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対局はこういう棋具セットで行われた模様です。

参考価格1,100円のプラスチック王将駒と、

将棋盤の材質は何だろう?

 

【第3譜】(38~45手まで)

畑恵美子さん18歳は現在東邦大学1年。

本格的に将棋を始めたのは中学3年。

横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校2年時に

全国高校将棋選手権女子団体戦で3位、翌年も5位の実績。

 

 

▲4六歩までの局面。

 

 

解説「指始図では△4五歩の仕掛けが成立した」。

 

 

▲4五同歩には△同桂で後手の駒が働くから、後手良しのようです。

うーん?

これは高段者の視点ではもちろん成立しているのでしょうけど、

銀が攻めに参加して無い飛車角桂馬の細い攻めはアマチュア1級には

指しこなせないアドバイスになっているのでは無いかなー?(;^ω^)?

 

 

以下、△7九角成を防いで▲6八銀と引かれたら

ソフト使って読み筋聞いても3筋の歩を合わせて飛車で

横歩取りを狙って行けとか攻めの継続手段が

びりたんを含めて級位者の棋力じゃ指し継げ無いぞ。

△4六歩と拠点を作ってみたいが▲1一角成と香車が取られるから

ゆっくりは出来ないからなー。

△3六歩▲同歩に△3七歩ぐらいしか思いつかない。

ここは1級ということを考えると大山先生の「最初のチャンスは見送れ」で

もうちょっと銀を前線に繰り出して、力をためて仕掛けるとかしないと

早まった仕掛けの気がするなー。

 

 

△4五歩に▲同歩では無く▲4七金の場合は

 

 

△4四銀として、この変化も後手の駒が働くそうだ。

 

 

畑さんも指始図で△4五歩の仕掛けは読んだそうだが

この▲3三角成を気にしたそうだ。

 

 

以下△同飛に

 

 

入手したばかりの桂馬を▲2五桂と打って飛車角両取りの狙い。

解説「畑さんは相振飛車が苦手だと言うから気持ちは分かるが

この筋は心配しなくて大丈夫」。

まあ派手に飛車角両取りが決まったように見えますが、

先に先手は角を叩き切って駒損してますからねー。

 

 

例えば藤井猛先生著「相振り飛車を指しこなす本(1)」の第83問で

類型ですが「この筋は直後に有効な角打ちが無い場合は

成立せず無理筋」と紹介されています。

 

 

以下、△2ニ角と引いて

 

 

▲3三桂成に

 

 

△同角

 

 

▲6六歩と角の成り込みを防ぐ手に△4六歩まで進めた局面を見ると

先手は飛車だけで手を作るのが難しいことが分かるだそうです。

むむっ。

ホントだ。

角の利きで後手は飛車を打ち込まれても1一の香車が取られないぞ。

 

 

局面を戻して、『玉より角より飛車を可愛がり』、の飛車命の飛車厨なら

桂馬で飛車角両取りをかけられたところで

△2二角と角を助けるのでは無く、△3四飛と

飛車を逃げる順もあるそうです。

 

 

以下、▲1三桂成に△同桂で桂馬を手持ちにした後手が指せるそうです。

 

 

本譜は△5四銀と畑さんが銀を繰り出してきた手に対し、

 

 

藤田さんは▲5五歩としっかりとした応対。

 

 

△4三銀とマッハで出戻り銀させて、

 

 

▲7五歩と飛車の横利きを通して互いに金無双を完成させて本日の指了図。

5筋の歩も突いちゃって角の斜めのラインが開いていて、

いつでも角の王手いらっしゃい状態な点は危険だなー。

 

 

今までで他では読んだことがありませんし、

ほとんどの方がご存じで無いと思われる余談を。

上の写真は「大山・快勝シリーズ5
快勝将棋の指し方 初段への基礎づくり」 (1967年)です。
 
 
450円。
 
 
1967年当時は「金無双」という呼び名は確立されておらず
大山康晴15世名人が命名した呼び名が定着した可能性があるということ
を偶然入手したこの古書で知って驚きました。
ちなみに本書ですが、ゴーストライターではなく
大山先生がご自身で書かれたのではないかと
思えるような文章で、例えば、アマチュアの方相手の指導対局
平手で筋違い角をやられて、それをどのように
理路整然と退治するかなどの解説が絶品でとても勉強になりました。
 
