個人的には一番面白い将棋珍本だと思います。

 
 
どんな本かも知らずブックオフで105円で買いました。

 
 
カバーの裏には穴熊度判定クイズ(全6問)が印刷されています。
Q1 筆者の愛称はどれか? 1 ミマグマ、 2 アナグマン、 3 クマゴロー
Q3 唐突だが筆者の愛妻の名は?
Q4 最もクマり難い戦型は? 1 角替わり棒銀、 4 相横歩取り
Q6 居飛車穴熊VS振り飛車穴熊を俗に何と呼ぶ?
1 両穴熊、 2愛穴熊、 3 将棋の純文学、 4 将棋のSM小説
5 ぼくたち穴熊仲間、 6 相穴熊

<穴熊度判定>
全問正解者=穴熊王子(何故Q3を??)

 
 
<研究を外せ!>
研究通り潰されるより、作戦負けで済ませろ。
序盤巧者は終盤が甘いので穴熊に潜っていれば勝負になる。
△12香&△13角形に組め。

 
 
<超過激穴熊棒銀>
「矢倉にでも組み替えるか」とでも呟いて銀を
上がると効果的。
続いて「そうだ。俺は今日は棒銀をやりたかったんだ」と
▲28飛と飛車を回る。

 
 
<将棋は執念>
将棋道場で見かけた後手のスーパーウルトラ
デラックス超大必勝形である。
先手氏の諦めの悪いクソ粘りもこれまでかと思いきや…
先手氏「1回くらい王手をかけとこう」と▲82飛。
後手氏は「まだやるの?」てな顔つきで△32銀打。
先手氏、平然と▲89飛成。
後手氏、一瞬何が起こったか分からず目をパチクリ。
後手氏は動揺を隠せず、この将棋、先手氏の大逆転勝ちに終わった。
もうだめだと思っても潔く投了などしてはいけないのである。


 
 
<珍端攻めその1>
▲15同歩に△同角!!
先手氏(アマ準名人2回)は一瞬何が起こったか理解できなかった。
感想戦にて後手氏「角を上手く捌いたんだけど。。。」

 
 
<珍端攻めその3>
先手氏長考して脅威の継ぎ銀攻めである。
意表を突かれた後手氏は△同歩と取ってしまい
(こんなものは放っておくのが一番なのだ)
以下攻め潰された。
端の取り込みは銀一枚以上の価値があると言える。

 
 
<受けは根性>
穴熊の場合は根性の出し具合で、
普通は受からないものまで受かってしまったりするのである。
上図は将棋道場で見かけた将棋。
先手受け無しだが、先手のおっちゃんは
「くそったれ!」と叫びつつ、金を79の地点に
満身の力を込め、駒も割れんばかりに叩きつけた、
後手の気の弱そうな学生さんは、びっくりして
思わず△19龍と逃げてしまった。
もちろん△89馬とか△78銀で寄りだった。

 
 
<切れ負けテクニック 友達を失くす屈伸運動の手筋>
アマチュア将棋大会では運営都合により、
秒読みではなく、持ち時間切れ負けルールになっているケースが多い。
双方残り時間が切迫してくると玉の寄せ合いではなく
時計の叩き合いが始まることになる。
そこで大事なのは、有効な手を指すことではなく、
いかに早く駒を動かす(対局時計のボタンを押す)かである。
上図では▲37金~▲38金~▲37金~▲38金~▲37金…と
上下運動を繰り返すのが屈伸運動の手筋である。
▲26香から▲15桂とか▲37馬とか▲37銀とか
有効な価値ある手を指すことは、確実に1秒以上を
ロスしてしまうのでよろしくない。
駒を打ったり、取ったり、遠くの駒を動かしたり、
駒を持ち上げるような着手は時間がかかるのでNGである。
屈伸運動の手筋なら指一本の動作で済む。
ただし友達を失うのを覚悟で。

 
 
<切れ負けテクニック 大駒はくっつけて打て>
切れ負けルールでは格言も変わる。
後手玉は簡単な詰みだが、「大駒は離して打て」と
▲91飛と打つと△81歩▲同飛成△71歩▲同龍△61歩…
と連続の無駄中合いを食らって時間切れを狙われる。

<穴熊用語集>

●達人同士が指すと毎局あっという間に
定跡形が組みあがり、双方そこから考え出す。
これを俗に指定局面と呼ぶ。
●熊れば勝ち:穴熊に組めば勝ったも同然ということ。
穴熊にできなかったときの負け惜しみ
にしか聞こえない場合もある。
●感想戦:敗者の傷心を癒す為の儀式。
勝者は次回も美味しく頂く為に
「いやー、自信無いっす」と応じておくのが筋。
口惜しさのあまり、敗者が「感想せん!」と
帰ってしまうこともある。
●ハッチを閉める:みなしごのミツバチの首を絞める。