21)『文芸家分類法案草稿』
文藝家協会会員名簿によると147名の文筆業者がいる。
大衆作家は
探偵、
科學、
家庭、
恋愛、
武勇、
滑稽、
学術、
少年、
少女、
怪談
等に分類される。
科学小説は
探検、
怪奇、
海底に分類される。
恋愛小説は
モダンガール専門、
藝者、
姦通に分類される。
家庭小説は
嫁姑、
新婚、
生活難、
会社員、
酒吞、
に分類される。
武勇小説は
侠客(きょうかく:強きを挫き、弱きを助ける渡世人)、
剣客、
仇討物
に分類される…
愚案だが、ジャンルが被ると不利益だし、
皆で専門ジャンルを決めた方が良いんじゃね?と
協会に出案する次第でありますと。
22)『文街散歩』
A)食べ物のこと
文士が訪問する店というだけで広告になるらしいが
田舎臭い味覚の文壇人が多いからと味覚批評。
志賀直哉さんも芥川龍之介さんも料理を素早く食って
『混んでる日は壊れるので新しい器具を出していけない』と
料理よりも尾形乾山とかの皿の方を鑑賞しに行っていると。
B)着物
あんな服装をしていて世の酸い、甘いがよくかけますな
とか、ファッションを細かく書いてるわりに
本人は大した服は着ていないとか、文壇人の着物批評。
芥川龍之介さんは龍村平蔵さんの織物にかなり
興味を持たれていたらしい。
最も驚くことは2名の例外を除き、女流文学者は
全くなっていないと。
C)骨董
文壇人の古書の収集状況も含む批評。
D)踊り
文壇人の踊り批評。
何を書いてるのかよく分からないので略。
23)『文壇柳暗録』
面白く無いので略。
24)『剣法の起源』
25)『剣法の発達』
26)『剣法雑話』
27)『武勇伝雑話』
28)『武勇伝雑話』
29)『宮本武蔵の強さ』
30)『上泉信綱と宮本武蔵』
歴史小説を書く際に必要な時代考証を含めた蘊蓄っぽい。
31)『喧嘩を賣る』
同人の頭の悪さ加減。
さあ出て来い。
佐々木模索は鏡に写して話をしてみろ。
少し向こうを見て物を言え。
藤澤清造は仮名遣いの間違いを1ページにも
渡って並べているが
そんな暇が有ったら手前の淋・病・でも癒してしまへ。
生田花世は女の文章として實に可愛氣が無い。
32)『大衆文学の辯(弁)』
「南國太平記」に関する批評に対する反論。
面倒だし反駁しないつもりだったが論じる人が多いので
少し遅いが私の考えを言っておこうと思う。
自分の子供時代を思い返せば分かるだろうが
子供は字がぎっしり詰まっていると嫌気がさす。
夕刊の続き物としての読者の要求を想定して
文學的にもなるように書いてるので
政宗白鳥さんに読ませる為に書く物とは違う。
波乱の無い所は場面を転換させ、悲劇の後には
ユーモアを出し、他の大衆物、純文学とは
違った用意をしたつもりだ。
政宗白鳥さんは超人的とか批評してるが、
「ジャンバルジャン」、「シヤロックホルムス」も
超人を求める要求から生まれた空々しさを第一としている。
文學的には低級だが、調査の上においては
相当努力している。
正当に批評するなら史実を調べてからにして欲しかった。
大衆物においては型でいいのである。
一般人は十分に満足している。
大衆物に絶対的英雄が必要なのはここに原因する。
型通り上手に書いた方が認識不足の写実性文學より罪が浅いと考える。
現代の大衆物は夕刊続き物として発達の途にある。
政宗氏にかかると長々と50枚も費やさないと説明できないようだが
彼によると説明では無く描写ということになるらしい。
33)『大衆文芸分類法』
何が文壇小説で何が大衆文藝か?
定義を下そうとするくらいくだらないことは無い。
例えばエドガー・アラン・ポーは題材から言えば大衆的だが表現法から
言えば立派な芸術品だ…
34)『大衆文学作家総評』
作家の批評。
35)『大衆小説を辻斬る』
作品批評。
36)『俗悪文学退治』
まづ先に吉川英治を退治せよ。
彼は俗悪文学の本流でありながら生意気にも気障な
形容詞を使って文学的とでも考えているような低級極まる…
いや、いや、それよりも先、直木三十五を退治せよ。
彼こそ俗中の俗なるもので多年貧乏を標榜しながら
少し貯まると家を建てるなどと…
長谷川伸は短編は書けるが長編は書けないちんころ作者だ…
37)『大衆文学二三の俗論を駁す』
38)『大衆文学の歩いた道』
39)『吾が大衆文芸陣』
文学論。
40)『大大坂小唄』
歌詞も作るらしい。
41)『大阪を歩く』
42)『続大阪を歩く』
父親が大阪に住んでるし大阪の話の色々。
チップを置く店にもよく行くらしい。
そんな浪費家だから収入が幾ら増えても支出が多く
万年貧乏なのだろう。
43)『秋色漫想』
侘しい秋をお題とした文章。
煙草で胃も荒らしているらしい。
荒れた生活と体の不調の話と色々。
44)『アッパッパを見て感あり』
チベット語らしい。
巡査に咎められない婦人簡易服らしい。
夕涼みしている女性の半分はアッパッパですと。
下は「ノー・ズロース(ノーパン)」なので
風が吹くと落下さん如く見事ですとwww
45)『地上より安全』
地上では散歩していて「美人座」へ不時着したりするし
飛行機の方が安全で地上は危ないと。
46)『日本モナコ設計図』
47)『銀座縦横記』
48)『旅三、芸者三』
49)『金儲けの秘伝』
50)『炬燵から』
たわ言なので略。
