全113ページ。

歴史文化書籍系。

張超英さん著。

 

 

本書は中国初の中国象棋の棋具本である云々書かれているっぽい。

「18元」なので日本円で396円ですと。

 

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張超英さん略歴:

1958年生まれ。

1982年北京理工大学陶磁器専攻卒業。

編集者、エンジニア、レポーター。

1991年に日本に留学。

山口大学大学院古典文学研究科卒業。

修士号取得。

1996年に古代中国象棋棋具の収集開始。

個展やテレビでコレクションを紹介してきた。

雑誌にも50以上の研究記事を発表している。

歴史、古典文学、翻訳作品などを掲載した

エッセイ集「留学6つのノート」も出版。

 

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目次
序文
第1章: 冒頭の言葉
第2章 象棋棋具の起源

六博の形と道具
チェスの遊具とその形状の考察
第3章: 唐代の華麗な棋具
保英翔の遊び道具
唐錦チェス盤
囲碁道具とチェス道具
第4章: 宋代の素晴らしい棋具
チェス道具開発の最初のクライマックス
白檀の皿と芸術的なスタイル
象牙のチェスセットについてのランダムな話
宋代青銅チェスセット
仙林翡翠小皿
北宋時代の象の駒の発見
第5章 過去と未来を繋ぐ元代のチェス道具
チェスの駒の書き方の変化
付録: ゲームの両軍の武器名の区別の問題
元代の青白釉下絵赤磁器チェスセットについての簡単な考察
秘密のポーンの発見
第6章: 明代の優雅なチェス道具
文人チェス道具の登場
腐敗した役人のチェス道具
女子チェス用具
ナチュラルチェスの道具についてのランダムな話
逸話とチェスの道具
付録: リビング チェスの起源
付録:人間チェスとチェスの戦いの夢
第7章: 清朝の豪華で繊細なチェスセット
チェス盤のスタイルと素材
チェスボックスのスタイルとタイトル
ポータブルチェス機器の登場
チェスセットの大規模生産
象嵌チェスセットの台頭
第8章 花盛りの中華民国のチェス道具
広告チェスセット
新しい素材とチェス道具
ギャンブルおよびチェス用具
参考文献
年代記

 

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第1章: 冒頭の言葉

 

象棋の棋具の歴史は象棋の歴史と同じく長いが

象棋と象棋の棋具の深い繋がりは解明されてないし

専門書も出版されていない。

 

駒の条件:

目に心地良く眩し過ぎない。

重過ぎず盤上で安定する適度な重量。

打ち付けても大丈夫。

夏は熱くなく、冬は指が冷えないように。

 

六博(りくはく)は双六に似たサイコロを使ったゲーム。

紀元前770~紀元前221年の春秋戦国時代(縄文時代~弥生時代)に

プレイされていた。

 

 

木製かなあ?

漆で塗られてるように見えるな。

縄文時代~弥生時代にこんなものを作って既に

遊んでいたわけか。

 

その後に登場した弾棋:駒を盤上で弾くゲーム。

弥生時代~古墳、飛鳥、奈良、平安時代。

唐の時代に日本に伝わり正倉院に残っている。

中央部の盛り上がりは競争力を高める為の

ものと思われる。

中国国内に残っていないのが残念。

理由は不明だが唐時代に急速に衰退し、

宋時代には完全に失われた。

弾棋は中国国産ゲーム。

日本にも唐の時代に伝わり、1300年の鎌倉時代までに

徐々に失われた。

 

 

近年の「インド起源説」が脅威だが象棋は中国で生まれた事は

疑いの無い事実だ。

考古学的発見で「六博」の駒が格子内で動いていたことを

証明出来たらそれが「中国起源説の決定的証拠となる。

 

弾棋は永い間失われているので形について

詳細を知ることは困難。

関連文献に基づき簡単に考察することしか出来ない。

 

 

 

 

「木画螺鈿双六局第1号」は

中央に向かい蒲鉾状に湾曲してるし、

縁にビリヤード台のクッションみたいな枠が無いので

弾棋盤ではという説があるらしい。

 

 

 

 

 

 

唐の時代にはまだ文献に『象棋』の文字は無い。

この立像駒は1998年に購入されたのですと。

屋台のおじさんの話では湖北(こほく)省で出土したのですと。

銅製で金メッキしてあるのかな?

