チャイ。
平たく言えば甘いミルクティーだけど、
ショウガやカルダモン、クローブなどで
香り付けされていて、独特ないい香りがする。
それに、辛~いインド料理を甘~いチャイが中和してくれて
とても相性がいい。
話はそれるが、
ヒンディー語で職業を表すときに、
「○○ワーラー」(=○○する人)と言うことがある。
チャイ屋は「チャイワーラー」
オートリキシャと呼ばれる三輪タクシーの運転手は「オートワーラー」
という具合。
前回紹介したセワマーケットの隣にある
コトラマーケットに、すごいチャイワーラーがいる。
何がすごいかと言えば、彼のチャイ作りの美しさ。
ただの街角にある小さなお店だが、
見ていて惚れ惚れしてしまう。
鍋にお湯を沸かし、茶葉と砂糖をサっと入れる。

小さな台と石を使って、ショウガとカルダモンを手早くつぶし、鍋に投入。

隣の鍋で温めたミルクを一滴たりともこぼさずに、移す。

沸騰したら、

鍋を大きく2、3回揺らして

やかんに注ぐ。

1杯7ルピー(約10円)のチャイが出来上がる。

彼はチャイしか作らないが、1日中ひっきりなしに
客がやってきては、チャイを買っていく。
通りすがりの客だけでなく、このマーケットで働く人たちも買いに来る。
客はみな彼に話しかけ、彼も忙しく手を動かしながら
楽しげに会話している。
「インド人は仕事が遅い」とよく言われる。
確かにその通りだと思う。
ただ時々、仕事の種別に関係なく、
このチャイワーラーのように「いい仕事してるなあ!」と
思わせるインド人に出会う。
なんでもない街角のチャイワーラー。
彼の作るチャイが、インド経済を支える商人たちに
今日もささやかな「憩い」を提供している。