がん宣告から今日までのまとめ(6)『私が受けた手術』

「I’m back!! 手術成功の報告!!」(2017年09月15日のブログより)

 

I’m back!! 生きていました!!術後、ICU、HCUを経て一般病棟に戻り、チューブだらけの体ですが、やっと何とかスマホを操れるようになりました。

 

そんな体で、術後10数時間でチューブだらけの体で早くもリハビリが始まりICU内を歩かされました。今は回復を早め、合併症をふせぐためにそうするとは聞いていましたが、これには流石にびっくりしましたが頑張っています。

 

それよりもチューブまみれで、上半身が動かせないため背中、尻が痛くて眠れないのが辛い。

訴えたくても声が出ないのが辛い。

 

気管孔の痰の吸引もかなり辛い。吸引のチューブを気管孔に入れられるたびに電気ショックを受けたように体がのけ反ります。

 

しかし、痛みは生きている証。頑張ります。

 

No  pain, no  gain(「痛みのない所に発達は無い」というボディビル用語) は、まだ、始まったばかりです。などと格好をつけていますが、しばらくはブログを更新する余裕はないかもです。しかし、こんな難しい手術をやってのけるドクターたちも、術後の世話を冷静にテキパキする看護師さんたちも凄いですね!感謝することしきりです。まずは、手術成功「生還」の報告でした。

 

★私が受けた手術内容★

【主病名】喉頭、気管癌(腺様嚢胞癌)

【腫瘍範囲】輪状軟骨から第10軟骨輪

【手術実施日】2017年9月12日 09:52~18:13(8時間21分)

【診療科】呼吸器外科 野守医師、耳鼻科 岸本医師

【術前診断】気管、腺様嚢胞癌、甲状腺浸潤(+)、食道浸潤疑い

腫瘍範囲:輪状軟骨から第10軟骨輪

【手術診断】同上、食道浸潤なし、完全切除

【麻酔種類】全身麻酔(分離肺換気)+硬膜外麻酔

【術式】気管切除、喉頭摘出、鎖骨、第一、第二肋骨切除、縦隔気管孔作製

【出血量】260ml

【輸血量】0ml

 

 

◎開胸の結果、危惧されていた食道への浸潤がなかったため、16時間という予定の手術時間は約半分の8時間21分で済みました。待機していた消化器外科のドクターの出番はなかったことになります。

 

◎執刀していただいた亀田総合病院の呼吸器外科の野守医師、耳鼻科の岸本医師はともにスーパードクターと呼ばれる名医なのですが、手術での手の速さが凄いと聞きました。出血量260ml、輸血量0mlがそれを物語っていると思います。

 

この手術は二人の名医でさえ私で生涯3人目。出来る医師は日本に数十名しかいないそうです。

 

◎切除する気管の周辺には食道だけでなく心臓から脳へ繋がる大動脈、多くの重要な神経が存在するため一つ間違えば大動脈からの大出血、術後にも感染症による大動脈からの大出血で死亡する可能性(20%)があると説明を受けました。

(※追記:手術から5年が経過し、転移などもあり関東、関西のいくつもの病院で受診しましたが、この手術をしたことがあるという医師に出会っていません。私は友人の紹介で良い医師に出会い、ツイていたということになります。)

 

 

 

手術中の顕微鏡での簡易検査、術後の細胞検査では陰性「完全切除」となりましたが、再発、転移の防止目的で「断端部への放射線治療」が告げられました。放射線治療をすることで腺様嚢胞癌の局所再発は防ぐことは出来るが遠隔転移は防げない。転移確率40%、肺転移が最も多いことも告げられました。

(※追記:私自身、2020年11月「肺転移」(開胸手術で肺部分切除)、2022年5月「肺多発転移」(サイバーナイフで治療中)と2度「肺転移」しています。)

 

 

★癌治療における「完治」「寛解」「完全切除」とは?★

がん切除術後、がん治療後5年間再発しなければ「完治」しただろうとみなすそうです。「5年生存率」という言葉をよく耳にするのはこのためです。

乳がんの場合、5年以上が経過しても再発することがあるので10年が「完治」の目安、腺様嚢胞癌ではしつこい癌なので5年、10年が経過しても再発、転移が起こるそうです。

腺様嚢胞癌は「事実上完治がないがん」と言えそうです。

 

「寛解」というのは、「完全に治ったとは言い切れないが、病気を抑えることが出来ているという状態」を言います。

 

手術における「完全切除」とは、「肉眼、顕微鏡で確認しても腫瘍が取りきれた状態」を言います。R0(アールゼロ)切除とも言います。しかし、完全切除と言っても、癌細胞が体のどこかに潜んでいて再発、転移する場合があるので、切除した時点では完全に治癒した状態ではありません。

 

肉眼的に明らかに腫瘍が取りきれなかった状態はR2(アールツー)切除、肉眼的には取り除いたが顕微鏡での確認で腫瘍が取りきれていない場合をR1(アールワン)切除と言われ、「不完全切除」「非治癒切除」と言うことになります。

 

【今日の筋トレ】

◎ワイドグリップパラレルチンニング  10セット

 引き上げる時は一気に、下ろすときはゆっくりを心がける。

ハンギングレッグレイズ 5セット