形状的に唐時代の「卒」の駒と専門家の賛同も得て

大胆に考察されたのですと。

当時は外国との交流も盛んで外国の将棋の駒の形も融合した

フォルムに作られている。

しかし外国の将棋の駒の形も借用したことで

中国人が象棋を発明したという事実が損なわれるものでは無い。

 

北宋末期に中国象棋は完成した。

中国象棋棋具を語る際には囲碁棋具の話は欠かせない。

盤製作に関しては囲碁の方が先に発明されている。

唐以前の盤の材質は

磁器

などで最も普及したのは木だった。

 

北宋~南宋時代が象棋の発展の最初の絶頂期だった。

1973年、福建省泉州湾で宋時代の難破船から木製の「馬」他20枚の

丸い駒が見つ

かった。

1984年には四川省の地中から32枚の銅製駒が見つかっている。

1983年には四川省で青銅製と真鍮製の駒が見つかっている。

杭州を中心に近年、磁器の駒も多数発掘されている。

 

王室の象棋への愛によって高級棋具が作られるようになった。

白壇、象牙など。

 

北宋時代の通貨は種類も複雑で大量に鋳造され、

年号が変わる度に新たに鋳造されていた。

銅貨鋳造産業が最も発達していた時期で

青銅製の駒は薄くて掴み難く

感触も良く無くて理想の材質では無く、

必然的に南宋時代以降徐々に減少した。

 

翡翠は盤や駒の材質として理想的では無い。

集中して賢い手を思いつくと駒を激しく打ち付けることが

よくある。

翡翠は割れ易い。

 

元王朝の統治者は象棋を奨励せず、歴史的には衰退期に入った。

出世の道が無い厳しい生活を送っていた知識人たちは

象棋、書道、音楽、絵画、自然などに

慰めを求め、象棋は王室の遊びから民衆のゲームになった。

色による駒の区別だと経年劣化で色が薄くなる。

照明が暗いと色を判別できない。

そこで元の時代から文字で区別すようになった。

元の時代の磁器の象棋棋具も壊れ易く材としては適していなかった。

 

明の時代は木製に。

女性の象棋への参加は宋時代から。

女性の棋具への美的感覚は男性とは異なる。

材質は主に翡翠。

 

清時代の駒の主な材質は木、牙、骨、竹、玉。

唐や宋時代の白壇盤は伝わっておらず、

確認出来る最古の盤は明時代のもので

材質は主に木と玉。

 

明時代は木製ボードが主流になった。

裏面碁盤の花梨材の盤などがある。

 

古代の象棋駒にも駒箱はあったが

史料に記録が残っていない。

正方形か長方形。

著者のコレクションでは黄楊材とマホガニー材。

明、清時代は引き出し式。

清朝時代には携帯象棋セットは登場している。

 

清朝時代の版木があり、量産されるようになった。

宋時代には磁器の型だった。

中華民国時代にプラスチックのセットが作られるようになった。

 

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サイコロを使った「六博」というゲームは紀元前の縄文、弥生時代に

プレイされており、紀元後に生まれたチャトランガより歴史は古いと。

おはじきみたいな「弾棋」もチャトランガより古いのかな。

いずれにせよ、「六博」も「弾棋」も遊び方すら謎と。

「弾棋」棋具に関しては中国には残っておらず

正倉院に残ってるのが中国から伝わった弾棋盤ではあるまいか?と。

 

で、著者は「六博」の流れから中国で象棋も考案された

と信じておられるのかなあ?