帯無しで、これが表紙です。

 

 

 

表紙を外したところ。

 

●1711年11月9日月曜日から2020年10月3日土曜日に

江戸のお城将棋への登城を控えた将棋棋士

伊藤印達さん14歳がタイムスリップしてくるという話です。

六代将軍徳川家宣さんの時代です。

※天野宗歩さんは1816年生まれ。

●令和の時代はコロナウィルス対策で

人々は口元に奇妙な白や黒の布をあてがっている

とマスクのことを描かれていたのは面白いと思いました。

●江戸時代は眼鏡は裕福、お年寄り、職人以外は

ほとんど普及してなかったと思うんですね。

現代では若者まで眼鏡をしていますし、

将棋指しなんて眼鏡率高過ぎじゃないですか。

それが本書では「長髪の若い男が言った。

黒い縁取りのある眼鏡をかけている。」って書かれているんですよ。

眼鏡の仕様も昔とは大違いだし、眼鏡率も異様だし、

江戸からやって来た人間の視点で描くならさらっと

「眼鏡をかけている」と表現できるはずは無いと思うんですね。

https://edo-g.com/blog/2017/08/glasses.html/4

 

 

https://edo-g.com/blog/2017/08/glasses.html/glasses1_l

 

江戸の眼鏡事情ってこんなんやで。

 

 

 

 

 

●昔の棋士の強さは間違いなくて認めるけれど、

将棋は技術比べなわけだから、

過去の棋士の歴史に学んだ現代の後進組が有利なのは

当然でフェアな対局は出来ないから

単純にどちらが強いかを競うのは難しいって

渡辺さんが答えていらっしゃいます。

●糸谷さんは「アフター藤井」について予言されています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/047b4af400c477102112447de2f79397f913a77c

 

 
●江戸からタイムスリップしてきた印達さんが江戸には無かった
ゴキゲン中飛車等を学び、羽生善治全集を並べて勉強する
シーンなどは描かれているわけですが、
アマ大会に出場し元三段陣をなぎ倒し優勝する程度
しか描かれておらず小粒感は否めません。
現代は藤井さんの活躍が異次元過ぎるので
新井先生の筆力の問題ではなく、
将棋を題材とした小説や漫画を描くことはハードルが高過ぎて
残念ながら本書は現実のドキドキワクワクに負けてると感じ残念でした。
●ハーバード・ジョージ・ウェルズさんのSF小説「タイムマシン」みたいに
恋も描かれているんですが、ラストは令和の恋の記憶を無くし
江戸に舞い戻った印達さんが描かれており、
印達さんの江戸時代での将棋の快進撃等が描かれているわけでもなく、
寂しい物語の閉じ方と感じました。
●「事実は小説より奇なり」:現実に起こる出来事は、
作られた物語の中で起こることよりも
不思議で面白いものだということ。
竜王戦で羽生さんがタイトル奪取するか、
豊島さんが防衛するか、
それを超えるドキドキなビッグマッチが描けないと
今、将棋漫画も将棋小説も厳しいと思います。
●「龍と苺」は将棋に詳しく無い著者が故に面白さを醸し出せている
奇跡の将棋漫画だと今のところは感じています。