泣きながら別れを惜しまれたあの日より… | 美塾塾長 内田裕士オフィシャルブログ「人のために美しく生きる」Powered by Ameba

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東京へ行くために
早朝から準備をしていたら、
1歳半の息子が起きてきました。

スーツケースに
服やらメイク道具やら入れていたら、

隣で息子がそれを
テキパキと出していきます…笑


たぶん気持ちは
手伝ってくれているんでしょうね。


可愛いやら準備が終わらないやらで
ギューーーッと息子を抱きしめます。


そして、ササッと準備を済ませ、
家を出ます。

玄関に来ると、
彼はせっせとベビーカーの準備を
進め出しました。
一緒に出かけられると
思っているのでしょう。

僕が彼を抱きしめて、

「いってくるね。
    いつもありがとうね。
 またしばらく留守にするから、
   ママをよろしくね。」

と言い、さっと家を出ます。

そうすると閉めたドアの中から、
息子の「うえーーーーん」という声が
聞こえてきます。



よっぽど家に戻ろうかと思います。



それを振り切って家を出るのですから「彼の笑顔以上のことをしなくては!」と、一段と責任が生まれます。


そんなことを思いながら、
以前にもそういった想いを
持ったことを思い出しました。



浜松の介護施設にボランティアメイク
をしに行った時のことです。


僕にとって初めての
おばあちゃんへの
メイクボランティアでした。

それもその施設は
かなり認知の進んでいる方が
いらっしゃる施設ということで、
期待と不安でドキドキしながら
伺いました。


施設内の一通りの説明を受けて、
早速1人目のおばあちゃんのメイクが
始まりました。

そのおばあちゃんは
僕がなんて言っても、

「あたしゃいいよ!あたしゃいいよ!
 ありがとうございます。
 ごめんなさい。」

と繰り返ししゃべりながら、
手で顔を覆っていました。

会話にならないし、手で顔を覆っているので、
メイクができません。

僕が手をこまねいていると、
施設の職員の方が
「すぐに終わるから、ほらね。」
と手を押さえつけて、
メイクができるようにしてくれたのですが、

なんとも言えない罪悪感に
包まれました。

「これこそ
    親切の押し売りなんじゃないか。
 誰も喜んでないじゃないか。」

僕に社会貢献をして、
美塾の好感度をあげたい
という卑しい気持ちが
無かったと言えばウソになります。

そんな自分がおばあちゃんをかえって
不快にさせていると、
自己嫌悪に陥ってメイクを
していました。


「早く終わらせて帰ろう。
   こんなことはもうやめよう。
 僕は卑しい人間だった。
    生半可な気持ちでボランティア
 なんてしてはいけなかったんだ。」


そんな気持ちで、
嫌がるおばあちゃんに
なるべく早く時間的にもお顔的にも
負担の無いようメイクをしました。

おばあちゃんは
メイクをしているあいだもずっと、

「あたしゃいいよ!あたしゃいいよ!
 ありがとうございます。
 ごめんなさい。」

を繰り返していました。


5分くらいでしょうか。

もはやキレイにするというより、
社交辞令のように
既成事実を作ったかのような
メイクが終わりました。


僕ももはや仕上がりなんて
気にしていられませんでした。


「おばあちゃん、
   できましたよーー。」

と恐る恐る声をかけて、
目が見えているかも分からない
おばあちゃんに手鏡を渡しました。


その後、信じられないことが
起こったのです。


おばあちゃんは目の前に差し出された
手鏡をガシッと掴み、

じろりとご自分の顔を
鏡で確認しながら、こう言ったのです。


「もっと口紅赤くしてください。」


僕はきつねにでも化かされたかと
思いました。
何が起こったのか
分かりませんでした。
ドッキリテレビかと思いました。


そして慌てて、
モードを切り替えました。


本気で目の前のレディと、
レディの魅力と向き合ったのです。


プロとして、
本気で彼女のメイクをしました。
彼女の魅力が最も映えるメイクを
しました。


再び鏡を渡すと、
同じように鏡でじろりと自分を確認し、


ふにゃふにゃ~。


とリラックスした笑顔になり、
何もお話になりませんでした。



あの言葉を僕は実際に聞いたのかどうなのか?
疑わしいほど異次元な出来事でした。


でも今でもはっきりと僕の脳裏に
ソウルに、リフレインしています。


「もっと口紅赤くしてください。」


僕はそれからというもの、
我ながら見違えるほど
確信と貢献の気持ちを纏いながら、

自分の費やせる時間いっぱいまで、
合計で13名様のレディたちのメイクを
させていただきました。


そしていざ帰ろうと荷物をまとめて、
施設の出口を出た後に、

声がするので振り返ってみると、


最初のおばあちゃんが
泣きながら手を振って、

「また来てねー!また来てねー!」

と見送ってくれているのでした。



僕はおばあちゃんに、

いや、

レディに負けないくらい大きく大きく手を振りました。


「また来るね!また来るからね!!」


そして涙でにじんだ目を拭きながら、
浜松を後にしました。



そしてあの帰り道から、
こういう気持ちで生きています。



「あのおばあちゃんをメイクする
   以上の時間を過ごそう。」



あれから、
結局あのおばあちゃんには
会えていません。



でも思うのです。


もちろん人間誰しも、
弱さやだらけグセあります。
僕も当然そんなところがあります。


でも、

僕にはあのおばあちゃんを
笑顔にする価値がある。


だから、落ち込んで家でふさぎ込んで
いる時間があるなら、

外へ出て誰かに声をかけてメイクを
した方がマシだって。


浜松まで行って、あのおばあちゃんの
メイクをしたらいい。



息子と遊んで息子を笑顔にするより、

あのレディをメイクするより、



価値がある時間を生きていたい。



あなたの目の前に僕がいる時、
僕はそのつもりであなたやその場に
身を捧げているのです。


もう適当な時間を
生きられないんです。


今日もそんなかけがえのない1日が
広がっています。


あなたにも

そんなかけがえのない1日が

目の前に広がっていたら

嬉しいです。


あなたが今、
笑顔なら嬉しいです。








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