浦野真彦先生のハンドブックシリーズである

1手詰めハンドブック及び3手詰ハンドブック

のタイムトライアルに関する2021年のブロク記事に

松田圭介様よりコメントをいただいた。

『増補新版すなどけい 松田圭介詰将棋作品集』(2021年)を

是非ご一読下さいとのこと。

お勧めいただいた理由を知るには実際に作品集を手に取って

みるしかないので取り寄せてみた。

 

 

左が北海道IT出版株式会社様から2012年に出版された

『詰将棋作品集「すなどけい」』。

A5判全123ページ税抜き1200円全100問。

右がつみき書店様より2021年に出版された

『増補新版すなどけい 松田圭介詰将棋作品集』。

 

 

2021年増補新版を新書(右)と並べてサイズ比較してみた。

 

 

2021年増補新版は新書よりも横幅のみ49.85㎜短い。

全160ページ税抜き1364円全150問。

2012年版に掲載されていた、それカットしない方が良かったんじゃね?

なエピソードが2021年増補新版では大幅に端折られてもいるので

2021年増補新版は50問問題数が増えただけの上位互換では無いと感じる。

 

 

まずは2012年版の装丁からチェック。

カバーデザインは「タジマコウコクシャ」様という

クレジットになっている。

将棋盤も柾目が確認出来る感じでは無く、

将棋駒も気乾比重の軽いイタヤカエデ相当の木材で作った

安価な駒裏朱の源平仕様の書き駒に見える。

 

 

表紙の駒の配置は持ち駒無しの詰将棋のようなので

解いてみる。

表紙に掲載するくらいなので自信作ではあろう。
こういうのは『武市式』で探索するに限る。
玉の動ける場所はゼロ。
攻め駒の重複する玉の弱点は
1一、2二、3二、3一だ。
王手の数は
桂馬が2種、
金が2種、
馬が2種、で
計6種あるが初手に桂馬と金が動く王手は詰まない。
攻め方の銀は動きようが無い不動駒だ。
玉方の桂馬は質駒では無く最後まで玉の退路を塞ぐ邪魔駒のはず。
4ニの銀が居なければ▲4三馬の一手詰めだ。

 

 

ということで初手は▲5四馬と合い駒請求。
合駒に歩は二歩で打てない。
何を合駒しようと▲4三同角成△同銀と上の写真の局面まで進む。

つまり、この写真の局面で1手詰みにならない持ち駒を

考えたら良い。

桂馬は▲1三桂と桂頭に打つと一手詰だ。

前に駒の利きがある駒は2ニの頭に打って詰む。

ということで合駒は消去法で角と分かる。
 


初手より▲5四馬△4三角合

 

 

▲4三同角成△同銀となったこの局面が初形図と変わらない。

この写真の局面で王手の種類は5種類。

桂馬を成り捨てると詰まない。

玉方の銀の利きに打つ▲3ニ角及び▲3二金は

いずれも△同銀と取られて詰まない。

 

 

ということで脈がある王手はこの盤上の金を捨てて

玉を掛かり駒の銀に近づける▲2ニ金の1択だ。

 

 

△同玉の局面。

馬で王手しないと詰まないので

 

 

桂頭に▲1三角。

玉の逃げ場所は2択。

 

 

1)△2一玉なら桂馬が左右挟撃の形で利いているので

▲3一角成で一手詰である。

 

 

2)△4ニ玉と逃げると▲3一角成の一手詰だ。

この問題に取り組むためにはこういった枝葉の

詰み上がりの変化の駒の利きを反射神経良く

頭の中でサクサク把握できることが大前提だ。

特に把握しにくい桂馬の駒の利きに目が慣れることが重要である。

 

 

続いて2021年増補新版の装丁を見てみる。

「装丁:羽前」とクレジットされているが

印刷製本の銀河書籍様のスタッフ様であろうか?