 
「舟囲い」という呼び名も昭和42年当時は無かったことが分かります。
 
 
令和な時代に生きる我々現代人は「カニ囲い」という呼び名を知っていますが
大山先生は『玉の頭に金や銀がちょうど兜をかぶっているような形なので
私は“カブト囲い”と名称をつけてみた』と本書では書かれています。
この呼び名は全く定着しなかったことは歴史が証明しています。
 
 
この形は「宗歩四間飛車」なんかで出てくる「早囲い」と呼ぶんじゃないかなー?
大山先生は『玉に2手、金か銀に1手の合計3手で囲いが出来上がるので
“三手ミノ”と名前をつけてみた』と記されています。
美濃囲いの変種という認識ですか。
この呼び名も全く後世に残らなかったようです。
 
 
「金無双」。
『右玉囲いに類するが金二枚がヨコに並ぶところから
“金無双”と名付けたい』と書かれています。
 
 
「舟囲い」は『私は“金波城”と呼びたい』と書かれています。
類型で銀の方が多いバージョンは『“銀波城”と呼ぶことにしよう』
だそうです。
「舟囲い」という呼称まで1967年当時は無かったとは
これまたびっくらぽんです。
“金波城”にはフリガナが振っていないのですが、
「きんはじょう」とでも読むのかなー?
いずれにせよ失礼ながら黒歴史な珍造語の気もしてしまいます。
 
 
これも「舟囲い」が単に囲いを進展させただけと思うのですが
大山先生は『“金銀トリデ”と名付けたい』だそうです。
 
 
この「舟囲い」の銀が出動して行った後の形は
『“二枚金波”と名付けたい』だそーです。
「にまいきんは」?
「にまいきんなみ」?
何と読むのだろう??
 
 
この形になると金2枚が縦に並んでいるから
『“金ビョウブ”と呼ぶことにしよう』だそーです。
天下の大山先生が命名しまくったのに、将棋用語として
定着したのは「金無双」だけだったのは何とも不思議です。

 

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【第4譜】(46~64手まで)

 

藤田さんの好きな将棋は久保利明九段。

久保さんが藤田さんのユーチューブチャンネルを

見て下さっていることを知り、ますますファンになったとのこと。

畑さんは同世代の磯谷真帆女流初段、

山口仁子梨女流2級に注目し応援しているとのこと。

 

 

解説「本局は1級同士の対局だが両者ともに序盤をよく

研究しておりここまでミスも無く、駒組みを進めており、

四段同士の棋譜と言われても違和感がないほど」。

いや、それはお世辞過ぎだ。

確かにお二人ともびりたんよりうんと強そうですが

▲4六歩型は少なくとも四段の大局観では無いっすよ。

その1点を除けば確かに素晴らしい駒組みです。

 

 

畑さんの△4五歩の仕掛けでいよいよ開戦。

 

 

藤田さんはぶつかった歩を取らなかったが、

ここは▲4五同歩が良かった。

以下、△同桂▲4六銀としておけば一局。

なるほど。

飛車の横利きで銀を角で取られないんだ。

 

 

本譜は藤田さんが▲5四歩と歩を付き捨て、

 

 

以下、△4四銀▲5三歩成△同金に▲5六飛と飛車を中央に。

解説「これは動き過ぎ」。

相振飛車は、『ボンヤリ浮飛車石田流』の陣形に組んでも、

本で解説してあるような端攻めなんて

高度過ぎて真似出来ないし、びりたんも含めて、

理路整然とした攻めが出来ないのが、『級位者あるある』の気がします。

で、本に掲載されていない我流の戦いが始まるんですよ。

 

 

解説「畑さんの△5四歩〜△6四金と敵の攻め駒を責めるB面攻撃が機敏な動き。

金で左辺を制圧し後手がペースを握った」。

 

 

藤田さんは▲4七金。

 

 

畑さんは藤田さんの飛車角をいじめにかかります。

 

 

飛車が逃げて、畑さんは角取りに金を出ます。

 

 

解説「▲5四歩は良い勝負手。

金が居なくなって薄くなった後手陣に嫌味をつけている」。

藤田さん、褒められています。

これは確かにセンスを感じる良い手と思います。

 

 

後手は△4六歩と歩を取り込んで

 

 

▲4六同銀に△6七金で第4譜の指了図。

解説「ここから局面は激しくなる」。

後手は角金交換になっても、いまいち不満ということでしょう。

 

 

解説「△6七金のところでは△7七金と角を取る手もあった」。

 

 

以下▲同桂の一手に△7九角で飛車取りと2枚の角で

4六地点の銀を狙う二枚替え狙いの筋があったようです。