がん宣告から今日までのまとめ(15)

【気管孔のメンテナンス・ネブライザー・エアウエイチューブ】

 

《気管孔のメンテナンス》

通常の呼吸では空気が喉、口、鼻を通過する間に適度な湿気が加わるのですが、永久気管孔では、乾燥した空気が、冬場であれば冷たい空気がそのまま気管、気管支、肺に入るため痰が固くなり、痰の量が多くなります。痰が乾燥して固まると呼吸が苦しくなります。ごみも入りやすくなります。「気管支炎」や「肺炎」になるリスクが増えます。風邪やインフルエンザに感染しやすくなります。流行りの新型コロナも同様です。対策としては、ガーゼのような通気性のある生地の前掛けをつけるのが一般的です。

私の場合、「Laryngofoam」という薄いスポンジ生地を取り寄せてテープで止めて使っています。通気性がガーゼよりも良いために呼吸が楽にできます。まめに交換して清潔を保たなければなりません。

 

(※インターネットで妻が見つけた「Laryngofoam」

 

 

※インターネットで妻が見つけた「Laryngofoam」を肌に優しいテープで固定する。通気性が良くガーゼと比して息苦しさがありません。今はこれを愛用しています。コロナ禍になり人々はマスクをしていますが、口、鼻呼吸をしていない私にはマスクは必要ありません。ただ、人の目もありいちいち説明するのも面倒なので仕方なく外出時はマスクをしています。公園筋トレ時はノーマスクです。

「Laryngofoam」が私にとっての「マスク」です。コロナ禍になって以来、気休めですが「Laryngofoam」を2枚重ねで使用しています。

 

 

《衣類》

衣類は気管孔の掃除がやりやすく、呼吸がしやすい前開きのゆったりしたものになります。以前からたくさん持っていたTシャツやスエットシャツは首のところに縦に切り込みを入れて着用しています。夏場には薄手のメッシュ生地のTシャツが通気性が良いので愛用しています。

首に気管孔がある人では、つんくさんのようにスカーフや大きめのハンカチを襟元に巻いている方もいるようです。

(※胸の気管孔のケアが出来るように切り目をいれています。Laryngofoamが見えていますね。

 

《ネブライザー・エアウエイチューブ》

気管の乾燥を防ぐために加湿してやる必要があります。健常者では吸い込んだ空気は鼻、口、喉を通過する間に適度な湿気を帯びて肺に入りますが、気管孔では乾燥した空気がそのまま肺に入りますから人工的に加湿してやる必要があります。そのための医療機器が「ネブライザー」という水を霧状に変えて噴射する吸入用加湿器です。

 

入院中は病院のネブライザーで看護師さんが水、薬液(生理食塩水)、標準的時間をセッチングしてくださり、痰の吸引もしてくださいますが、退院すればそうはいきません。ネブライザーは自身で購入するのですが、価格帯、メーカー、大きさ、性能と様々です。実際に使わないとどれが良いか全くわかりません。結局、最初に購入したオムロン製の4万円くらいのものは使い物にならず、2台目に購入したオムロン製の10万円の物が一番で今でも使っています。しかし、AC電源が必要ですし、機体が大きいために持ち歩くには不向きです。旅行や長時間の外出用に「携帯用のネブライザー」を3台追加購入しました。1台はオムロン製で4万円代、電源は電池ですから、新幹線の中など移動中に便利です。ACアダプタータイプではドイツ製の4000円代の物を見つけ2台購入しました。オムロン製に比して作りが値段相当(ちゃちい)なので駄目なら諦めるつもりで購入したのですが、機能性は抜群で今も外出時には使っています。高価なものが良いのは当たり前ですが、価格だけではないことも勉強しました。

(※断面画像 こんな感じで鎖骨、第一第二肋骨、甲状腺、声帯、喉頭部を摘出して凹んでいます。チューブの存在がよくわかります。)

 

(具体的なメンテ方法)

退院当初は、5時間おきくらいに1回15分程度、1日4~5回ネブライザーで加湿しなければなりませんでした。そして、気管内にこびりついた痰を咳の要領で吹き出してやり、あとは綿棒、ピンセット、ティッシュで清潔に掃除するのです。

術後5年が経過した今は、試行錯誤の末、8時間おき、1日3回でやりくりできるようになっています。

 

狭窄防止のための「エアウエイチューブ」が挿入されているのでどうしても気管孔の入口とチューブの間に痰や粘液がこびりつき固まってしまい呼吸が苦しくなります。息苦しい時は大抵の場合、痰が原因です。ネブライザーで加湿したあとウエットティッシュや濡れガーゼなどでふきとり、気管孔の周囲、内壁にこびりついたものは鏡を見ながら綿棒やピンセットでとります。無理にピンセットで痰を取ろうとすると出血するの要注意です。チューブ内やチューブの奥の気管に痰が溜まると不潔になるだけでなく、痰が詰まれば窒息の恐れが出てくるので、定期的にチューブを抜いて洗浄し、再度、挿入するという作業も欠かせません。痰をやわらかくするためにクリアナールアンブロキソールを服用しています。乾燥する季節には部屋で加湿器を利用するのもいいようですが実際にやってみると部屋にカビが発生したのでやめました。

 

 

 

 

(※気管孔のメンテナンス動画【閲覧注意】気管孔の画像が出てきます。)

 

※術後の実際の気管孔のメンテナンスは、医師から一応の指導はあり、痰取りは看護師さんが吸引してくださいます。狭窄防止のチューブ管理は医療行為になるため入院中は医師が必要に応じてしてくださいます。しかし、気管孔の条件は人により様々ですし、チューブにも既製品は無いので退院後はネブライザーの選択、購入、噴霧時間、1日の回数、痰処理の方法、狭窄防止チューブの制作、管理すべて自分で試行錯誤しながら自分に合ったやり方を見つけて自分でやことになります。

 

(※オムロン製のネブラーザー。設置用と携帯用)

(※ドイツ製の小型超音波式ネブライザー)

 

(※自分で製作した狭窄防止用チューブの数々)

(※自分でフィットするように製作します。工作が好きでしたのでお手の物です。)

 

【今日の筋トレ】

今日はこの冬一番の寒い朝でした。よってホームトレーニングです。

◎スローブルガリアンスクワット 20回×5セット

◎ワンレグカーフレイズ 120回