よく分からない。

将棋駒のイラストは駒天の角度が鋭角なので

将棋に詳しくないイラストレーター様の

手によるものではあるように思う。

 

 

脚付き将棋盤の脚もリアルなタイトル戦仕様を模して

クチナシの実(実際は六角形)型の八角形には描かれていない。

 

 

裏面。

 

 

 

 

高級な将棋駒は角駒箱に直接入れずに

茶道の仕覆型駒袋に納めた上で、木製駒箱にインするものである。

 

 

リアルな将棋駒はこのように勾配になっている。

 

 

脚無し卓上三寸将棋盤の升目が9×9と

リアルに描けている点は素晴らしいが、

 

 

こういう将棋に詳しくない方が適当に描いた

駒の配置に見える。

著者の松田様の意図に沿わぬ表紙に

なってしまった可能性も否定できないが

著者の松田様は将棋は指せれば

将棋の駒も盤もチープなものでも何でも良い

ご主義なのかなあ?と思ってしまった。

 

2012年版の巻頭著者近影カラー写真はスーツにネクタイの

真顔で履歴書写真風だ。

2021年増補新版巻末モノクロ写真は連盟役員一覧の故・米長邦雄会長

(笑顔&ダブルピース姿だった)

のように笑顔の右片手ピースサイン姿でハッちゃけている。

松田様は故・角建逸さんみたいに陽気なお人柄なのであろうか?

 

2021年増補新版の松田様のプロフィールは

1967年北海道根室市に生誕のみしか

記載されておらず簡潔だ。

2012年版は生年月日の記載もあるが

もう少し補足しておこう。

 


1967(昭和42)年8月4日生まれ(2026年5月現在58歳)。
故・角建逸さん(昭和32年生まれ)よりも10歳お若く、
『四百年一局集』から登場する近年の作家様だ。

工業系の短大に進学するも中退し、最終学歴は北海道中標津高等学校卒業。

「9手詰マスター」を自称し、9手詰作が多い。
札幌市在住。
ご職業は団体職員。

AIによると非営利企業っぽい。

ペンネームもしくは雅号は「けいたん」。

『圭たん』か??

初入選もしくは初出題は1991(平成3)年「将棋ジャーナル」7月号(23歳)。
北海道中標津町(なかしべつちょう)の冬の小学校の教室では将棋でも
指すよりなく、将棋が流行し、小学生高学年で将棋を覚えた。
学校ではすぐに負け知らずになり、町の大会でも優勝した。
高校2年時にラグビー部に入部し、指将棋とも詰将棋とも離れたが
進学してまた将棋にのめり込み、札幌将棋センターで

小学生の清水上徹(とおる)さんともよく指した。
23歳で神奈川県平塚に就職後は湘南将棋道場に通って
指将棋を指さずに長山聡さん、川口信博さんの三人で

詰将棋談義をするようになった。

この時期に郵政外務員に合格し転職したと書かれている。

バイクや自動車で郵便物やゆうパックの配達、集荷を行う仕事らしい。
そして関東生活10年後に札幌に戻り故・新井田基信さんに会い、
2003年3月(35歳)から北海道将棋連盟でホームページに毎月1題の懸賞用詰将棋を

ひいひい言いながら作り続けて掲載するようになった。(2009年12月42歳まで)
新井田さんは詰将棋界の人間では無いので
高度な構想の作品を気に入らないからと没にされることもあり、

その点は少し悲しかった。
2010年2月19日に新井田さんが48歳で亡くなり、

東日本大震災(2011年3月11日)も発生し、将棋どころではなくなり
また30代限界説みたいに詰将棋のアイデアも浮かばなくなり、
詰将棋熱がすっかり冷めてしまった。
棋力は四段。

駒師の寛月さん(指し将棋は引退していない)、

熊澤良尊さん、故・増山雅人さん(将棋駒の魂入れの

儀式等では指されていた模様)のお三方も同じくアマチュア四段だ。
指し将棋に限界を感じ指し将棋から離れる方も多い印象を受ける。
しかし、最近年は将棋の戦法はガラリと変わってしまった。
びりたんとしては是非松田圭市様の指し将棋の棋譜も
拝見させていただきたい、と思う。

