バイク | 夢の!? インド生活日記

夢の!? インド生活日記

2011年8月にインド・デリーへ赴任した夫。12月には、私もデリーでの生活を始めました。夫婦共にインドでの留学経験があり、就職後もインド赴任を夢見て5年。
念願叶っての赴任…今回の生活はいかなるものに!?


9年前、インドに留学していた夫-寅次郎と私。



当時大学生で、英語のスピーキングを伸ばしたいのと、

途上国でボランティア活動ができるような留学先を考えていた私に、

ネルー大学院大学の修士課程に留学を決めていた寅次郎が

インドへの留学を勧めたのだった。



2005年から私は1年間、寅次郎は2年間、インド・デリーの地で学んだ。



留学時代に経験したたくさんの出来事や

様々なバックグラウンドを持つ友人たちとの出会いは、

私たちの価値観にも大きな影響を与えた。





留学した当初、生活の足にするため、寅次郎は1台のバイクを買った。


わずか110ccの小さなバイク。



メトロの開発が始まったばかりの当時のデリーでの移動手段は、

オート(三輪タクシー)か、バス。


オートは学生の私たちには少々高く、毎回の値段交渉も面倒。

バスは安いが路線が複雑なので、移動はいつもこのバイク。


時には激しいスコールに打たれ、

夏はじりじりとした太陽に焼かれ、冬には寒い思いをしながら

このバイクに乗っていた。


大気汚染がひどいデリーで30分も走ると

顔が真っ黒になったものだった。



そんな思い出深いバイク。



寅次郎が2年間の留学を終えるときに、

親しかったインド人の友人・スレンドラ君に安く売ったのだった。





それから4年の月日が経ち、インド赴任となった寅次郎。

再会したスレンドラ君は、まだ寅次郎のバイクを使ってくれていた。



先日、バイクでわが家に遊びにきたスレンドラ君。


試しにと、誠一郎をバイクに乗せて

近所を少し走ってみた。



・・・なんて不思議な。



他人には分からないかもしれないが、

9年前、学生だった寅次郎が乗っていたバイク。


将来に対する期待と不安を抱えながら

インドで勉強していた私たち。


留学を終えて就職、結婚し、インド赴任となって家族ができた。



その私たちの子どもが、思い出のバイクに乗っている・・。



学生のときには、こんな日が来るなんて夢にも思わなかったから、

バイクに乗る誠一郎を見て、妙に感慨深い気持ちになってしまった。




誠一郎も男の子だから、いつか私たちの元を離れて、

親から見ると危なっかしいようなことをする日が来るのかもしれない。



でもそれは私たちもきっと同じだっただろう。


インドなんていう、一見ワケの分からない国を留学先に選んで

学生生活を送る。


私たちも親にはとても心配を掛けたことだろうが、

今となっては、足りないながらも夫婦で力を合わせて

一つの家庭を築いている。


誠一郎が大学生になる頃には

私たちの理解が及ばないようなことをするのかもしれないけど、

自分たちの経験も振り返りながら

できるだけ大らかに受けとめていきたいものだと、

思い出のバイクに誠一郎を乗せて、そんなことを考えたのだった。