昭和30年代、一世を風靡した我が国のロカビリー旋風の中、平尾昌晃のオールスターズ・ワゴンらと共に、人気バンドのひとつだったスイング・ウエストで、リード・ヴォーカルだった清野太郎というロカビリー歌手は、日本での歌手活動のあとハワイに渡り、地元のナイトクラブで歌っていた。
そんな彼の許に『ブルー・ハワイ』の撮影でハワイにやってきたエルヴィスと会うチャンスが訪れる。彼は知り合いの人間がバスの運転手をやることを知って、以前から憧れ続けていたエルヴィスに何とか会わせてもらえないかとその友人に頼んだ。
そしてめでたく会うことができたという訳だが、自分は歌手をやっていると自己紹介した清野に対し、エルヴィスはそれなら何か歌ってみろと言ってきた。
そして清野はアカペラで〈ハウンド・ドッグ〉を歌った。そしてノってきたエルヴィスはその歌に加わったという。
【深層その1】清野太郎に会ったとき、エルヴィスはキミも空手をやるのか訊いてきたという。エルヴィスは日本人は皆、空手をやるものだと思っていたそうだ。
【深層その2】エルヴィスに〈ハウンド・ドッグ〉を聴かせた夜、エルヴィスは清野にステージを観に行くことを約束した。が、マネージャーのパーカー大佐に外出を禁止されていたエルヴィスは自分の変りに、メンフィス・マフィア をよこした。
そのことを知って、清野はエルヴィスの律儀さに感服したという。