今昼、後輩と車に乗っていたら、2台前を行く車が路肩から飛び出した猫を轢いてしまった。次の車がその猫を避けて、僕らの車も避け、その猫を見たら、まだ生きているではないか。
僕らは車から降りて、急いで猫に駆け寄り、抱きかかえて路肩から続く、公園へと運んだ。
後輩が猫の胸に手を当てる。
僕はその横で、保土ヶ谷区役所に連絡。応対に出た職員さんがたまたま事故現場近くに詳しい方だったため、近所の動物病院の場所を教えてくれる。
と、そのとき後輩が僕に向かって、
「ビリーさん…」
と首を横に振り、猫の死を告げた。
区役所の方から清掃事務局の電話を教えてもらい事務局に連絡したところ、担当者が亡きがらは業者が取りに行くから、その公園の住所だけ教えてくれとのこと。
「えっ?亡きがらをこのまま放置してなんていけませんよ。だいたい何時頃になるか業者の方に聞いてもらって、また折り返し連絡もらえませんか?」
「いや、横浜じゅうを回っているから、時間はわからないんですよ」
と。
「じゃあ、今から僕らが亡きがらをそちらに運びますよ」
となった。そりゃそうだ。置いてなんかいけるはずないじゃないか。
亡きがらを、荷台にたまたま積んであった段ボール箱に移したとき、猫の鼻と口から血が溢れ出た。内臓破裂だったのかもしれない。
お腹には、赤ん坊を育てたのだろう、乳首がいくつもあった。
母親を待つ子猫の画が浮かぶ。
泣きそうになった。
20分後、事務局の係の人に亡きがらを渡す。
聞けば、きちんと荼毘(だび)にふされるのだという。昔は生ゴミと一緒に焼却されたと思ったが…。今は違うとのこと。不幸中の幸いとでもいうべきか。
もうひとつ不幸中の幸いといえば、後続車に踏まれることなく、形あるままで天国に行けたということだ。
でも、とにかく切なくてたまらない。本当に切ない。命は尊いもの…。それを実感させられた。