ヨガをやっている方々は、最近「リストラティブヨガ」という言葉を聞くことがあると思います。今回はそのリストラティブヨガとはどんなものなのかを説明させていただきます。

このヨガの特徴は様々なプロップス(道具)を使って、すっかり身体をゆだねられる環境を作りだし、完全なリラクゼーションに導くというものです。これらは脊柱をあらゆる方向へ動かすよう考案されていて、健康な脊柱によって心身の健康が促進されると教える古代ヨガの智慧そのものですね。またリストラティブヨガには逆転のポーズもあります。とは言っても脚を壁やボルスターにあずけた簡単なものですが、その効果は劇的なものです。脚の重力に対する関係を変えることにより、体液は上半身へ戻っていき心機能が向上します。またリストラティブヨガは器官に刺激と休息を交互にもたらします。例えば、前屈で腹部を閉じたあとに後屈で開くことで、腹部器官は締め付けられて血液を外に流してから開くことになり、新鮮な血液が器官いっぱいに戻ります。この血流移動により、あらゆる細胞膜まで酸素と老廃物の交換を促進します。ヨガではもともと、身体はエネルギーで満ちているとしています。横隔膜の上にある男性的エネルギーの上昇する流れ(プラーナ)で呼吸と心拍数を制御します。横隔膜の下にある女性的エネルギーの下降する流れ(アパーナ)で、腹部器官の機能を制御します。実践者に刺激を与え過ぎたり消耗することのないよう、リストラティブヨガではこれらエネルギー両面の調和をはかっています。
リストラティブヨガはインドのヨガの権威、B.K.Sアイアンガー師によって考案され、近年 Judith Lasater によってアイアンガーヨガのリラクゼーションの部分に的をあてた一冊のリストラティブヨガの本が発売され、今日このヨガがアイアンガーヨガをやってない方にも親しまれてきています。
私たちの生活の中での様々な慢性的ストレスから、心身への負なる影響が表れていることがあります。それらを軽減させていくために、人それぞれの体の状態によってプロップスを変えながらアライメントを整え、安心したリラクゼーションを身体にあたえることの必要性。リラックスというのは、深く休息するということです。リラクゼーションには動きがなく、努力もいらず、脳が静まりかえった状態です。一日わずか10分でも、「意識的にリラクゼーションを行ってみてください」

Om tat sat. Tobe


Judith Lasater [ Relax and Renew ]参照参考。