今回はおうち英語という発想に結びついた出来事です。
はじめましての記事でも簡単に経歴紹介をしましたが、
私は2年間という短い間ですが、海外で日本語教師をしていたことがあります
そこは国名をここで書くとひょっとしたら身バレしてしまうくらい
日本人が訪れることの少ない小さな小さな国でした。
その国はとっても小さく人口も少ないのですが、
いくつかの地域に分かれており、地域ごとに使用言語が異なるため
出身地域の違う人と話す時には共通語として英語を使うという
なかなか面白い国でした
教育制度はアメリカのものに近かったのですが、多言語が存在する国でだったので
1年生から8年生までは基本的の最寄りの学校で家庭で使用する言語を使って教育を受け、
9年生、ハイスクールからはいくつかの地域が合流するため共通語の英語で授業を受けるということになっていました。
高等教育機関に進学する人は当然そこでも英語で授業を受けます。
私は短大で日本語教師をしていたので、学生とはいつも英語で話していました。
私ははじめこの国の人々がみんな流暢に英語を話すのは
この教育制度によるところが大きいのだろうと推測していました。
高校から始まる英語での授業に備えて、8年生までの英語の授業もスパルタなのだろう、なんて勝手に想像して。
でも、そこで暮らし始めて間もなく私は気がついたのです。
まだ教育を受けていない未就学児もみんな英語がペラペラだということに。
それはなぜでしょう?
答えは簡単なところにありました。
この国の娯楽は全て英語なのです
本当に小さな国のため、自国でテレビ番組を作ったり、本を出版したりすることができないため
テレビも映画も絵本もゲームもぜ〜んぶ輸入物、つまり英語です。
物心ついた時からこのような環境に身を置いていたら
英語は身近な言語になりますよね。
そんな訳で私が暮らしていた国の人々は受けた教育のレベルにかかわらず
政府機関で働く人も、タクシーのおっちゃんも、ウェイトレスのお姉さんも
み〜んな英語を上手に話しました。
ちなみに、学校教育における英語の授業ですが、
何度か小学校や高校の授業を見学する機会があったのですが
コミュニカティブな授業が流行っている(?)日本の授業よりもずっと読み書き重視でした。
英語は既に話せることが前提で、学校では文法の精度を高めたり語彙を豊かにしたりすることに注力しているようで
アカデミックな英語に力を入れているという印象を受けました。
私はこの国の人々の外国語習得の仕方は理想的だと感じました。
* 娯楽を通じて幼い頃から英語に親しむため、英語に対するハードルが低い。
* 文法はめちゃくちゃな人も多いけど、そのせいでコミュニケーションに支障をきたすことはほとんどない。
* 本人に意欲と能力があれば高等教育機関までの教育を通じて、高度な英語力も身につけられる。
みんなが最低限の英語を話せた上で、個々の状況に応じてより高いレベルも目指せるというのは本当に素晴らしいと思います。
私はこの国で生活しながら、日本の子どもたちも幼いときから英語でテレビを見たり、絵本を読んだりしながら育ったら
この国の子どものように就学前から英語がペラペラになるのかな〜などと考えるようになりました。
そして、この国での滞在を終えた後、長い放浪の旅に出て、世界中の旅人と交流する機会があったのですが、
北欧の人は特に英語が上手だと感じました。
職業病なのか、つい「どうやって英語を勉強したんですか」と聞いてしまうことが多かったのですが、
皆さん答えは一緒で
「小さい時から英語でテレビを見てたから」だったのです
私が住んでいた国の人たちと一緒だ
こんな経験から、私は将来自分の子どもを持ったら
幼いときから英語で娯楽を楽しませてみようと考え始めたのです
日本語と英語はとっても遠い言語なのでそう簡単にはいかないかもと思いつつも。