天野高志さん(1967年生まれ)のお話から察するに
アマ四段なんてものは並みの打ち込み方ではなれないものと思われる。
才能もあるだろうが、相当な将棋星人として指し将棋にも皆さん、
多大な時間をつぎ込み代償を支払ったはずだ。


好きな詰将棋作家は12歳年下で大学数学教授の三角淳さん(1979年1月7日生まれ)。
詰将棋界にひとこと:「明るく楽しいイメージを!」。

夏目漱石さんも「虞美人草」1907(明治40)年で『気狂の 発明した詰将棋の手を、
青筋を立てて研究しているようなものだ』と表現されてるし、
「盤上のパラダイス」(1988年)に描かれてもいるように

「詰キスト」の世界は失礼ながら決して明るく楽しくはないイメージと

言わざるを得ないのでしょう。

ひと昔前は幼少の頃にご病気だった方も多かった印象ですし。

 

高校時代に伊藤果八段の「詰将棋の創り方」(1983年)を読んだ。
自分で詰将棋を創作するという発想は無かったが
不思議と本書を読んで駒に触れているだけで詰将棋が出来た。
詰将棋投稿を始めたのは対価を得られるというのが最初の動機だった。
昔は何となく左派的で政治的に色々感じるところもあった。

ノンポリの姿勢ではあったものの、

心の中は改革派のアングリー・ヤングマンだったということでしょうか?
しかし全共闘世代とかじゃなく、バブル世代だ。
中学生の頃に、内藤国雄九段が歌手、詰将棋作家、タイトルホルダーとして
活躍されており多大な影響を受けた。

人生論では米長先生の著書を読み、少し悪影響を受けた。

 

趣味は音楽:大塚愛さん(1982年9月9日生まれ)とモーツァルトさん。

 

 

 

 

 

 

 

【大塚愛さん】
松田圭市さんより15歳年下である。
松田さんは4年生大学卒業頃に小学生1年だったほどの
年齢差のある女性が紡ぐ歌が好みということになる。
大塚愛さんは2010年にヒップホップグループ「RIP SLYME」の
SU( 1973年11月20日)さん(結婚は二度目)とご結婚。
2011年3月長女出産。
旦那の誕生日の2018年11月20日に「幸せな毎日から、耐え難い毎日まで、
とても一言では伝えられませんが」と離婚を発表。
長女の親権は大塚愛さんだそう。

 

 

 

 

 

モーツァルトさん役の方が仮面舞踏会に参加された際の

当時としては下品であったらしい甲高い高笑いシーン。

アーッヒャッヒャッ(笑)

 


 

【Wolfgang Amadeus Mozart

(ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト)さん】

松田さんが引用されておられる。

『モーツァルトさんを知りたければ映画「アマデウス」(1984年156分)を観ろ』

とのことなので鑑賞してみた。

フィクションには興味が無いのでどこまでが史実に忠実で

衣装とか車椅子とか演奏会の雰囲気とかどこまで時代考証は正確なのだろう?と、

そこが気になった。

1756年1月27日~1791年12月5日(35歳)。

第9代将軍徳川家重さん時代~第11代将軍の徳川家斉さん時代までの人だ。

国籍はオーストリアだ。

オールラウンダーで作品数は全626作。

聴いたことがある曲はこの4曲(びりたん比)。

「K●●●」というのは作曲順整理「ケッヘル番号」のようだ。

 

 

1)「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(小さな夜の音楽)
原題:「Eine kleine Nachtmusik K.525」1787 年(31歳)
分類は夜の野外音楽のために書かれたセレナード。

 

 


2)「ピアノソナタ第11番第3楽章トルコ行進曲」

原題:「Sonate für Klavier Nr. 11 A-Dur KV 331」

トルコ音楽が当時流行しており、

楽譜に「alla turca( アラ・トゥルカ)」(トルコ風)

