それはそれは凄いものだった!
音楽でこれほどまでに異空間に引き込まれた感覚は初めてで、
ロックのライブでのGROOVEとは全く違う、もっと感覚的で熱い、
一流DJの集ったトランスのレイブより、もっと自然で宇宙的で暖かい。
それは昨夜、渋谷オーチャードホールで行われた、
[ ZAKIR HUSAIN & MASTERS OF PERCUSSION ] のライブだった。
インドに興味がある人はザキールフセインを知っていると思うが、
世界最速のビートを奏でるタブラという古典楽器の第一人者だ。
メンバーはザキールフセインを中央に、サーランギー奏者とシタール奏者、それとドラクなどをはじめインド、パキスタンの様々な種類の打楽器奏者、計10名の出演。客は満員ではないがおそらく500人くらい。

今まで何度かインド音楽のライブを観に行ったが、結構毎回退屈になったりするのが恒例だった。
しかし今回は2時間30分の演奏で、一秒たりとも退屈することはなかった。それどころかもっともっとその音の空間の中に居たかった。( 一応言っておきますが僕はしらふでしたよ。)
それはステージ構成の素晴らしさもあるが、まず今まで観てきたものとは圧倒的に演奏者達の力量が違う。 そして演奏中の彼達の恍惚の表情から感じる、余裕と音楽に対する愛、、。  そういったものが2時間30分ズバズバと容赦なく飛んできた。
中央のタブラを前にあぐらをかいて演奏しているザキールフセインが、途中スターウォーズのヨーダにも見えてきた。


ライブは、終演に向かってどんどん上げられていく。でも決して走り過ぎることはない。演奏者全員の呼吸が完全に重なっている。 UNIVERSE 。
最後の曲が終わった瞬間、まるでリハーサルでもしたかのような500人全員のスタンディングオベーション!  拍手はずっと鳴り止まなかった。


ホールから外に出るとそこはもちろん渋谷の街。 でも体中凄くセンシティブなのに渋谷の雑踏としたものを寄せ付けず跳ね返してるような感じ。 いいライブだった!