第24期銀河藤井猛さん45歳。
その素顔に迫る。
2016年。
小学校を訪問しての打ちあわせ。
学校は始めてなので緊張しています。
室谷さんの提案で「ぴょんぴょん将棋」のルールを覚えて初対局中。
オセロみたいなもんだね。
しかし勝負事はガチモード。
室谷さん「あーっ、これ、やったぁ&てんてーに勝っちゃった」
あー、藤井てんてー
フルボッコでやってらんないっすよ ┐(-。-;)┌
あーっはっは。
てんてーがいじけちゃった…
訪問授業です。
どれどれ?
えっ、あんなちっこい女の子ばかりの前でやんの?
対局の模範を見せますからね。
やけくそな大声で「お・ね・が・い・し・ま・す・っ゛・!!!」
と互いに発声しますお。
将棋知ってる人手挙げて!
はい&はい&はい!!
あ、結構いるね。
体育館のフローリングで室谷さんまでワンワン将棋。
おっちゃん、最近、終盤のファンタジスタとか
ネタ棋士扱いになってしもーたなぁ。
最近は同じふじー君でもそーたの方ばかり話題になるしなぁ。
クラスで一番大人しく、楽しみなんてひとつも無いような少年でした。
好きでしたよ。
将棋。
将棋を人とやんないから自分が強いか分かりませんでした。
家で独りで将棋、それが何よりの楽しみでした。
あんまりいないんですよ。
そういう人。
僕みたいなやり方はお勧めじゃないですよ。
普通じゃ無いですよね。
やっぱり人と戦った方が良いですよね。
どうして将棋のプロになろうと思ったんですか?
それは正直に答えちゃって良いのかなぁ?
将棋のプロは毎日会社に行かなくて良いんです( ー`дー´)キリッ。
家で将棋の勉強はしてますよ。
それが仕事なんです。
一番将棋が好きでやっていますから、これやってる時が
楽しいというのがあれば長続きして良いですね。
控室に戻って、げっそり。
疲れました。
プロになった動機の話はマジですよ。
月刊「将棋世界」の記事で棋士の日常読んでて、
こんな人たちいるのか?って。
特に当時の塚田五段とかね。
昼まで寝てんの。
ツカダタイメイに憧れて将棋界に入ったの。
こんな楽な生活出来るのか?って。
実際になってみたら休み多いし。
マジかよって。
JT杯は公式戦なので自分が対局者だったら
やっぱり解説者うぜぇ~んでね、べらべら喋れるほど
心臓強く無いです。
どっちが優勢ですか?とかは聞き手で室谷さんは
聞いてきても良いよ。
俺答えないから。
考え事する時に音って結構厳しいから
終盤は解説が静かになっちゃうのを何とかしたいけど
仕方無いよねぇ?
対局者には気を遣う系です。
同業者には一切気を遣わず言いたいことは
解説で全部言っちゃう人もいます。
僕は鰻専門店はあまり行かないんだけど
あの有名になっちゃった記事ね、
ゴキゲン中飛車の全盛期が10年以上前で、
四間飛車は下火で居飛車党も後手ではゴキゲン
中飛車をやってたほどなんです。
僕は孤立してブームには乗っかからずに四間のみ
やってました。
で、インタビューで千日手になり易く、損な戦法なのに
何で飛車を振るのか?って聞かれたんです。
居飛車党って損得で物事を考えてるんだって思いました。
僕とか振り飛車は楽しくてやってんですよ。
だから千日手になって先手番と後手番が入れ替わっても
気にしませんって正直に言ったんですよ。
で、最後にね、言いたくなったんですよ。
例えたんですよ。
オールラウンドプレイヤーのことをファミレスのメニューって
ことでね。
特に鰻が大好きだからとかではなく、
何でその時、鰻が思いついたのか自分でも分かんないです。
ファミレスの鰻不味いって言ったんじゃなくて
意外と美味しいんだ・け・ど・ね・、という意味です。
こっちは専門店ですからって意味です。
居飛車党が飛車を振って、結構勝っていて、
たまにしかやんない振り飛車でよく勝てるなーと
嫉妬してたんです。
ちょっとこれ
やばいやつですよ。
ちょっと僕、無口で食べますからね。
10年前になりますが、活躍が10年前とかの話ばかりで
嫌になりますが、JT杯で優勝したんですよ。
10分休憩中に何か無いか?って、こんな風に眉間に皴寄せて
う~ん゛とフルに振り絞って妙手を発見して指して勝てたんです。
羽生さんの物真似はですね、
「生まれは大阪です」って振って下さい。
(ワンテンポ遅れて)「あ゛あ゛~っ」
こんな感じです。
上体を斜め後ろに反らせ張り子の虎みたいに
こっくり&こっくり「あ゛あ゛~っ」らしい。
ぎゃーっはっは。
羽生先生そんな感じです!
藤井先生観察凄いです!
いや、僕この世界長いんで。。
森内先生とかはどうですか?
森内さんも簡単ですよ。
5秒間、無表情で、この人は人の話を聞いてんのかなー?
聞いて無いのかなー?って感じで静止して
突然動き出したら良いんです。
ぎゃーっはっは。
特徴を上手くとらえてます!
そんな感じです!
これ、放送カット。
バッテン。
全部ダメでしょ。
勝負において何の役に立つかってですか?
これは棋士の研究ですよ。
そういうところから勝負は始まるんです。
相手を知る観察から。
勝負の心得です。
カメラがあることをうっかりしましたよ。
先輩風を吹かすてんてー。
猛てんてー「僕はデビューから8年でタイトルを獲りましたから
聡太君も8年以内に奪取しないと駄目ってことですよ」
聡太君「藤井先生は序盤の大家という印象ですし、
同じ藤井姓として対局できる日を楽しみにしており、
また対局できるように自分も頑張りたいと思っています」
行きつけの美容院へ。
対局で負けた翌日に来店した日は不機嫌でひどいもんでしょ?
あーっはっは。
行方さんの紹介でまずは妻が通い始めました。
その後、僕も竜王位を獲って、竜王が床屋じゃまずいだろうと
思うようになって通い始めました。
↑
美容院に行った甲斐がある髪型とは思えないけd…
休日は散歩をします。
理解してもらい難いんですが、
散歩中に頭の中で将棋の勉強をしています。
次の対局相手は最近はこんな将棋を指しているなーとか。
盤の前でやるだけが研究じゃ無いです。
藤井システムを登板させて相手の研究にはまって負かされると
手も足も出ず将棋指した気がしないんですよ。
最初から不利になっちゃって。
その点、新しい角交換振り飛車とかやると、いきなり不利には
ならないから力は出せるんです。
で、最初は新しい戦法が良く思えてしまうんだけど
新しいものは自分も慣れていないから大変なんですよ。
システムは慣れている有利さを改めて感じます。
課題は多いけど。
でもシステムばっかりやってると進歩無いんで
銀河戦優勝して気持良いからしばらくシステムは封印です。
ここ数年、下の方の勝負してたから落ちる恐怖とだけ
戦ってるだけで1年が終わりますから、逆に勝てば優勝とか
幸せな勝負とか期待していませんでした。
落ちなきゃ良いやと思ってました。
現実に落ちそうになって落ちることばっかりだったから。
もう今後は優勝とかは無いですよ。
爽やかな顔して是非またとか、そんな元気は無いです。
いつ引退しても悔いは無いほど僕は実績積んでるから。
活躍できてもあと数年です。
それまでは飛車振ってても大丈夫でしょう。













