というモーツァルトさん自身の演奏指示が入っていることに起因。

作成年は1778年(22歳)説と1783年(27歳)説とあり。

 

 

 

 

3)「交響曲第40番 ト短調 K. 550」
原題:「Sinfonie Nr. 40 g-Moll KV 550」
1788年(32歳)。

 

 

 

4)「ピアノソナタ ハ長調 K. 545」
原題「Sonate für Klavier Nr. 16 C-dur KV 545」

ただしモーツァルト自身が書き残したタイトルは

「Kleine Clavier-Sonate für Anfänger

(初心者のための小クラヴィーア・ソナタ)」

1788年(32歳)。

 

映画で描かれた奇人(?)な部分も含めて松田様はモーツァルトさんを

お好きなのだろうか?と思ってしまった。


ドイツ語の6声カノン形式の声楽曲「Leck Mich Im Arsch, K. 231」(1782年)。
Leck mich im Arsch!(直訳:俺の尻をなめろ→罵倒語:くそくらえ!)
Lasst uns froh sein!(喜びましょう!)
Murren ist vergebens!(文句を言っても無駄だ!)
Knurren, Brummen ist vergebens,(唸り声や鼻歌は無駄だ)
ist das wahre Kreuz des Lebens.(人生の真の十字架)
Drum lasst uns froh und fröhlich sein!(だから、喜びにあふれ、楽しく過ごそう!)
Leck mich im Arsch!(俺の尻をなめろ!→消え失せろ!)

 

 

 


(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)

 

全150問を

1)初形図を見て解きたいと思った問題は答えを見ずにトライしてみた。

 

 

2)座談会で用いられていた言い回し=『解く気もしない』初形図の問題も

3〜5手詰及び11~29手詰めまでは解答手順を全問盤に並べてみた。

13~29手詰までは『解く気もしない』初形図だらけで

A)離し角、離し飛車の王手に合駒(桂、角、銀、飛など)

B)打ち歩詰打開の飛不成

がとても多い印象で盤に並べるのは苦行だった(笑)

7~9手詰めも全問並べる予定だったが1週間ほどの空き時間を費やして

疲弊したので、意地を張るのを止めた。

 

 

【3手詰】

2012年版:3問→増補新版:7問(双玉3問含む)。

 

 

旧版第1番(新版第1番)の詰め上がり。

これは良い問題と思う。

 

 

その他の3手詰め2021年増補新版6問は正直に言ってどれも好みでは無い。

これは2021年増補新版第4番(旧版第4番)の詰め上がり。

将棋ウォーズ2級くらいの方は詰み上がっているこの局面を前にして

駒の利きを把握するのにしばしフリーズします(笑)

 

 

こちらは新版初収録第7番の双玉問題をびりたんが

説明用に部分図にしたものだ。

ここで攻め方は▲3三桂不成と桂馬を跳ねて

角の利きを通して開き王手をする。

しかし、将棋ウォーズ2級くらいの方々は駒の利きに

目が慣れておらず互いに読み筋が一致して

遠見の角の開き王手に気付かずスルーする可能性がある。

タダやんも連発するぐらいですので。

ということで▲3三桂不成は4一の角取りの手と思い込んで

角を逃げるかもしれない。

また開き王手と気付いても2三に合駒する手を

読んでしばしフリーズすると思う。

 

 

【5手詰】

2012年版:3問→増補新版:5問(双玉1問含む)。

 

 

5手詰めの旧版第5番(新版第9番)の途中図。

将棋ウォーズ2級の方なら

1)▲4三龍(龍当りなので飛車取りの先手と逃げる)

2)▲6三龍(龍当りなので飛車取りの先手と逃げる)

3)▲2三同馬△同銀▲1四金△1ニ玉

(実際に手を進めてみてから、ようやく詰まないことに気付く)

の三択だろう。

 

 

【7手詰】

2012年版:21問→増補新版:28問。

※2021年増補新版20問のみは改作。

銀不成の連続の四銀図式(旧版第28番)は増補新版には

唯一収録されず。

理由は分からない。

 


【9手詰】
2012年版:58問→増補新版:70問。

何で2012年版から2021年版に変わって

出題順がバラバラになったのだろう?

