おはようございます。選挙結果は予想通りの自公圧勝でした。ダンも、もう知っているでしょうが、笑っているかも知れませんね。「なんて学ばない国民だ!」って。



 さて、今日は【ダン・S・ケネディの団塊シニアマーケティング容赦なき戦略 13】「団塊シニアマーケティングの強み 3」です。前回の記事では団塊シニアが長く集中力を保てることに注目したマーケティングが有効だとお話しました。今回は、「恩に報いる」ことを取り上げます。ダンの言葉です。


 「団塊シニアの大半はとても教養があり、責任感が強く、正しいことを行う人々だ。良き隣人であろうとし、恩返しをしようとする」。


 もちろん例外はありますが、概して団塊シニアは恩義に厚いのです。ですから、何かギフトが一緒に入った勧誘ダイレクトメールなどは、とても効果が上がるのです。

 
 例えば、届いた郵便物にちょっとしゃれたギフトが入っており、他には募金の勧誘状と宛名の入った封筒(もちろん切手不要)と募金が必要なことの説明書、そして今までのその団体の実績書が入っています。よくある勧誘パターンです。

 これらのうち、ギフトだけ抜き取って、その他をゴミ箱送りにできないのが、団塊シニアなのです。そんな無礼なことは誰かが見ていなくても出来ないことです。お天道様が見ている、です。

 ですから、彼らは説明書をしっかり時間をかけて読みます。一言半句読み落とさないように丁寧に、です。結果、勧誘状(セールスレター)に、説得力のある内容が書かれていれば(勧誘状はたいてい、説得力があるものですが)、寄付をしても良いかな、と思い始めます。タダで、ギフトをもらうのは気が引けますから。

 これは以前、私のコピーライティングのブログで取り上げた、チャルディーニの「影響力の正体」に出てくる心理学的法則「返報性の原理」そのものです。人はタダでモノをもらうことに罪悪感を抱きやすく、お返しに何かを返したいものなのです。

特に、団塊シニアは子どもころから親に「何かもらったら必ずお返しをしなさい」と厳しく教えられて育ち、基本的に律儀ですから、その傾向が強いのです。


 さて、この「返報性の原理」ですが、封じ込めようとするなら、最初のプレゼントを断ってしまえば良いのですが、そのために、手紙(不要ですから、お返ししますという内容の)を書いて、無料ギフトを封入して郵便ポストに入れるのも手間がかかります。

 それより、勧誘状の内容もそれなりのもので、家族にとってプラスになるものであれば、仮に「返報性の原理」で売り込まれていると感じても、勧誘に応じようかと団塊シニアは考えるものなのです。「正しきこと、良きことをなす」傾向がありますから。

なお、この傾向は比較的年をとってから再婚した富裕な団塊シニアでは、さらに顕著になることをダンが指摘しています。「2度目はうまくやりたい」ものですから、家族のためになるものであれば、勧誘に応じるハードルを下げる傾向にあるからです。



 今日の記事で、あなたが団塊シニアマーケティングにおける「返報性の原理」の有用性を学んだと信じます。

 次回は【ダン・S・ケネディの団塊シニアマーケティング容赦なき戦略 14】「団塊シニアマーケティングの強み 4」です。団塊シニアの礼儀正しさ・ルール遵守に注目します。お楽しみに。