~夏の風景。
子どもの頃、夏休みになると
母の田舎の実家にいることが多かった。
家族みんなで行くのだけれど、
その後一人で長く滞在した。
3つ年上の従姉妹がいたけれど
一人っ子でけっこうわがままで
かってに遊びに行ってしまうことが
多かった。
大人だけのなかに取り残された私は
従姉妹のマンガを一人で読むのが常だった。
大きな倉の前は木陰になっていて涼しく
倉の前の石段に座って
マンガを読んでいた。
セミの声。
光の蜃気楼のなかで
乱立するひまわりたち。
足もとの土には小さな穴があちこちあいていて
アリたちが出たり入ったりしていた。
犬は暑さで木陰を選んでねそべり、
時おり、うさぎ小屋のにおいが風で運ばれてきた。
7,8歳の私がそこにいる。
今もいる。
夏の風景のなかに。
ではまたね。
夜投稿よてい。