これまたYCVプレスの9月号に掲載された僕の失恋ストーリーです。…………………………………………………………………………………………………さて今回は近所に住む、もうひとりの由美子ちゃんにもフラれたお話です。近所に住んでいるということで由美子ちゃんの存在はかなり前から知ってはいましたが、小さい頃から一緒に遊ぶどころか、口をきいたこともありませんでした。でも、恋って不思議ですよね。高校3年生のとき、通学の際、反対側のホームで電車を待つ彼女の姿を見て、突然意識し始めてしまったのです。それからはもう彼女ひと筋。ところが元来、女性には大変奥手だった僕は彼女に好きだと伝えられませんでした。それで一年後に一念発起。何と彼女への思いを綴ったラヴ・レターを書いたのでありました。生まれて初めて書くラヴ・レター。文面は勿論、使った便箋も封筒も全く覚えていません。ただ どうやってそれを渡したかだけは生涯忘れることはありません。彼女の家は和菓子屋さんを営んでいました。そして彼女は良くお店を手
伝っていました
。だからお客を装って彼女が店番をしているときに渡せばいいと考えました。そして作戦決行となりました。ガラスのショーケース越しに白衣が見えます。彼女が座って何かを、恐らくはレジのコンセントをつなぎ直していたのでしょう。(よしっ、今しかない!)僕は意を決してショーケースの前に立ちました。「あのう、すみません…」次の瞬間です。「いらっしゃい」そう答えて立ち上がったのは、何と彼女のお父さんでした!(えっー!!)極度の緊張から、彼女とお父さんの区別もつかないほど、このときの僕は舞い上っていました。そうとは知らないお父さんは笑顔で「何にします?」と僕にきいてきました。僕も後には引くことが出来ず、勇気を振り絞ってラヴ・レターを差し出しました。お父さんの顔からみるみるうちに笑顔が消えました。一週間後、彼女から手紙が届きました。「ごめんなさい。私には他に好きな人がいます」我が青春の苦き想い出です。