 歩 ▲6八角 △7三角
▲1七香 △1一香 ▲1四香 △同 香 ▲1五歩 △1三歩
▲同角成 △同 玉 ▲1四歩 △2二玉 ▲1五銀 △4九角
▲2七香 △5一角 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 銀 △同 銀
▲同 香 △2三歩 ▲同香成 △同 金 ▲2四歩 △同 金
▲2五歩 △1四金 ▲1五歩 △同 角 ▲2四銀 △2六香
▲1八飛 △1六歩 ▲1五銀 △同 金 ▲2四歩 △2九香成
▲4一角 △3二銀 ▲6三角成 △2七角成 ▲6八飛 △3七馬
▲5五歩 △同 馬 ▲7四馬 △7三歩 ▲5六馬 △4四馬
まで96手で中断
羽生さんがどうこういうより山口さんが暴発といった感じ。











