 

旧版第33番(新版第44番)は実戦形にも見えるが銀の移動合も

あって難しい。

 

 

旧版第71番(新版第65番)は、この桂を打つ変化は勉強になるなぁ。

 

 

【11手詰】
2012年版:9問→増補新版:16問(双玉1問含む)。

 

旧版第85番(新版第111番)は実戦で生じてもおかしくない

初形図に見えるが、簡素図としては名局らしい。

ひと升遠ざかる龍の王手が見えづらいのか

奨励会員でも手こずる者もいて、

大道将棋で使えるほど難しいらしい。

(この部分の記述は増補新版ではカットされてしまっている)

 

 

【13手詰】
2012年版:6問→増補新版:7問。

 

旧版第91番(新版第131番)は普通に良い問題と思う。

 

 

 

【15手詰】
2012年版:3問→増補新版:7問。

 

 

【17手詰】
2012年版:2問→増補新版:4問。

 

【19手詰】
2012年版:1問→増補新版:2問。

 

 

旧版第100番(新版第146番)19手詰の途中図。

片上大輔七段が次の▲1三金が見えずに

3日悩んだと記載されている。

2021年版ではその片上七段のエピソード部分は

端折られている。

確かに香車に打ち替え、香車の利きを1ニまで利かさ

ないと詰みそうに無い。

角の斜め後ろの利きで3ニの地点に利かす角の中合も登場し

難しい。

最後は駒不足で不利感のある中、

盤上の桂馬を跳ねての吊るし桂。

 

【23手詰】
2012年版:0問→増補新版:1問。

 

【25手詰】
2012年版:0問→増補新版:1問。

 

【27手詰】
2012年版:0問→増補新版:1問。

 

【29手詰】
2012年版:0問→増補新版:1問。

激ムズ。

解説も多くは無いし、どうしてそういう手順になるのかを

AI使っても研究するとなると膨大な時間がかりそう。

 

創作性が高い詰将棋問題に関しては著作権が発生するらしいので
既にネットで他の方が問題をアップされておられる
増補新版からの第129番(旧版第93問)に限定して初形図を

取り上げさせていただくことにする。

 

 

3四と4五の銀は不動駒で、「玉は腹銀の形に誘え」で
吊るし桂の詰め上がりの予感のする初形である。
『実戦に現れやすいごく普通のありふれた形』では無い。
個人的には初形をぱっと見て解きたくなる形では無い(笑)。
ただ、頭の中で駒を動かす練習にはなる。
桂馬や銀の駒の利きに目を慣らすための
良い訓練にはなる配置とは思う。
また二枚落ちで上手に勝つにはこの程度の駒の利きは
把握して読み切らねばならぬように感じる。

 

 

入玉阻止で龍の横利きを通すのが急務なので

初手は銀捨ての一択だろう。

 

 

△1四玉と逃げると吊るし桂の一手詰め。

 

 

△1六と逃げても吊るし桂の一手詰め。
3六銀&3五銀の銀多伝の形は2五、2六、2七を
封鎖しているという駒の利きに目が慣れることが大切だ。

 

 

なので△同玉の一手に入玉防止に1六にも利かせて
▲4八桂ではなく▲2八桂と打つ。

 

 

△4五玉と逃げると、またまた吊るし桂の一手詰めなので

 

 

△2五玉の一手に▲2七龍と回る。

 

 

△1五玉と腹銀の位置に逃げると「腹銀」が

玉の上下挟撃の封鎖駒になっているのでこの

▲2六桂打ちに

 

 

