切符の期限も今日がラスト。
そして今朝はホテルにて朝食をのんびり取り、かなりゆっくりとした出発となりました。そろそろ疲れもま溜まってきたことでもあるし、このくらいのゆとりがあるとだいぶ楽になりますね。
今日はもう一度宗谷本線を行こうと、旭川を9時過ぎに出る「スーパー宗谷」からスタート。今回の旅の始めにも同じ列車に札幌から乗っています。もう6日も前のことになるのですね。
自由席は6割強といった乗車率。6日前と比べると、少し多いようです。でもこればかりは日によって変動がありそうで、混雑具合をを予想するのは難しいところ。
今日はある場所へ向かうため、音威子府で特急を乗り捨てます。もっと乗っていたい誘惑に駆られますが、目的があるので。
ここへ来たからには、せっかくなので、構内で営業している名物の黒いソバを食べてみます。ここも営業時間がだいぶ短くなったようで、午後3時半過ぎに訪れた5日前はもう閉まっていました。
でも「かけそば」が370円もするのは、立ち食いソバにしてはかなり高いような。昔はもっと安かったと思ったけど。
ここから隣の筬島駅まで歩いて、2時間くらい後にやって来る鈍行を捕まえるつもりです。筬島も今度のダイ改で廃止の候補に挙げられた駅です。6キロちょっとと少々距離がありますが、1時間半もあれば辿り着けるはずなので、余裕はありそうです。ということで、線路に沿って続く道路をてくてく歩いて行くことにしました。
線路は悠々と流れる天塩川の対岸に敷かれています。でも途中に橋はなく、線路側に行くことは難しそうですね。
やがて景色は牧草地に変わり、集落が近づいたことを予感させます。これまでの天塩川沿いに続く道において、人の気配は一切確認できなかっただけに、少しばかりホッとした気になります。
そして一時間も歩くと、ようやく対岸へ渡る橋が現れ、地図によるとこの橋を渡ると筬島の駅があるようです。それなりに疲れたものの、意外とあっけなかったような気も。
橋を渡ると筬島の集落が見えてきました。そこそこ人家はあるようで、比較的まとまった集落のようです。
筬島の駅に到着です。いわゆる「貨車駅」ですが、随分ときれいに整備されていますね。
駅前及び周辺には結構あちこち家屋が確認でき、それも廃屋ばかりではなさそう。この状況で駅を無くしてしまうのは、やや早計過ぎる気がしてなりません。
待合室内も掃除が行き届き、居心地は上々。トイレが現役なのも「貨車駅」ではあまり見かけないですね。
でもこのダイヤでは、町までちょっと買い物、というわけにもいかず、利用したくてもできない、というのが実情でしょう。駅巡りをしているテツの皆様も、この駅での乗下車には相当頭を悩ませていると思われます。
ここで信じられないようなハプニングが。
列車が来る時間が近づいたので、ホームにて待機していたところ、放送が入ったので、遅れているのかな、とぼんやり聞いていたところ…
「次の13時14分発名寄行の列車は、車両故障のため運休となりました。ご了承ください」
さすがにこれにはびっくり仰天。待合室に電話番号が書いてあったので電話してみると、「次の列車を待つか、お客さん自身で代行を手配してください」とのこと。
そんなこと言われても、次の列車は6時間以上後の最終列車しかなく、反対方向へ行く列車でも4時間もの待ち時間となり、いくら何でもそれはあんまりではないか。次の特急を停めてくれないか、との要望にも、「それはできません」とつれない返事。代行バスあたりを手配してくれる様子はないようで、とにかく大変な事態に陥ったことを思い知らされ、茫然自失。
完全に途方に暮れかけたけど、こんな何もない所でこのままずっと留まっているわけにもいかず、こうなったらもう隣の音威子府まで歩いて引き返すしかないだろう。ここまで一時間くらいで辿り着けたから、帰りもそのくらいで着けるはずなので何とかなりそうではある。しかし意気込んで歩き始めた行きと違い、戻りの歩きは全くの想定外だっただけに、何とも虚しくバカらしく思えて仕方がないですね。
それでも今日はまだ天気がよく、また明るい時間帯だったのはせめてもの救いで、陽が暮れていたら、あるいは雪でも降られたら、それこそ完全にお手上げだったはず。それに状況によっては、熊に怯えながらの歩行となっていたかもしれず、これはまだ不幸中の幸いだったのかもしれません。
そして行き同様、一時間程歩くと天塩川を渡る橋まで辿り着き、ここを越えると音威子府の集落となることがわかっているだけに、ようやくホッと一息つけます。本当にやれやれで、それにしても、こんな目に合うとは夢にも思わなかったです。
音威子府へと戻って来ました。ここは「みどりの窓口」もある主要駅なので、何かと安心です。何かあった場合でも、最低限相談することはできるので、とても心強く思います。でもどうやら列車が運休になったことによる影響はあまりなかったような。
やがて札幌行の特急「サロベツ」が、何事もなかったかのように定時でやって来ました。さすがに乗客はそこそこ多く、やっぱり特急には安心感が漂います。
本当はもう一駅、北星に行きたかったけど、今回はもう諦めて旭川へと抜けてしまいます。なお、「サロベツ」は自由席が極端に少ないため、旭川からの乗客をさばき切れず超満員に。そのため、急遽旭川で下車して後続の「スーパーカムイ」に乗り換えることにしました。
こちらは自由席がたくさんあり、また「サロベツ」のすぐ後を走ることもあって、がら空き状態。でもこの場合、通常は特急券が別途必要になるため、乗り放題の切符でもない限り、このような乗り方はあまり現実的ではないかもしれません。
札幌に到着です。切符の期限は今日までなので、明日はもう帰るだけ。今日は散々な目に合ったけど、これもいい経験になたかも。北海道の駅巡りには、それなりの覚悟も必要ですね。
最後の夜ということで、今夜はちょっと贅沢して、少しだけいい宿に泊まることにしました。
旭川 9:17(特急「スーパー宗谷1号」) → 10:57 音威子府 ⇒ 筬島 ⇒ 音威子府 15:45(特急「サロベツ」) → 17:33 旭川 18:00(特急「スーパーカムイ38号」) → 19:25 札幌
ドーミーインPREMIUM札幌
税込 6490円