自転車で糖尿病を克服した! -141ページ目

バーチャル・レース、デッドヒートは終わらない!【緊急速報 その3】


Specialized Phenom
「ピナレロ君」の最新装備、スペシャライズドのPHENOMサドル。そしてFSAのカーボンシートポスト!
それまでアングリルに付けていたセライタリアのサドル「C2」は決して悪くはなかったものの、ちょっと微妙な感じだったので、何か他のものは…と探していたところ、あるお店でこのサドルを見つけ、衝動的に購入してしまった!言ってみればスペシャライズドのTOUPEの弟分のようなサドル(TOUPEも欲しかったがあまりに高額だったので控えていたのだ)。比較的クッションは少ないが、全体がしなるのでそれほど不快ではない。現在、お尻の“慣らし”中なので結論はまだ出せないが、少なくとも格好は気に入っているし、長距離でもまぁ大丈夫そうだ。果たして「サドルの旅人」の終着地となるのかどうか…まだこれからの動向次第だ。
そしてFSAのカーボン・シートポスト、こいつは重量250グラムと純正のMOstのやつより何と130gも軽量化された(超軽量というわけではないが、まあ充分に軽いという感じ)。そしてカーボン効果か、路面からの衝撃が心持ち緩和された気がする。「ピナレロ君」の快感度数が約1.2パーセントアップ!といったところか。
(今回のバーチャルレースもこの仕様で“戦って”いる)

【前回からの続き】

「お、デッドヒートになってますね!」

セミナーのスタッフのそんな言葉があまり聞こえないほど、B夫は力を込めてペダルを回していた。

※1
平地では結構な差をつけたはず…。

にもかかわらず、もはやB夫のリードは風前の灯火だった。後方からはヤングライダーが激しく追い上げてくる。距離はじりじりと詰まる。

20フィート…15フィート…11フィート(そう、後方との距離だけはなぜかフィート表示なのだ。そして相手がスリップストリームに入るとその数字がオレンジ色になる。敵が“らくちんモード”に入った証だ。)

「あぁ、やっぱり予想通り…」

そう小声でつぶやくと、B夫は追走してきた細身のヤングライダーにあっさりと道を譲った。
※2

そう、ここはこの16kmバーチャルレースの最初の上り坂区間。約5パーセントの坂道はB夫自身の予測通り、平地より彼を大きくスローダウンさせていた

一方、明らかにB夫より20kg近くは軽いと思われるヤングライダーは平地でこそB夫の後塵を拝し、数十メートルの差を付けられたが、登り区間に入るとじりじりと差を詰め、上り坂区間の約3分の2を上ったところでB夫を捉えたのだ

まだレースは前半戦だ。ここでこれ以上無理をしてしまっては勝利は望めない…それをやっと思い出したB夫は、ここではヤングライダーを先に行かせ、とにかくスリップストリーム内になんとか留まり、次の平地、そしてそれに続く下り坂で抜き返す。それがB夫のレースプランだった。

[著者からのアドバイス]
※1から※2の間の文章をあと3回繰り返して読んでください。読み終わったら、※3へと進んでください。

※3
もう何回同じことを繰り返したろうか…。
(正解は4回ですね。3回と思った方、残念でした。)

平地、そして下り区間になるとB夫は俄然勢いを増す。ここぞとばかりにペダルに力を込め高速回転させるB夫のピナレロ君に、ヤングライダーは徐々に水をあけられる。だがそれも登り区間に差し掛かるまでだ。

登りに入ると80kg以上の体重という“悪魔のようなデータ”がB夫からパワーを奪う。彼のローラー台は、明らかにヤングライダーのそれより重くなり、まるで懲罰のごとくB夫を苦しめる

「う、あ、ちく…」

B夫は意味不明の言葉を吐きながら、懸命にもがくが、このコンピューター付きローラー台、いやこのコースがB夫に先行することを許さない。

一方、60kg前後(あるいはそれ以下かも)という“夢”のような数値をインプットされたヤングライダーのローラー台はたとえそれが5パーセントを超える坂道だったとしても、B夫のそれほどに重くなることがない(おそらく結構軽いのだろうな、とB夫は推測した)。

「ズ、ズルイじゃないか!不公平だゾ! みんな同じ部屋でセミナーを受けているのに、オレのローラー台だけ重いなんて!!! 体重差別だ! なんとかしてくれ、トレーナー!」

