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■■ 英語の歴史2
今回は、英語の時代の始まりと古英語の時代です。
● 英語の時代:5世紀半ば以降
■ 古英語(Old English)の時代:5世紀半ば~11世紀半ば
この時代の主なトピックス
・ゲルマン人がブリテン島に侵入:5世紀半ば
→ 英語時代の始まり
・ゲルマン系のデーン人がブリテン島に侵入:8世紀後半
→ 北欧の言語の影響を受ける
ゲルマン人がブリテン島に侵入してからノルマンの征服までが、
古英語の時代です。
5世紀の半ば頃に、ヨーロッパではローマ帝国は衰退に向かい、
ゲルマン民族の大移動が起こりました。
そして、ローマ人が撤退し、ケルト人が住んでいたブリテン島に
ゲルマン人のアングロ族・サクソン族・ジュート族が侵入し、
この地に定住します。
彼らが使っていたゲルマン語がいわば「英語の原型」となり、
この言語は一般に「古英語(Old English)」と呼ばれています。
「イングランド」という地名は「Angla + land(アングロ人の土地)」が語源です。
「イングリッシュ」は「Engl(Angle) + ish」というようにアングロ族を含んでいます。
また、アングロ-サクソン(Anglo-Saxon)というのは、アングロ族とサクソン族を
つなげたもので、今日のイギリス人の主な祖先となっています。
古英語の文法は現代英語と比べるとはるかに複雑で、名詞の性も存在し、
格変化もありました。
古英語はドイツ語に非常に近かったと考えられています。
現代英語では定冠詞はtheの一種類のみですが、古英語では18種類もありました。
ちなみに現代ドイツ語には16種類の定冠詞が存在します。
その後、8世紀後半からスカンジナビア半島に住むゲルマン系のデーン人が
ブリテン島に侵入してきます。
また、デーン人など北欧の人達は、フランスにも侵入し「ノルマン人(Norman)」
と呼ばれ、後にフランスにノルマンディー公国をつくります。
なお、ノルマン人とは北の人(Northman)という意味です。
さて、ブリテン島では、デーン人の話していた言語(古ノルド語)の影響を受け
古英語の「文法の簡素化」が始まりました。
古ノルド語は今日のデンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語のもとになる
言語です。
この「文法の簡素化」は、次の時代(中英語の時代)の始まりとなる
ノルマンの征服【ノルマン・コンクエスト】(1066年)以降、
加速度的に進むことになります。
次回は、
● 英語の時代:5世紀半ば以降
■ 中英語(Middle English)の時代:11世紀半ば~15世紀
について解説します。
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