がん宣告から今日までのまとめ(37)

『手術から一時退院まで』

 

途中、死ぬかもしれないと覚悟を決め心の中で家族と友に「さよなら」と言って向かった手術室。

麻酔を施された途端いとも簡単に遠のく意識。「死ぬときもこんな感じかなあ。」

 

次の瞬間は体中チューブに繋がれた状態でのICUでした。手術室に入ってから10時間近い時が経過したことになります。目を開けると家族、親戚、看護師さんの顔が覗き込むように並んでいます。この世に帰って来た生還の瞬間でした。主治医によると「予定通りです。」懸念された食道への浸潤は無かったので待機していた消化器外科の先生の出る幕はなく16時間に及ぶかも知れないと言われていた手術時間は8時間半で済んだそうです。まだ、運は残っているようです。

 

ICU、HCUでの声帯をとられ身動きが取れない状況下での背中痛、腰痛は半端ではなく、この時が入院生活で一番辛かったかもしれません。

一般病棟に移ってからは、尿管、麻酔、点滴ポートと管が順次抜かれ、2週間後に食道燕下造影検査の結果を受けて鼻から胃袋まで入れられた投薬用、栄養補給用のチューブが抜かれ水を飲むことが許され、3週間後に廃液用ドレンチューブが抜かれて晴れて自由の身になりました。2週間余り飲食が出来ないことも生まれて初めての経験でした。食いしん坊の私には辛い思い出のひとつです。

 

食道燕下造影検査

X線造影室で造影剤が含まれた食べ物、飲み物を飲食し、口から喉、食道を通過する様子をレントゲンで確認します。のどの形や、飲み込み方に問題が無いかどうかを調べます。私の場合、手術で咽頭部を全摘出していますので造影剤の入った飲み物を飲んで漏れがないかを確認していたようです。

 

その後も気管孔のトラブル、手術跡、肩の痛み、痺れ、出血、リハビリなど紆余曲折は多々あったものの手術から2か月後には、体力を回復させるため一時退院の日を迎えることができました。

 

主治医は、「病院は清潔に見えますが、菌やウイルスがうようよ居ます。たいていの患者さんは、退院して住み慣れた自宅に帰ると元気になるんですよ。」と送り出してくれました。しかし・・・

 

(※チューブだらけの体でリハビリに励む。当初は腕も上げられませんでした。)

 

【今日のトレーニング】

◎スロー斜めプッシュアップ 20回~15回×5セット

◎ハンギングレッグレイズ 20回×5セット