と、仮に叫んだところで何も変わりはしない。あたりまえだ。それがシミュレーターの使命だからだ。

16kmのレースは残り5kmほどになった。もう終盤戦といってもいいだろう。

A子? おっとA子はスタートからずっと孤独なソロサイクリングを楽しんでいる。先頭でのデッドヒートなどどこ吹く風、脂肪燃焼モードで“良い汗”をかいている状態だ。

もうひとりの女性ライダー? 彼女はなかなかがんばっている。B夫とヤングライダーからは遅れをとったが、それほど絶望的に離されてしまったわけではない。もし彼女が最後のスプリント力を貯めて走っているのだとしたら、きれいに彼女のことを忘れてしまうことは得策ではない。やはり上り坂ではスピードが乗っているようだ。

そして、例によって例のごとく、最後から2番目のこの上り坂でもヤングライダーはB夫に追いつき、そしてまたもや追い越したのだ。

今B夫が苦しんでいる上り坂を終えると平地となりその後ちょっと下る。そしてゴール前2.5kmのところに、このレース最大の難所ともいえる7パーセントの坂道が立ちはだかるのだ!それを超えると最後の直線は約1kmほど。いよいよ勝負どころが近づいてきた。

この登り坂でも同じことの繰り返しだった。抜かされたB夫はかろうじてヤングライダーのスリップストリームに入り、なんとか彼の後方1~2メートルのところでローラー台の不公平な負荷の差を耐え忍ぶ(スリップストリームに入ると実際にローラー台が軽くなるのだ)。この上り坂も終わりに近づく。

「もう同じことを何度やっているんだ!B夫!どうにかしろ!頭を使え!」

そんな叫び声がB夫の耳に聞こえたような気がした。今にして思うと「ピナレロ君」のテレパシーだったのかもしれないし、もしかしたら有酸素運動モードでレースをひとり客観的に見ていたA子の“アドバイス波動”だったのかもしれない。

いやいや、おそらくはトレーナー先生の“指導テレパシー”だったことは確実だ(まさにセミナーだ)。なぜならこの時点で「お、すごいデッドヒートだ。」と、トレーナーとスタッフが画面の前に集まり注目し始めたからだ。今やこの戦いはこのセミナーにおいての歴史的デッドヒートになることは間違いなかった。

B夫は戦略を一瞬考えた。そして下した結論はこうだった。

頭は使わず、体を使え!(いいのか!それで)

ゴールまではまだ多少距離があるが、ここはまず体力勝負だ。次の平地とそれに続く下りで一気にスパートを掛ける。平地と下りなら勝機は充分ある。そう、そこで勝負を賭けるのだ!最後の登りまでに圧倒的な貯金をつくるのだ!そして7パーセントの坂を貯金を使いきらずに上りきり、最後の直線はそのまま逃げるのだ!

危険な賭けだった。だがこのコースで最難関の7パーセントの急坂で失速すること確実なB夫にとって、ヤングライダーにちぎられ、大差を付けられないようにするにはそれしか方法がなかった。

今日1日を素晴らしい日にするため、今日のペダリングセミナーを輝かしい1ページにするために…。これは公道レースじゃないのだ。「大人げない」なんて考える必要はない! これはゲームだ! 不公平なローラー台なんかに負けるものか!

苦しい上り坂を“付き位置”で終えたB夫は、ヤングライダーの後を付いていよいよ平地へと入っていく。

行くゾ!

ちらりと左横のヤングライダーを見やると、B夫は下ハンへと握り換え、サドルから腰を浮かし、スパートの体制に入る。

7パーセントの最後の坂までに何百フィートも距離を開くのだ! B夫はあの「トレックディスカバリ」との壮絶なバトルを思い出しながら(なぜか展開がまんまだ。コンピューターのシミュレーションでも同じ状況になるんだなぁ…不思議なものだ)、残されたありったけの力をペダルに伝えた!

【次回へ続く!】
やっぱりロングストーリーになっちまった。果たしてもう1回で終わるか!?


人気ブログランキング にほんブログ村 自転車ブログへ

(人気ブログランキングに参加しています。)


前の記事へ | 次の記事へ ] [ 自転車で糖尿病を克服した!目次