ついに最後の日を迎えることとなりました。
まだ薄暗い早朝の6時過ぎから行動を開始します。さすがに最終日とあって、この時間帯から早くも駅は結構な人が詰めかけています。
6時35分、深川方面から増毛行の一番列車がやって来ました。跨線橋を渡った対向ホームに発着する貴重な便でもあります。それだけに明日以降、このホームが使われるのかどうか、気になるところです。
増毛方面からも深川行の列車が到着。この交換シーンもこれで見納めになるかもしれません。
通常なら回送同然でやって来るはずの増毛行一番列車ですが、今日はご覧のような有様。これ以上の増結はなさそうなので、この先対応できるのか不安になります。
とりあえず終点の増毛へ。早朝から多くの人で賑わっています。でもすっかり見慣れたこの光景も、いよいよ今日が最後。にわかには信じられない気がしますが。
そのまま折り返して留萌へ。今日乗った便は、明日以降はもう二度と走らないことを思うと、それだけでとても複雑な気持ちになります。
列車はこの後、臨時便までしばらくありませんが、構内は記念切符や入場券等を買い求める人で大変な混雑となっています。ローカル線の駅がこれだけ賑わうのは何だか頼もしくも思えますが、やはり事情が事情なだけに、思いは複雑です。
そのうちに深川方面から増毛行の臨時列車が到着。普段はそれなりに空いているこの列車もさすがに今日は混んでいますね。
臨時列車はここ留萌で30分くらい停車時間があるので、駅の混雑はさらに輪をかける形となり。でもこの活気も今日限り。
ホームでも記念グッズが発売され、多くの人が群がります。
そしてとうとうこの日はやって来てしまったのです。
超満員に膨れ上がった臨時列車に乗って終点の増毛へ。物凄い人出となりました。
ゆるキャラまで登場し、かつてないほどの熱気に包まれる増毛駅前。
こちらもいつも通り商売繁盛の駅売店。
折り返しの臨時列車で一旦留萌まで引き上げます。
相変わらず活気の衰えることのない駅構内。
最も混雑する昼過ぎの増毛行が到着。今日も2両だけなので、乗り切れるかどうか気になるところ。
それでも何とかギリギリまで詰め込んで、辛うじて積み残しは出ずに済み。東京のラッシュ顔負けの混み具合です。
途中の阿分で降りてみました。ホームは短く、先頭車両の一番前の扉からしか乗り降りできないので乗り降りも一苦労。それでも他にも乗り降りは数名居ました。
北海道にはよくある「板切れ」ホームの駅で、プレハブの待合室もいい味出しています。こんな北海道を象徴するような駅が、今日でまた一つ消えるのです。
折り返しの列車はかなり遅れての到着。随分と混んでいるようで、果たして乗れるのでしょうか。
降りる人も数名いたので、入れ違いになる形で何とか乗ることができました。それにしても、本当に凄い混雑です。
留萌に戻って来ました。相変わらず活気に満ち溢れています。
この後、留萌駅構内にてお別れセレモニーが行われるというので、次に折り返しとなる空いている臨時列車はあえて乗らずに見送りました。
程なくしてお別れセレモニー開始。こういうのを見ると、本当に終わりなんだな、という実感が湧いてきます。できればこの日は迎えたくなかったという残念な気持ちでいっぱいになります。
この日のためにツアーを組んだ、SPボーンの田中ディレクターとホリプロ南田マネとも遭遇。でも今日は慌ただし過ぎて、ゆっくりお喋りしている暇はありません。


次の列車では盛大な「出発式」が行われるようですが、この列車には乗りたいのでホームからその様子は見られず。これは仕方がないですね。
そしてまたまた増毛。陽のある時間帯に居られるのはこれが最後となるため、しっかりその様子は目に焼き付けておきたいですね。それにしても、凄い人です。
通常なら降り返しまで50分間停まる便ですが、大幅に遅れているため、乗降が済み次第すぐに発車。乗り切れるかどうか心配でしたが、何とか積み残しは出さずに全員乗れたようです。
留萌に着く頃にはすっかり陽も暮れ。
通常ならもう窓口は閉まっている時間ですが、今日はまだ開いていて、入場券等を買い求める人が絶えません。
次の増毛行も大幅に遅れて到着。さすがに今日はまだ多くの人が残っています。
そしてまたまた増毛へ。いよいよ最後の時は近づきつつあり、見送りにも熱がこもります。明日はもうここに列車がやって来ないというのがまだ信じられない想いです。
ここで列車を一本見送って、最終列車を待つことにしました。売店も今日は遅くまで開いていて、最後の賑わいを見せています。ひどくマッタリとしていますが、差し詰め、今は「嵐の前の静けさ」といったところでしょうか。
待つことしばし、最後となる列車がやって来ました。大幅な遅れとなっていますが、もはや気に留める人など居ない様子。とうとう来たるべき時は訪れてしまいました。
最後の列車へと乗り込みます。ここから列車に乗るのもいよいよこれが最後と思うと、さすがに感慨無量です。
外からは大勢の人がサイリュームを振って最終列車を見送ります。思わず感極まってしまいます。
そしてついに最終列車はゆっくりと増毛を後にします。もうここに列車がやって来ることは二度とありません。95年間の歴史に幕が下りる瞬間です。
大混雑の中、全員は乗り切れないのでは、と危惧された最終列車でしたが、ギリギリまで詰め込んで、何とか積み残しは出さずに済んだようです。
列車は通い慣れたいつも通りの道を坦々と進みます。しかし再び折り返すことはもう決してありません。途中の駅にも沿線にも、最後の列車を見送る人を多数見かけます。進むにしたがって長い歴史に幕が下されて行きます。
廃止となるのは留萌までですが、そのまま余韻を引きずるようにして深川まで乗車。途中でシカに衝突するハプニングがあり、さらに大幅な遅延となったものの、無事深川に着き、長い長い一日が終わりました。
次に留萌本線がこれほどの混雑に見舞われるのは、それこそ留萌本線そのものが無くなる時に他ならず、できればそんな日は永遠に訪れるこがないことを願わずにはいられません。