がん宣告から今日までのまとめ(30)

『BIGTOE流「困難、不安から抜け出す方法」』

 

今まで生きてきて、解決策が見つからず困難に陥った時もありました。一人だけ取り残されたようで不安に苛まれる時も幾度となくありました。

 

そんな行き詰まった時に学生時代からしてきたことが、「今、自分は何をするべきか?」を考え、思いついたことをノートに書き出していくことでした。

 

有効な治療法が確立されていない稀少がんが発覚した時もどうするべきか解決法に悩みました。

 

健康だった時は、漠然と「もし病気になっても体にメスは入れたくない。」と思っていました。親父が私と同年代の時に肺に腫瘍らしきものがあると言う事で乳首から背骨あたりまで逆袈裟切りのような開胸手術を受け体が歪んでしまったのを見ていたからかもしれません。

 

しかし、実際にがんになり「障害が残るが手術で切除する以外に有効な方法がない。」と説明を受け、納得できず、セカンドオピニオンで病院を回っても状況は変わらず。しかも、「時間がない。切除しなければ3か月程度で死ぬ可能性が高い。」と言われ早急に決めなければなりませんでした。

 

結論は・・・『3か月で死ぬわけにはいかない。やるしかないでしょう!!』

 

窮地に陥った時、焦っても何も変わらない。事態は悪化するだけ。そんな時、1冊のノートと鉛筆を出して冷静に深呼吸して考える。そして、やるべきこと、今、自分に出来る事を書き出す。複数あれば優先順位をつける。

 

そして、それらを一つずつ実行していく。

 

あとは、「人事を尽くして天命を待つ。」それだけです。

これを若い頃から実行してきました。

 

今回のがん治療の場合も鉛筆とノートで決めましたが、賭けだったようにも思います。

 

【治療法1】

20%程度、手術中、合併症で死亡する可能性があり、成功しても「重度障害」が残る『外科手術』でとりあえず気管の3分の2近くを塞いでいる10cmの癌を気管もろとも切除し呼吸のための「気管孔」を胸に制作する。再発の可能性を減らすために、がん浸潤の疑いが濃い甲状腺、声帯、喉頭部も全摘出する。

(部分切除が出来ないか打診しましたが「がんは全部取ってしまわないと意味がない。半分だけとかならがんを散らばらすだけなのでやらないほうがマシ。」と名医に言われました。)

 

【治療法2】

『放射線治療』・・・「腺様嚢胞癌」では、一時的に成長を止められても再増殖する可能性が高い。確かにネットで調べても放射線で完解したという情報は見つからなかった。

 

【治療法3】

『抗がん剤治療』・・・主に肺がん治療に用いられるパクリタキセル、カルボプラチン、シスプラチンなどの抗がん剤を投与。「腺様嚢胞癌」が治ったという記事は見つからず実験のイメージを持つ。脱毛、吐き気、倦怠感、関節痛などの副作用はほぼ確実に出るようだ。

 

【他の治療法候補】

『重粒子線治療』『陽子線治療』・・・気管軟骨に浸潤している気管には不適用で却下。

 

『免疫チェックポイント阻害薬』『遺伝子療法』でも「腺様嚢胞癌」が治ったというエビデンス、実例はなさそう。

 

書き出したこれらの中から「より確実そう」、「この世でやり残したことをやるための生きる時間稼ぎになりそう」、「自ら苦しむリスクは避ける」であんなに嫌だった「外科手術」を自ら選んだのです。

 

「出来るだけ長く生きる可能性」と「何を目指すのか?」がポイントになったように思います。

 

2度の転移による手術、サイバーナイフはあったものの、5年後の生存率40%未満をクリアして、こうして生きているので自らの選択に全く後悔は有りません。