『がんになるとどんなふうに死ぬのだろう?』とつい考えてしまいます。

 

ほとんどの人は、若い時、元気な時には死を身近なものとして感じたり、考えたりすることはないでしょう。親戚や友の葬儀に参列しててさえ死が自分の身に起きると考えないし人生は永遠に続くかのように時間を無駄にして過ごしている人が多いと思います。私もそうでした。

 

それが、ある日突然「ステージⅣのがんです。末期で余命は・・・」などと宣告されたらどうでしょう。多くの人はいきなり降ってわいたような事態にパニクったり落ち込んだりするでしょう。私は当時現役で東京で仕事をしていましたし、ボディビルで鍛えていたので自分ががんになるなど考えてもいませんでしたが、60の大台に乗っていましたし、一人娘も嫁いだ直後だったこともあり、比較的冷静に受け止め医師に「どんな治療法があるのでしょう?治療をしなければどうなりますか?」と質問していました。それでも「手術をしなければ3か月で死ぬ可能性が高い。」と聞き、手術を決意するまでは多くの友から優しい言葉をいただいて涙する日々でした。

 

そして考えたのが、相当大きな手術になりそうだけど、『手術が終わり、意識が戻ったらどんな痛みが襲ってくるのだろう』という痛みに対する恐怖『がんが進行したら一体どんな風に死ぬのだろう?激痛の中で「痛い!痛い!」と叫びながら死ぬのだろうか?耐え難い倦怠感、苦しさに見舞われて死ぬのだろうか?』という死に対する恐怖でした。

 

がん患者さんはどうやって死ぬのか?実際の死因を医師が解説【がん情報チャンネル】

 

 

 

 

がんの発生から死までの過程は、がん種により発症部位により百人百様なのですが、がんが体内に発生してからがんと診断されるまで10年。がんが大きくなって転移して死に至るまで10年と言われているそうです。ということは今自覚症状が無く健康と思っている方でもがんを抱えている可能性があると言う事です。

 

しかし、がんでは心臓疾患、脳溢血、脳梗塞のように突然亡くなることは希で個体差は有るものの多くの場合、がんと診断されたのち、心の整理、人生の整理、終活をする時間が少なからずあります。

 

私自身、2017年の大手術の時には「この世とのお別れかもしれない」と思いながら手術室に入りました。がんと診断されてから入院、手術までに1か月強の時間があったので仕事引継ぎ、身の回りの不用品の処分、PCの中のHな画像処分(笑)を済ませ、愛する家族への伝言をまとめました。同時に闘病の記録を残すためブログも始めました。

《ライブドアブログ》

http://new-bigtoe.blog.jp/

 (2017年のステージⅣのがん告知直後からの記録が記してあります。)

 

 

親友の大先輩上野さんは旅立つ3週間ほど前、コロナ禍でお見舞いにも行けない状況の中、退院され自宅で過ごしているとの事からサプライズ訪問した時は思いの外お元気で帰りにはいいと言うのに車を出して駅まで送ってくださいました。その1週間後には自ら入院されました。余程しんどかったのだと思います。そして最後のラインが旅立ちの7日前『医者に安楽死させて欲しいと頼みましたがそんな物は無いと断わられました。それぐらい苦しかったです。あと10日も持たないでしよう。色々有り難うございました。もう何もかも言葉は要りません。全て乗り越えています。』でした。会社経営者でありトライアスリートだった上野先輩の潔さを見習いたいものです。

 

 

先日旅立った東京の兄貴は自らの意思で手術、放射線、抗がん剤と言ういっさいの治療を断り、病院より自宅がいいと退院されて自宅療養をされていたので、旅立ちの40日前に東京のご自宅まで新幹線で会いに行きました。かなり辛そうなご様子でしたが笑顔と凛とした姿で迎えてくださいました。そして、襲ってきた痛みの対応で麻薬系の痛み止めのみを服用されていましたが旅立つ5日前の最後のラインが『鎮痛剤の影響で意識がもうろうとしてまともな文字や文章が作れません。手が震えて文字を打つのに時間がかかります。』と言うものでした。最後の時、人工呼吸器の装着を断られたそうです。潔い旅立ちの姿を残してくださいました。

 

お二人とも私がステージⅣのがんで大手術を受けた2017年には元気に仕事をされ、トレーニングもされており、お見舞いの為遠路はるばるかけつけてくださったり、励ましてくださっていたのに・・・。

これが人生・・・無常です。

 

多発転移がんを体内に持つ私自身も近い将来、同様の道を歩くだろうことは容易に想像できます。こころして人生の最終章の教訓にさせていただきます。

 

二人の大先輩の背中を心に刻み、恩に報いるためにも、同じ境遇にあるであろう方の道しるべ、参考になるように、お二人のぶんまで長く生きてその記録をギリギリまで残したいと思います。

 

朝の公園筋トレの後の町内のラジオ体操にも復帰しました。子供たちに交じってラジオ体操をすると小学生時代を思い出し元気がでます!!

ラジオ体操は子供から高齢者までとても良い運動だと思います。

 

パリ五輪の開会式は病院のベッドで観ました。生憎、途中からかなりの雨に見舞われたようですが、パリの美しい街並み、セーヌ川の流れを生かした今までにない素晴らしい開会式だったように思います。

 

 

日本柔道の先陣を切って登場した阿部兄妹でしたが、兄はその強さをいかんなく発揮し五輪連覇達成!!おめでとうございます!!

妹の詩さんはまさかの2回戦1本負け。勝負に勝ち負けは付き物ですから、勝つ者がいれば必ず負ける者が出ます。

長く練習を続けてきて負けた悔しさは分からないではありませんし賛否両論があるところですが、試合会場での駄々っ子のような座り込んでのギャン泣きは、はた迷惑だし、とても見苦しいと私は感じました。恵まれた才能を持ち、恵まれた環境の元、勝つことを至上として勝つのが当たり前でここまで来たことの表れかと思います。

これをバネにLAでは、強い心で2度目の兄妹金メダルを果たして欲しいものです。

ウズベキスタンのディヨラ・ケルディヨロウ選手は勝っておごらず立派。フアンになりました!!