△2五玉に▲3六龍で詰む。

3五の銀の斜め後ろの利きと2八の桂の利きで

3六~2六~1六まで封鎖されているのだ。

 

 

ということで▲2七龍回りには何か合駒をすることになる。

 

 

どの駒を合駒しようとも▲同龍△1四玉と進むので
この局面で一番延命できる持ち駒は何かを考えると
合い駒が分かる。
答えは桂馬だ。

 

 

ということで龍回りに△2六桂合いに

 

 

▲同龍△1四玉と進む。
玉方の1九の飛車が動いて成ると
龍の守備力が絶大で詰みそうにない。
飛車を退路封鎖に呼ぶ問題では無さそう。

 

 

となると、持ち駒が桂馬2枚だし▲2五龍と捨てて桂馬密集型の
桂馬連打の吊るし桂の詰み上がりに違いない。

 

 

この問題は腹銀と桂馬の利きに目が慣れること、これに尽きる。
▲3七桂馬と王手するだけで玉の動ける升目はAの一か所しか無いのだ。

 

 

ということでAの位置に△1四玉と逃げる一手に
▲2六桂の吊るし桂の王手で逃げ場が無く13手までの詰みである。

 

(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)

 

【松田圭市様の詰将棋に関するお考え】

●タイムトライアルという詰将棋の特訓を否定するものではないが

本書は解けないという「ふがいなさ」を提供する目的で作ったわけではないので

無機質な時間ではないが、実用的という訳でもない、

砂時計をのんびり眺めるような、

解いてみて何となく気持ちの良い手順だったなと思ってもらえる

時間を提供できれば幸いだ。

「砂時計(hourglass)」の存在が確実に確認出来るのは

絵画に登場する南北朝時代らしい。

世界一周マゼランさん時代の航海では測定ツールとして活躍したそう。

すぐに機械式時計が発明され、実用としての

地位は失ったみたいなので、何故現代まで伝わっているのか

不思議だ。

●創作詰将棋も絶対に実戦の役に立たないとはいえない。

私は詰将棋の世界では保守的であり、

私の詰将棋のターゲットはやはり将棋ファンと言える。

ただ、詰将棋が実戦のトレーニングだけだと思われると

私の棋力では立つ瀬がない。


詰将棋嫌いの将棋ファンも多いので

そういう方まで広くターゲットにしてしまうのなら

どうかなあ?とは思います。

●昔は実戦に現れないような初形図をむしろ積極的に作りたいと考えていた。

詰将棋は実戦と別物なので特に実戦型にこだわらない

というのがポリシーなのだが、最近は実戦型で表現できるのなら、

それに越したことはないと柔軟に考えている。

●私は詰将棋原理主義者なので

将棋が強くなるために役立つ詰将棋なんて存在しないし
あってはならないと思っている。

詰将棋で将棋が強くなるなら私ももう大駒1枚強くなるはず。
●「実戦型に好局なし」と詰将棋マニアには言われることもあり、

詰将棋作家は実戦型で表現できることはもはや少ないと考えており、

指将棋が詰将棋の何の役に立つのだ?と考える人もいる。

●チェスプロブレムはチェスの実戦から生まれたもの。

しかし、将棋はまず、詰将棋が先にありきで設計されたゲーム

ではあるまいか?と考えないと説明がつかない

詰将棋の傑作がたくさんあるように思える。

 

(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)

 

【びりたんの創作詰将棋に対する考え等】
●びりたんは元は詰将棋アレルギーで詰将棋は嫌いだった。
棋士でも実戦の詰みは逃さないのが不思議なほどで詰将棋が苦手で嫌いで、
必要なので取り組んではいるものの、
解けない難しい問題は取り組むのがストレスという方もいらっしゃる。

