がん宣告から今日までのまとめ(4)

術後の痛みと痛み止め』

「術後の痛みと痛み止め」についてライブドアブログ記事の続きです。「ICUの思い出」にも痛みについて記しています。

 

★麻酔と痛みどめ★

外科手術を受けたことがない方のために痛みと麻酔についてお話しましょう。
手術をうけることになったら、まず思うのが痛みについてですよね。手術中は全身麻酔がかけられているわけで痛みは感じません。骨をも切除する大きな手術なので「麻酔から覚めたときにどんな痛みが襲ってくるのか。」私もそれを心配していました。
「実際はどうなのか?」をまとめてみました。


【手術時の麻酔】
手術では、寝台のうえに横向きに背中を丸めて寝かされ「さあ、少しだけ頑張りましょうね。」という麻酔専門医の声とともに、背骨の中を走っている脊髄という太い神経のまわりに局所麻酔薬チューブを入れて手術部位の痛みをとる硬膜外麻酔が施されます。そして、酸素のマスクを顔にあてる(ここで意識は飛んでしまいます。)、点滴から麻酔薬を入れる全身麻酔が行われ意識が完全になくなります。あっという間に意識がなくなりました。

当然のことながら、手術中は、意識がないので痛みは感じません。

 

【術後の痛み 意識が戻ったときどんな痛みが襲ってくるのか・・・】
手術が終われば、ICU(集中治療室)で目覚めます。呼びかけられて目を開けると、周囲に妻、娘、親族、看護師さんの顔が見えます。痛みについては、私自身が恐れていたのは、「術後、麻酔が切れたときにどんな痛みが襲ってくるのだろう」ということでしたが、術後の痛みについては、今は患者自身がボタンを押して鎮痛薬の注入量をふやすことができる硬膜下麻酔を始め、鼻から入れられたチューブや点滴から痛み止めが注入されており心配したほどではありませんでした。(個人差はあるとは思います。)

 

そして、気付くのが鼻からおちんちんに至るまで、体のあちこちがチューブに繋がれ身動きがとれないことです。最も悩まされた痛み。それは身動きがとれない、じっと同じ姿勢で寝ていることからくる背中、腰、尻の痛みでした。

 

元気な時には、「1日中寝ていたい。」と思ったりしたものですが、寝ていること、しかも、体は縫い合わされ、チューブで身動きがとれない状態でじっと寝ていることがどれだけ苦しいか生まれて初めて知りました。これだけは、痛み止め薬ではどうしょうもないようです。チューブに繋がれている間、背中痛、腰痛、尻痛に悩まされることになります。

 

実際、想像していた手術の傷の痛みは前述の痛み止めにより、かなり緩和されるのですが、じっと寝ていることによる背中痛、腰痛、尻痛には閉口しました。ナースコールを押すたびに体の位置を変えてくれる看護師さんに感謝です。(2人がかり、3人がかりで動かしてくれました。)

 

このことについては、体の大きなヘビー級のプロレスラー、ボディビルダー、お相撲さんは、本人も介護する人も大変だと思います。体がでかい、重いことによるハンデを知る瞬間です。

 

HCU(高度治療室)を経て一般病棟に移ってからは、まず排尿用のチューブが抜かれ、硬膜外麻酔のチューブが抜かれ、水、食事がとれるようになれば鼻から喉、胃袋へ入れられていた投薬用、水分、栄養補給用のチューブが順次抜かれていきます。そして、最も鬱陶しい廃液用のドレンチューブが抜かれます。ここまで来れば、後残っているのは、点滴用のチューブくらいでしょう。大方のチューブが抜けると体はかなり自由に動かせるようになり、動けない苦痛、痛みからようやく開放されることになります。

 

一般病棟に移ってからも喉頭部全摘での傷がいえるまで飲食が一切出来ない為、鼻の穴から胃袋まで挿入されたままのチューブで定期的にメイバランスなどの栄養剤、痛み止めなどが流し込まれます。腕に刺されたままの針からも痛み止め、炎症を抑える薬、栄養剤の点滴が流し込まれます。

 

2週間後の食道燕下造影検査で食道の流れに問題が無いことが確認されたあとからは、水、重湯、通常食へと飲食が進められ、鼻のチューブが抜かれます。同時に薬も経口投与になるのですが、その量の多いこと。内容を尋ねてみるとその多くがカロナールロキソプロフェントラムセットなどの痛み止め、消炎剤+胃薬でした。。

 

健康な時は、バファリン、風邪薬でさえ、何時間おきに何錠。それ以上は飲んではいけないと気を使っていたのに、「こんなに痛み止め飲んで大丈夫なのか!?」その薬の多さにはビックリしました。

 

(ICUの思い出に続く)

 

【今日の筋トレ】

◎スローチェーントライセップス 10セット

◎ハンギングレッグレイズ