昭和への郷愁から、世は復刻ブームである。
『アラビアン焼きそば』なる、インスタント食品も、そのひとつである。
外袋のインド人形が懐かしい!
“不思議な位おいしく出来ます”“摩訶不思議!?香ばしくスパイシー、たまらない味わいアラビアン”というキャッチコピーも昔のままだ。
カギっ子だったビリー・オヤジにとって、このインスタント焼きそばは、日清のソース焼きそばや、サッポロ一番と並んで、日曜日の昼ご飯の定番ともいえる存在の食べ物だった。
フライパンに湯を沸かし、水気がなくなるまで麺を煮て、最後に粉末ソースを混ぜて出来上がり、という小学生でも簡単に作れてしまう優れものだった。
ただ一度だけ、この焼きそばを作っての苦い思い出が僕にはある。
あれは小学3年生のときだった。
いつもどおり、この焼きそばを作っていたら、ガスの火がフライパンのベークライト製の柄を焦がし、危うく一酸化炭素中毒になりかけたのだ。幸いにも、今までに掻いたことがない妙な臭いがしたということで、すぐに火を止め、窓も少し開いていたことから、大事には至らずに済んだが、ふらふらになりながら、座敷に横になったのを今もはっきりと覚えている。
そんな子供時代の苦い思い出を、このパッケージは僕に思い起こさせてくれた。
40年ぶりに食べたアラビアン焼きそばの味は、インスタント食品もグルメ化してしまった現代においては、決してうまいといえるものではなかったが、それでも“昭和の良き時代”の格別な味がした。それが僕にはうれしく、それこそが、こうした復刻版に求める味なのである。