浦野真彦八段も1分だか3分だか考えて解けない問題は

すぐに答えを見ると話されていたように記憶している。

低級位者には特に、かつてのびりたんのように
詰将棋アレルギーな方が多い印象を受ける。
アマチュアは特に将棋が楽しいと思うことが重要で
将棋嫌いになってしまっては元も子もないので
「王手は追う手」が楽しい方は、詰将棋になんて取り組まずに
毎回、王手で玉を安全地帯に逃がすお手伝いを繰り返し、
楽しんでくれたら良いと思う。
●詰将棋嫌いのびりたんが変わった理由は四枚落ち指導対局である。
詰将棋に取り組み、射程距離を長くしておかねば、

勝てないことに気付いたのだ。
駒落ちに限らず、平手の戦法書を読む際も

業界標準の終盤力が必須である。
●良い時代になったもので、ネット将棋で詰みがあったのに
プレイヤーが逃して指せなかった局面を問題として
次々出題してくれる「実戦!詰めチャレ」というアプリがある。
複数の詰み筋があることがあり、
不要な駒配置も、余分な持ち駒もある。
玉方の持ち駒も残り駒全部では無いので確認の必要がある。
美濃囲いの囲いを生かして囲いを崩して詰ますような出題もある。

どのレーティング層が誤答するかの統計によって難易度も数値化されている。
指将棋上達の素晴らしいツールである。
数多くの問題に取り組んでいると実戦の詰みは
俗手と妙手の組み合わせが多いことが分かって来る。
唯一の悪い点は実戦と違って詰むと分かっているので
30秒の秒読みで読み切れずとも、詰むとしたら
この手に違いないと見切り発進&AIの応酬次第の出たとこ勝負で

手を進めてしまうゲームである点だ。
リスクのある寄せは断念せねばならぬケースの多い実戦とは異なる。
●現在のびりたんは「実戦!詰めチャレ」で最高は三段である。
村山隆治さん(1923年7月17日~2013年3月89歳?)の
「基本テクニックオールガイド 詰将棋手筋教室」(2000年)
が一般的に名著として有名と思うが、指将棋の出るパタ習得には
オーバースペックなパターンも含まれる。

 

 

石川達三様の「詰将棋入門」(1985年)も

創作詰将棋作品集入門なところまで広げ過ぎてしまっている。
ということで今手始めに取り組もうと注目しているのは
「將棋月報」等に記事を掲載されておられた前時代の
宮本弓彦三段の終盤本著書群である。
宮本弓彦三段:明治44年東京生まれ。
【著書一覧】

 

 

1939年「凡棋亭漫語 第一輯」(「將棋月報」掲載の
「將棋日誌」、「詰將棋が解ける迄」を百項のみ集めて掲載)
1942年「凡棋亭漫語 第二輯」
1952年「新しい指し方 将棋入門から初段まで」梶一郎八段との共著 
1953年「定跡活用 将棋の勝ち方」梶一郎八段共著
1954年「すぐ応用のきく 将棋の詰め方」塚田正夫九段共著
1956年「詰将棋の秘訣 将棋の寄せ方」塚田正夫九段共著
1957年「将棋の勝ち方」
詰将棋以前の
1)やさしいおぼえやすい手。
2)置き駒のかずがすくなく持駒もすくない見やすい形。
3)実戦に現れやすいごく普通のありふれた形。
な原型的問題を指南して下さっている。
実際の生きたプロの終盤の解説もして下さっている。
●指将棋の詰み筋においても創作詰将棋の収束の詰み筋においても
詰将棋以前の原型的問題“試験に出る詰将棋”は共通で変わらない。
優先順位の問題と思う。

まず業界標準の出るパタの習得が必須なのだ。

これを習得していないと松田様の作品群等はストレス以外の

何物でも無い難問であると思う。

 

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『実戦!詰めチャレ』の30秒以内で解けず

感心してスクショしておいた問題のひとつがこちら。

 

 

この▲7四桂と打っただけで後手玉が狭いということを知らなかった。

 

 

△7一玉と逃げると▲6ニ金の一手詰めである。

桂馬は左右挟撃の形によく利くのだ。

 

 

