息子のサッカー選手になる夢の為に3月に神奈川県に引っ越しました。
 
 
そして4月17日から5月28日までオーストラリアのメルボルンに娘と二人で6週間旅行に行っていました。
 






僕たち夫婦は日本で結婚式をしてなかったので、10年前に僕がかつて3年半留学していたメルボルンで、通っていた高校の教会で式を挙げ、高校のキャンパスで披露宴をやりました。息子は3歳、娘は1歳で、息子は多少記憶があるのですが、娘は写真を見ても何も思い出せずに息子に嫉妬していました。
 
 
3月に引っ越して、一旦僕の仕事が区切りになるので、その機会に娘にかつて家族で回ったメルボルンの様々な場所を見せたくて、皆で10日くらい行こうと提案したら、息子は日本に残ってサッカーをしたいと言うので、なら娘と二人で行こうと思い、普段つい息子のサッカーを観に行ってしまって娘との時間が少なくなりがちなので、いっそ思う存分二人で色んな事をしようと思って、6週間行く事を思いついて息子に聞いたら、「食事だけ冷凍食品とかある程度買っておいてくれたら一人で多分大丈夫」と言うので、息子をより自立させるチャンスかもと決断しました。
 
2月に一人でアルゼンチンに5週間行った息子ですが、その時は全てが新しくワクワクしていただけでしたが、今回は日常から僕と娘がいなくなり、新しい学校、新しいチーム、新しい土地で一人で暮らすという事で、もし息子がだらけてしまえば、自分の弱さを認める機会になるし、もし自己管理をして乗り切れたら、僕たちとメルボルンに来ないで、サッカーをする為に日本に残って一人暮らししながら新しい環境で頑張れた経験が、心が折れそうになった時に踏ん張る力になると思ったので、どちらになっても得るものはあると考えました。
 
 
せっかく行くなら娘を現地の小学校に3週間くらい通わせようと、色々なコネを使って4校に打診しましたが、観光客だからと断られてしまい、代わりに娘はアートが好きなので、アートスクール4クラスに通わせる事にしました。
 
現地では僕がかつて3年半暮らしたホームステイ先のホストマザーの家に泊めてもらいました。僕たちが4月半ばに行くと連絡したら、向こうも僕たちに会いに東京に4月上旬に来る計画をしていて、東京と横浜で2日間遊んで、その時に「私は息子たちに会いにフランスに行くから勝手に住んでいいわよ」と鍵をくれて、結局最初の4週間は娘と二人きり、最後の2週間はホストマザーと生活しました。
 
とりあえず、最初は予定が何もないので、観光に行きまくりながら(ウルルも行きました)少しずつ計画を埋めていきました。日本人の方の誕生会に誘われて行ったら、その方がお茶の先生で娘に良かったらおいでと声をかけてくれたので行ったら、その生徒さんがある小学校でコンテンポラリーダンスのクラスを受け持っているから、私のゲストとして学校に潜入していいよと言ってくれて、火曜日と木曜日の午前中に3クラスずつ、違う学年のクラスのコンテンポラリーダンスの授業に通えるようになりました。
 
 
最後の週には、75キロ程遠方の小学校に1日体験入学させてもらいました。そこではホストシスターの旦那さんが先生をしていて、その学校は試験的に10歳の子たちの学年だけ、自分たちで野菜・果物・ハーブなどを育てて、鶏やモルモットなどの動物を飼って、ガーデニングをしたりして、自然の素晴らしさや怖さ、食物連鎖など生きる為のスキルを学んでいます。毎週木曜日に食べられるようになった食材を調べて、献立を考えて金曜日に調理します。
 
娘が行った日には、学校の広大な裏庭の土を耕して、そこに大きな木になる苗を10個くらい埋めました。先生が「彼女は今日だけで日本に帰ってしまうけど、ユリアが植えてくれたこの苗は皆と一生に成長していくから、この木を見ながらユリアと過ごした時間を思い出せるね」と言ってくれて感激しました。



 
 
アート面でも、これまでは立体工作系が好きで、お絵かきはあんまりでしたが、今回絵画の技法を学んで、一気にペインティングへの情熱が覚醒して素晴らしい絵を描き上げました。



 
計11クラスで新入生をやって、僕の高校の同級生の子供達とも仲良くなって、物凄く自信を付ける事ができました。僕は空港まで送ってくれるだけで良いから、次は一人でメルボルンに行くと言っています^^ 
 
最初はほぼ白紙のスケジュールで、6週間何をやろうかと思っていましたが、終わってみれば毎日目まぐるしく色々な事があり、娘が前向きに行動する事で、結局小学校にも通えたし、期待以上に成長してくれました。自分から動く事で人生が良い方向に変わっていく事があるのを実感したのではないかと思います。
 
 
一方息子は、2日目にテレビ電話したら「思ったより寂しい」と涙ぐんでいましたが、1ヶ月も過ぎた頃には電話しても「ああダディか」というリアクションになり、1人でも何とかなると言うようになりました。ゴールデンウィークには僕の友達家族が横浜の家に泊りがけで来てくれたり、アメリカ人の友達が来て学校を休んで両国国技館を案内したり、東京の幼馴染が会いに来てくれたり、それ以外の友達もメールや電話をしてくれた事もこの6週間を乗り切れた大きな要因だと思います。
 
僕や妻にしてもらっていた事のありがたさや、周りの人の優しさに触れて、精神的に物凄く成長したと思います。2週間に1度、広島時代からの個人トレーナーにオンラインレッスンをしてもらっているのですが、トレーナーからも「身体はしっかり仕上がっているので、毎日やるべき事をきちんとやってます。発言からも前向きに成長する意欲があります」と報告がありました。
 
それでも、5月28日の22時頃に帰宅したら、僕と娘に抱き着いてきて、相変わらず素直でかわいい奴でした(笑)
 
 
12歳の子をほったらかしにして、6週間も旅行に行ってしまうなんてけしからんと言う人もいるかもしれませんが、僕たち家族はそれぞれが成長する為に納得して選択して行動しています。今回のチャレンジは僕の子育て史上においてもやって良かった事のトップクラスに入るでしょう。息子も娘も物凄く成長しました。
 

僕は子育てというのは、子供が自分で人生を切り開いていけるようにする事だと思っています。その為には自分で考えて行動できないといけません。生きる為に何が必要か読む力も大切だし、色々な人との交流の中から学ぶ事も重要です。そういう意味で、息子はだいぶ一人前に近づいたと思います。

 
これからはまた家族3人一緒に、互いにリスペクト・協力してそれぞれの夢を叶える為に努力します。