がん宣告から今日までのまとめ(24)

『希少な気管腺様嚢胞癌への対峙』

生きる為に「試行錯誤」自分で出来る事は自分でやる!!

 

《確立した治療法、抗がん剤が存在しない癌》

がんになれば、まず、「自身が罹患したがんについて知る」ことが重要かと思います。医師の話を聞き、セカンドオピニオンで他の病院の見解を聞き、ネットや書籍を調べる。そして、家族と話し合い、最終的には「どのような治療をするのか?」を自分自身で決めることになります。「無治療」と言う選択肢もあるでしょう。

 

私は、腺様嚢胞癌の性質と現状で有効とされる治療法が手術しかないこと手術をしなければ3~4か月で呼吸困難になり命を落とす可能性が高いことを知ったうえで生きる為に絶対にやりたくなかった外科手術を選自分の意志で選択しました。

 

私の主治医は、「腺様嚢胞癌は、手術で完全切除出来ても体内のどこかに潜んでいて、5年経っても、10年以上経っても再発、転移する可能性がある。」とも仰っていましたが、言葉を変えれば「完治、完解はしない」とも受け取れます。

 

と言うことは、一生、癌と共に生きることになるのでしょう。

 

医師が完解できるエビデンスのある治療法、抗がん剤が現状では存在しないと言う癌が、すでに二度の肺転移、二度目の手術、サイバーナイフを経験した身にとっては、今後再び、再発、転移することを阻止するため、自分の罹患した癌についてさらに知り、国内外の治療に関する情報を集めて治療法を追求することになります。治験に名乗りを上げ生きる道を追求することも有効な手段のひとつかもしれません。

 

と同時に、並行して

 

生きる為には、共生してく為には、食事、サプリメント、生活習慣など自分で良いと思うこと、出来ることを実行することが大切と思うのです。自分にとっては、食事、サプリメント、生活習慣に加えて体力をつけるための、免疫力アップのための「筋トレ」がそれにあたります。

 

 

 

《退院後の永久気管孔のメンテナンス》

私は生きる可能性を求めて胸に「永久気管孔」を制作するという手術を受けました。日本でも執刀出来る外科医は少ないと言われる難しい手術をしてくださり生かしてくださった先生方、そんな先生方に出会えた幸運に感謝してあまりありません。

 

手術を受けたことにより、退院後は、担当医のアドバイスを参考にして、気管孔と言う特殊な呼吸器のメンテナンスが一生必須となります。これも生きる為に自分でやらなければならないことです。

 

○ネブライザーによる加湿吸入、痰の吸引、処理

退院後は、自分でネブライザー(吸入機)をインターネットで数台購入し、試行錯誤の後に設置用にオムロン製と携帯用にドイツ製を使っています。合計5台を購入して機能の良い2台に決めました。1台は高価であったにも関わらず使い物になりませんでした。ドイツ製は価格も安く機能も良いことがわかりました。必ずしも高価なものが良いとは限らないようです。機種も実際に使ってみなければ良否がわかりません。機種の選択も「試行錯誤」です。

 

「ネブライザーを1回に何分行なうか?」「1日に何回行うか?」もドクターではなく自分自身で決めることになります。何故かというと、自分の体の状況は自分しかわからないからです。こればかりは名医でも経験したことがないですから。

自分の場合、気管が5cmと短くすぐに乾燥する為、退院後しばらくは、6時間おきに1日に4回は必要でしたが、術後5年経過した今は慣れと「試行錯誤」の末、1日3回(起床時、午後3時、就寝1時間前)で問題なく過ごせています。

 

【永久気管孔のメンテナンスとネブライザー動画】

 

 

 

 

 

○Laryngoformでの気管孔のカバー

気管孔とは胸に開いた呼吸のための孔です。口のように閉じることが出来ない為、呼吸をすれば大気中に彷徨うごみやほこり、ウイルスなどなども肺にダイレクトに吸い込んでしまいます。通常それをガーゼなどでカバーするのですが(入院中はそうでした)、退院後は妻がインターネットで見つけてくれた通気性が良く息苦しくないLaryngoformを愛用しています。

コロナ禍の今、鼻と口で呼吸をしていない私のはマスクは不要で、気管孔に貼り付けたLaryngoformが私にとってのマスクなのです。

 

○気管狭窄対策のエアウエイチューブ(ステント)

気管狭窄が起こるためにエアウエイチューブは24時間入れたままで、乾燥した痰がチューブや気管壁こびりつき呼吸が苦しくなるので定期的に抜いて洗浄、再挿入し清潔を保つことも必須です。

 

チューブの気管からの取り出し、再挿入は医療行為にあたるため医師が行ない、看護師さんは出来ないそうです。本人、家族はその限りではありません。

 

入院中は主治医、担当医がしてくださっていましたが、退院後は自分自身でやっています。動けなくなり自分で出来なくなれば家族にしてもらうことになります。

 

チューブは既製品が無いので、入院中に担当医が作ってくれた手作り品を退院後は自分で自分の気管孔に合うように「試行錯誤」して改造したものを自分で製作しています。生き物である気管孔の状況は時々刻々と変わっていくので、チューブの長さ、形状、挿入する時の角度などは自分にフィットするように自分で決めて製作しています。

そして、ドクターには定期受診の際に適正かどうかチェックしていただくのですが、「気管孔の管理は吉賀さんの方がベテラン。おっ!チューブがまた進化しましたね。」と事実上私任せです(笑)。

 

○シャワー・入浴用治具

「気管孔の呼吸になると孔に水が入ると溺れる状態になるので入浴時、シャワー時には注意してください。」と医師から言われましたが、具体的にどのようにするか決められた入浴法があるわけではありません。入浴、シャワーには細心の注意を払い水が入り込まない工夫が必要になります。

 

今は、子供さんの呼吸器疾患治療に使うライトタッチフェイスマスクを気管孔にかぶせてパーミロールテープで皮膚に防水固定してからバスルームに向かっています。これで頭上からのシャワーは可能になりますが、湯舟には鳩尾あたりまでしか浸かれません。

これは、亀田総合病院の入院中に担当医のツォン先生と二人三脚で「試行錯誤」した末にたどり着いた方法です。

 

このように、患者が少なく経済的見返りが見込めないために確立された治療方法がない、症例が少ないために既製品のエアウエイチューブ、入浴時の防水のための用具もないことから生きる為に自分でいろいろ工夫してやるしかないのです。

 

すべて、医師がしてくれるというのは間違いです。生きる為に自分でやることはたくさんあります。

 

 

【2023年1月2日のトレーニング】

◎ワイドグリップパラレルチンニング 20回~16回×10セット

◎ハンギングレッグレイズ 20回×5セット

今は、生活がルーティン化されているので、年末年始と言っても特に生活、体調に変化は有りません。でも、世間様はお正月。早朝の公園での犬を散歩させる方もまばらです。今朝の公園はゴミも少なく気持ちよく筋トレが出来ました。

(※久しぶりに会った人慣れしていない「トラ」。勝手にそう呼んでいます。)