岡山の路面電車に、年に二日それも早朝だけ営業する電停があることを、同じく全駅乗下車を達成している知人のよねざわさんから指摘され、調べてみると確かに存在しているらしく、やはりこれは見逃せない、との想いにかられ、今度の停車日に合わせ、岡山へとやって来ることとなりました。
その電停で乗り降りできるのは、朝の一番から10時くらいまでと短く。朝一番の新幹線で来ても間に合わないため、止むなく前泊を余儀なくされます。逸る気持ちを抑えつつ、早くも一番電車で現地に向かうことにしました。東山線に揺られること約10分、西大路町の電停を過ぎて左に曲がった所で電車は停まり、扉を開けます。道路に黄色のテープで乗り場が示してあったので、どうやらこれが目的の電停(京橋停留場)のようです。
ここに電停が出現するのは、5月と10月の第一日曜日のみ。年二日だけしか営業しない駅は、予讃線の津島ノ宮駅が有名だけれど、ここは朝のほんの数時間しか電車が停まらないことから、日本一短い営業時間という意味では、こっちの方に軍配が上がりそうです。
電車は数分毎に次々とやって来て、ここで乗り降りする人も結構見かけます。市街地にあり、住宅街が広がっていることから、常設にしてもいいような気もします。
10時くらいにもう一度さっきの電停跡に行ってみたところ、路面に貼られていたテープはもうすっかり剥がされていて、そこに電停があったことは全くわからなくなっていました。電車も当たり前のように通過して行きます。
一日券を持っているので、その後は清輝橋線にも行ってみたりして、適度に乗り降りを楽しんでみます。
それでも昼前には岡山を脱出し、しばらく山陽線を下ります。「18」シーズンではないので鈍行における熾烈な席取りバトルもなく、実に平和です。でもこれが本来の鈍行の姿ですね。
府中から先は非電化となり、本数が激減。足を踏み入れるだけでも困難を極めます。
でもそれだけに沿線はローカルムードに満ち溢れ、迫力のある車窓に目が釘付けになるほど。「18」シーズンでないため、旅行者の姿をほとんど見かけず、落ち着きのあるゆったりとした車内空間が保たれているのがまたいいですね。
塩町からそのまま芸備線に直通し、やって来たのは三次です。随分とコンパクトな駅舎に建て替わっていて、何かちょっと残念な気も。これも時代の流れですかね。
まだ早いけど今日の行動はここまで。明日は廃止が決まった三江線へ行きます。
岡山 11:47 → 12:45 福山 14:08 → 14:50 府中 15:05 → 16:55 三次
ホテルα-1三次
税込 5300円(朝食付)