なので△7ニ玉と逃げるが飛車の利き筋に打つ▲6一角が気付かなかった。

 

 

△同飛と取ると桂馬が左右挟撃の形で利いており、

6ニの逃げ道を塞いでいるので▲8ニ金の一手詰である。

詰将棋はとにかく桂馬の利きに目が慣れることが重要だ。

 

もうひとつ、びりたんが振飛車党に転向したばかりの頃の

将棋倶楽部24での実戦の詰み筋を取り上げる。

 

先手:びりたん
後手:相手
▲7六歩    △8四歩    ▲6八飛    △8五歩    ▲7七角    △1四歩
▲1六歩    △8四飛    ▲7五歩    △1三角    ▲5八金左  △5四飛
▲4八玉    △7四歩    ▲同 歩    △同 飛    ▲7八飛    △7六歩
▲6六角    △3五角    ▲3八玉    △6二銀    ▲6八銀    △7三銀
▲7七歩    △同歩成    ▲同 銀    △6四銀    ▲7六銀    △6五銀
▲7五銀    △7二飛    ▲5五角    △7七歩    ▲同 飛    △4四角
▲6六銀    △7六銀    ▲7三歩    △7七銀成  ▲7二歩成  △同 金
▲4四角    △同 歩    ▲7七桂    △6九飛    ▲4三角    △4五角
▲6一飛    △4二玉    ▲4一飛成  △同 玉    ▲5二金

 

 

 

玉の退路を封鎖するために玉頭に駒を打ち込む

空間を空けようと▲4四角と指した。

 

 

▲4四角と退路封鎖に角を打つ手に

お相手さんは危険度に気付かず

△4五角と打ってきたので

▲6一飛の王手に飛車を打ち△4一玉と逃げた局面。

 

 

打ったばかりの飛車をズバッと叩き切って詰めに必要な

質駒の金を入手しつつ玉を下段に落とす。

龍の利きが4三の角を取らせぬように

利いているのもポイントだ。

 

△同玉の一手に、角が3ニの退路を封鎖しているのがポイントで

▲5ニ金の一手詰である。

びりたんはレベルが低いので美しく爽快感を感じる

詰手順の二例はこの程度である。

棋力相応でもあり、個人の感性の問題なのでどうしようもない。

 

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●増田康宏八段の「詰将棋意味無いです」発言もあったが
藤井聡太さんの群を抜いた活躍で指将棋の強さと詰将棋力
が関連することが証明された気がする。
藤井さんは大橋本家八代目当主大橋宗桂さん作の創作詰将棋、
41手趣向詰めを脅威の26秒で解いていた。
詰将棋駒の配置の読み上げ途中で詰将棋創作能力も生かして
解答するスキルもある。
糸谷哲郎八段が藤井さんは子供の頃に目隠し詰将棋に取り組まれており、
脳内将棋盤に頼らず符号で手を読むそうなので他のプロよりも
深く掘れるのでは?と分析されていた。
これまで強さの証明とされて来た脳内将棋盤は

CPUの無駄遣いではあるまいか?と。
びりたんも藤井さんの活躍に影響を受け、創作詰将棋も
例えば馬鋸とか、どういうパターンがあるのかは

言語化に長けた、説明上手な方のお話に耳を傾け

俯瞰して勉強したいと思うようになった。
●森下卓九段が電脳戦時にリアル盤駒を使わせてもらえば
ミスが減らせるのでAIに負けないとおっしゃって
試験対局をされておられた。
プロでも脳内将棋盤で考えるより、
リアル盤駒を使った方が棋力が上がるということだ。
藤井さんは数手進んだ局面を他の棋士より
クリアに把握できるから圧倒的な成績を
納めることが出来ているものと分析されているようだ。
頭の中で数手進めた局面を想像することが手を読むことであり、
詰将棋はその練習になるという効能もあると感じる。

 

 

そんなこんなで

優先順位の問題で、まだ取り掛かれていないのですけれど

色々持ってはおります。