51)『私のロボット硅君』
友人2人とアメリカから材料を購入しロボットを
組み立てている。
半年で小説のネタが尽きるが金が要るので
ロボットに仕事してもらうしか無いと。
ロボットはパンを盗んで来るが私は盗んでいないし
犯意は無いと。
半年後にこのロボットは銀座でありとあらゆる犯罪を起こすと。
52)『囲碁のこと』
囲碁は入り易く上達し難い、将棋は入り難く上達し易いと
いう事があるが本当らしい。
心がけが悪い僕如きが10年で二段に三目である。
そのくらいになると布石の理屈が微かに分かって来る。
一番いけない場所に打つだけで、一番良い所へ打てるように
なれば僕が本因坊になってしまう。
稽古もし、本も読んでるがあまり強くなろうとしない。
将棋は平手の「定石」を覚えると30手くらいまでは
相当の実力の相手とでも「定石」通りにやれるが
碁という奴はひとつ置き場を間違えると手の出しようが無い。
囲碁は将棋より変化が広い。
僕でも初段をくれたら段を汚すまいと
もう少し恋愛をよし、勉強するに決まってる。
酒場より囲碁会所の方が安くつくからである。
酒場へ10、囲碁会所1の割合で行っている。
僕は麻雀、花牌、将棋、何でも好きだが囲碁が一番良い。
盤の横を叩いても将棋の駒より碁石の方が気持ち良い。
盤もいっぱい線が引いてあって物々しくて良い。
文壇では僕と同等級ばかりで上が居なくて
気持ち良い。
菊池寛などいつか直木は僕に二目くらいと書いていたが
近頃は五目置くからいよいよ愉快である。
将棋より囲碁の方が今人材が多いらしい。
将棋は土井(←原文のまま)、木村、金子が人気者だろうが
囲碁には木谷、久保松、加茂、呉、關山、村島、篠原、橋本、
高橋と上から下まで揃っている。
都下大学生の娯楽調査は囲碁が一番高点であった。
碁を打ってるとマルクスも恋愛も忘れるから政府はもっと
奨励して良い。
学校では碁を正科にするんだ。
僕は女学校の先生で好きな生徒に今夜は徹夜で教えて
あげませう、など。
いやもつと上達せんといかん。
53)『見るのでない、拝見だ』
将棋の木村VS金子戦の観戦。
新聞を広げてははあん、なかなかやるなと呟くような
生易しい物では無い。
精力が、血が、肉が、細胞が、組織が
僕らの物を書く以上に消滅していっている。
僕らモノ書きには相手が無い。
〆切りはあっても書かなきゃ1月延びてしまう。
ふたりの勝負は1月延びたら読者は読売に
ガソリンをぶっかけるかも知れぬ。
読者よ、見に行くものでは無い。
襟を正して拝見に出掛けるべきものだ。
54)『昭和の大棋戦観戦記』
呉さんは先番無敵ですと。
酒も女も無く、懸命に打つから良いと。
55)『日本映画を斬殺す』
映画について縦横無尽に語っている。
56)『哲学乱酔』
唐突にラストは随筆では無く、短編小説っぽい。
(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
●仏子須磨子(のち結婚)さんと19歳で出会い、20歳で同棲。
大正5年25歳の時に長女誕生。
●学費にあてるお金まであれこれ使い込み早稲田大学を除籍処分に。
学費にあてるお金まで使い切ってしまい、とうとう早稲田大学を除籍処分に。
親からの仕送りは継続してもらい
バレぬように早稲田大学の卒業写真にも加わり、
実家へ送ったりした。
●映画の世界にも関心が深く、映画製作も手掛けるが
出版も映画もことごとく赤字で失敗した。
●肺に生じた結核菌の病巣が血管を通じて脊椎へまわり、いわば背骨を腐らせる
椎(せきつい)カリエスで脳まで侵され、高熱や意識障害等をもたらし、
幻覚も生じていた。
激しい頭痛に襲われ、座っているのも困難な状況になり、
病院では書かずに休めという忠告を受入れ
文藝春秋社さんのバックアップも受け
入院を決意したのは死の2週間前。
文藝春秋社さんの社員や菊池さんが秘書がわりにと紹介した女性
真館はな子さんらが病床に付き添った。
国民的人気作家の今日の体温、今日の容態、今日の言動を
新聞もラジオも連日報じた。
(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
直木さんは色々と勉強しまくった上で時代小説等、
エンタメ小説を書いたのだろう。
一作も読んでいないし読むつもりも無いけれど。
色々と良い資質を備えていることは理解出来たが、浪費癖があったり、
どうしようも無い人間ということも分かった。
随筆も口先だけの物も多いと感じる。
芥川龍之介さんは「トロッコ」、「蜘蛛の糸」、
「羅生門」等、感想を書くに値しない短編を
国語の教科書で読んだ記憶がある。
「河童」とか「女体」とかを学生時代に読んでいたら
容易く感想が浮かんで書けたと思う。
直木三十五さんは一般人にはどんな人物かも
その作品も馴染みが無いと思う。
びりたんも全く知らなかった。
直木賞も芥川賞も菊池寛さん創設とは初めて聞いた。
直木賞も芥川賞も全く名誉な賞では無いと思えた。
選考基準とかもただのたわ言だ。
文壇人の将棋は幸田露伴さんと菊池寛さんは有段者っぽいけど、
駒落ちでは無く平手の棋譜が残っていないので
その強さは読み難い。
他の面々は残された棋譜から推理する限りでは
強く無いんじゃね?と今時点では思っている。

