青虫くんのコドク | 言葉の羅針盤~人生・起業の悩み解決

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~自由に飛ぶ。



  青虫くんのコドク



青虫くんはなにかがたりない。

いつもそう思っていた。


「なにがたりないんだろう?」


たくさん葉っぱを食べても

なにかがたりない。


たくさんお昼寝をしても

なにかがたりない。


「そりゃああんた、

愛がたりないんだよ」

蜘蛛のおじいさんが言った。


「愛?

愛ってなんですか?」


「愛は、空よりもイダイなもんだ」


イダイがなにかわからなかったけれど

青虫くんは愛をさがしにでかけた。


でもどこにも愛はおちていない。


「イダイな愛は、どこにあるんだろう?」


そんなある日の月夜、

オオミズアオにであった。


「なんて美しいんだろう。

月の妖精のようだ」


そうか、これが愛なんだ。

青虫くんはオオミズアオに愛されようと

いっしょうけんめいだった。


毎晩花をとどけ

イダイな愛をかたった。


オオミズアオと

青虫くんはなかよくなった。


そのうち青虫くんは

さなぎになった。


そうしてある日、蝶になった。

小さいけれど真っ白な羽根だった。


オオミズアオの大きな羽根は

しだいに弱ってきていた。

オオミズアオはもう飛べなかった。


オオミズアオは言った。

「飛ぶなんてばかげている」


蝶になった青虫くんが飛ぶたびに

オオミズアオはもんくを言った。


「飛ぶならどこかへ行っておしまい」

何度もいわれているうちに

青虫くんはそうだなあと思いはじめた。


そうしてある日、

青虫くんは

日の光のなかに、ふわっと飛んでみた。


一匹の蝶にであった。

蝶は自由に飛んでいた。

「こっちにおいしい蜜があるわよ」


二匹で自由に花から花へ飛んでいるうちに

たりないと思っていたものが

うまっていることに青虫くんは気がついた。


青虫くんと蝶は、くるくるとらせんを描いて

光のなかへまいあがっていった。